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自分の歯から角膜が作れる…!? 知っておきたい「目の移植」について

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心臓や肝臓などの移植や臓器提供については、ご存知の方も多いでしょう。最近だと、保険証のウラ面に臓器提供の意思表示をする欄があったりもしますよね。

同じように、目も移植や提供ができるのはご存知でしょうか? 今回は、「もしも」のときのために知っておきたい「目の移植」についてご紹介します!

移植するのは目のどの部分?

「目の移植」といっても、いま日本で一般的におこなわれているのは、目の中でも「角膜」と呼ばれる部分の移植手術です。

角膜は、目のいちばん前にある透明な膜。目に入った光のピント合わせの大部分をこの角膜でおこなっているため、ほんのわずかな変形や混濁(にごり)でも視力に大きく影響してしまうのです。

角膜移植には大きく分けて2種類ある

角膜が外傷や感染症、遺伝的疾患などによって透明性を失ったり、変形により像を結ぶことができなくなったりした場合、角膜の移植手術をおこないます。

その方法は大きく分けて2つ。1つは「表層角膜移植手術」といって、変形や混濁の部分が浅い場合に、角膜の表層を交換する手術です。もう1つは「全層角膜移植手術」。角膜全体が濁ったり変形をおこしたりしている場合に、全体を入れ替える手術です。

眼球を提供できる「アイバンク」とは?

もし角膜移植が必要になったら、どうしたらいいのでしょうか?そんなときのために、日本には「アイバンク」という公的機関があります。アイバンクは、心停止もしくは脳死が確認された人から眼球を提供してもらい、角膜移植を待つ患者にあっせんしています。

アイバンクへの献眼は年齢制限がなく、誰にでもできます。近眼や老眼の人、網膜などに疾患があって目の不自由な人でも、角膜は移植に使えます。

ただし感染症がある場合には、検査の結果によって移植に使えないこともあります。また、眼内の癌や白血病などの場合も使えません。

献眼登録は、各都道府県にあるアイバンクでできます。登録証をもらったらいつも携帯し、家族や親類に献眼を決意したことを話しておくことが重要です。そうすれば、もしものときに移植を待っている人へ確実に角膜を提供できるでしょう。

自分の「歯」を目に移植して、失明から視力を回復したケースも!

ご紹介した2種類の角膜移植の手術は、患者の目に拒絶反応があるとできないこともあります。しかし、拒絶反応をおこした患者が、自分の「歯」を目に移植することで失明から光を取り戻したという、おどろきのケースがアメリカで報告されています。

ミシシッピー州在住のシャロン・ソーントンさんは、約9年前にスティーブンス・ジョンソン症候群にかかり、失明しました。角膜移植や一般的な人工角膜は拒絶反応があり、手術できなかったそうです。

そこでマイアミ大学バスコム・パルマー眼研究所の医師たちは、イタリアで開発された「歯」を用いた移植手術を世界で初めて実施することにしました。患者本人の歯を使用するため、角膜移植への拒絶反応がある人でも大丈夫な手術です。

具体的には、ソーントンさんの犬歯を周囲の骨ごと取り出し、形を整え、穴を開けてそこに光学レンズをはめ込みました。この方法では、レンズをはめた歯を患者の頬または肩の皮下に移植し、歯とレンズがしっかり結合するまで2か月間放置します。そしてできあがった人工角膜に細かい処置をしてから、目の中心に移植したのです。

ソーントンさんは、手術の2週間後には新聞も読めるまでに視力を回復したそうです!

いかがでしたか? 自分の歯から角膜が作れるなんて、医療の進歩にはおどろくばかりですよね!とはいえ、このような手術はまだまだ一般的ではありません。いまも移植を待っている多くの人たちのため、この機会にアイバンクへの登録を、ご家族や親しい人と話しあってみるのもいいかもしれません。

【参考】

角膜移植とアイバンク|公益財団法人日本アイバンク協会

自分の歯を目に移植、失明から視力回復 米女性|AFP BB NEWS

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