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迷惑客も存在 探偵業ノウハウ活かす「民泊バスターズ」登場

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 マンションの空室などに外国人観光客を泊める「民泊」が不動産投資の追い風となる一方、違法な“ヤミ民泊”は事実上、野放し状態でトラブルが急増中。ニーズの高まりを受け、民泊トラブル専門のプロまで登場している。

 関西地方のマンションに住む40代女性はこの夏、同じ階で深夜まで騒ぐ外国人の集団に悩まされたという。

「部屋から大声の中国語が聞こえてきて、“中国人の住人なんていなかったはずなのに”と不審に思っていたんです。すると翌朝、通路に大量のスーツケースと『爆買い』の残骸らしき空の段ボールが散乱していました。

 昼間に注意して見ていると、中国人が次から次へと部屋に入っていく。数えてみると、2Kの部屋なのに子供を含めて全部で11人も寝泊まりしていたんです。そのうちに部屋に入りきれない人が廊下で段ボールを机にして牛丼を食べ始めたり、タバコを吸ったり。牛丼の容器もそのまま放置です。翌週からは別の外国人が出入りするようになりました」

 もちろん彼らはマンションの住人ではない。「民泊」を利用する外国人観光客だ。トラブル急増を受け、処理・相談を請け負う新ビジネスも生まれた。リ・バース東京探偵社(東京都品川区)が今年6月に立ち上げたサービスが、「民泊バスターズ」だ。電話とネットで相談を受け付けており、担当の平川信寛氏は「毎日のように新たな相談が持ち込まれている」と話す。

 個人が所有、もしくは借りている部屋などを有料で旅行者に貸し出す民泊は、2014年頃から急拡大。

「本来、旅行者を宿泊させるビジネスは、旅館業法に基づいて自治体の許可が必要で、フロントなどの設備や部屋の広さに細かな要件がありました。しかし、外国人観光客によるインバウンド消費を景気拡大につなげたい政府は、民泊の活用で宿泊施設不足を補おうと、許可のハードルを下げる規制緩和を次々と打ち出しています」(厚労省関係者)

 その流れのなかで、自治体の許可を得ない“ヤミ民泊”が急増。京都市が5月に公表した調査結果では、市内2702件の民泊物件のうち許可を得ているのはわずか7%だった。前出・平川氏は、そうしたヤミ民泊に行政が全く対応できていないと説明する。

「旅館業法に基づいて許可を出すのは保健所ですが、マンションの住人から違法営業の通報を受けても調査権限がないからポスティングによる警告が精一杯です」

 冒頭の女性のケースでは部屋が特定できていたが、“共用スペースに外国人旅行者がたむろして困っている”といった場合も多く、そうしたケースでは、「保健所はオートロックの中にも入れず、部屋の特定すらしてくれない。警察も事件や事故に発展しない限り対応しない」(同前)という。

 ではどうすればいいのか。民泊バスターズでは、相談を受けるとまず、探偵業のノウハウを活かした張り込みなどで、“この部屋で民泊が行なわれている”という動かぬ証拠を押さえる。

「オートロックの建物ならば玄関ポストに入れた鍵を観光客が取り出すという受け渡しスタイルが多いので、その現場を動画撮影します。そして、映像とともに書面で管理会社に対応を求める。転貸禁止規定がある物件ならば、貸主が強制退去を求めてくれるケースがあります。現状ではこれがベスト」(平川氏)

 分譲マンションの場合、管理組合で規約に「民泊禁止」を明文化する手もあるが、「映像の証拠があっても友達が来ているだけ、とシラを切る人も少なくない」(同前)という。さらに有効な対応策がないか、民泊バスターズも研究を重ねている。

※週刊ポスト2016年11月4日号

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