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笑って父ちゃん!脳血管性認知症の介護体験談~父と愛犬~

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脳血管性認知症・要介護5の父をシングル介護しているすーちゃんです。今回は、我が家の介護生活をがらりとかえた2歳の愛犬について書きたいと思います。

ひとりきりの介護生活の中で思うこと

私が子どものころ、我が家では犬を飼っていて、当時元気だった父もすごく可愛がっていました。その子が亡くなったとき、もう新しい犬を迎えることはないと思っていたのですが、父の介護でずっと家にいるようになり、「犬がいてくれたらなぁ」という考えが頭の片隅に出てきました。

「要介護5の父の介護生活だけで大変なのに、犬のお世話がちゃんとできるんだろうか?」と、なかなか実現できずにいたそんなある日、前の犬にそっくりな子犬に出会ったのです!

子犬を煙たがる父

何人かの友人に相談しました。

「大変よ。だけどワンコのいる生活はいいわよ」
「きっとお父さんにもいいわよ」

この言葉に勇気をもらい、すぐに子犬を迎えにいきました。

生後2か月の子犬。コロコロしてふわふわで…そりゃ、可愛くて、可愛くて、私はメロメロでした。父はというと…元気な頃のようにかわいがることはありませんでした。

むしろあちこちでオシッコ失敗するし、起きてる間は全くじっとしていないし、なんでも噛む子犬を煙たがっているようでした。

そうですよね。セラピードッグとして活躍しているのは、しつけのできた落ち着いた成犬です。最初は、犬と父の生活の場所を分けていました。ずっと一緒の環境は、父にも犬にも負担になると思えたからです。いえ、正確にはずっと一緒にいられる状況ではありませんでした。

介護と育犬の両立

犬の世話の途中でも、父が呼ぶと飛んでいかなければならないため、落ち着いて関われないのが私のジレンマでした。待たせてばかりで、「ごめんね」と犬に謝る日々が続き、介護と育犬の両立に悩んでいました。

「短い時間でもしっかり関わり、犬にとって楽しい時間がもてるようにする」
「まずは私と犬が信頼できる関係をつくる」

ドッグトレーナーさんに相談し、基本的なしつけや関わり方を教えていただきました。

父と犬の関係になかなか変化はなかったけど、成長とともにほんとに落ち着いた犬になってきました。父の介護を優先し、待たせてばかりで申し訳ないって思ってたのですが、要求吠えもしない我慢強い子になりました。

ヘルパーさん、看護師さんなど、たくさんの人の出入りのある我が家ですが、いろんな人に毎日撫ぜてもらい、人懐っこい子になりました。

父と犬の関係に変化が…

1歳になる頃には、父のベッドの横で寝るようになりました。その姿は、父を守っているようです。熱がでてしんどい時は、わかるようでちょっと離れて寝ています。

父が食べたヨーグルトを少し分けてもらうのが楽しみで、じっと側で待っています。父も、「はやく犬にあげろ」と自分から言うようになってきました。おやつを父の手から食べるようになりました。

1歳半になる頃には、父の投げたボールを持ってきたり、父とおもちゃで遊べるようになりました。

そしてつい最近の出来事です。2歳になって、父の「ハウス」の言葉で小屋(クレート)に入るようになったのです。すごい、すごい!だんだんとできなくなっていくことが増えていく83歳の父に、できる喜びを与えてくれたのです。

毎日10回くらい、父のために「ハウス」をしてくれています。そのたびに父はニッコニコの笑顔。

今は父の部屋でずっと一緒に過ごしています。犬がひっくり返ってお腹だして寝ているのを見て笑ったり、私が用事している間、犬と少しなら待てるようにもなってきました。

犬のしっぽをひっぱったり、蹴ったり、瞬間的に手や足が出てしまう父。犬のほうが慣れていて、全く怒らないのです。「もう仕方ないなぁ」という感じで父に蹴られてもうまくかわしてくれるのです。ほんと賢い。次の目標は、車椅子の父のお膝に座って頭を撫ぜてもらうことです。

さいごに

「その家に必要な犬が選ばれてくるのよ」

ある人の言葉です。多分この子でなければ、我が家で犬を飼うことは難しかったかもしれません。しんどい時には私の愚痴も黙って聞いてくれます。私の笑顔も増えました。介護生活に犬がいてくれることが、どんなに心に潤いと喜びをもたらしてくれるのか「ワンコの力」を実感しています。

うちの犬になってくれてありがとう。

これからも、よろしくね。

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この記事を書いた人

すーちゃん

1966年生まれ。仕事をしながらの両親ダブル介護を経て、2006年に介護離職。現在は2005年に心原性脳梗塞になった83歳の父(脳血管性認知症 要介護5)を在宅介護中です。シングル介護なので大変も多いけど、父を笑かすことが私の楽しみだったりします。細々と、ブログ「笑って 父ちゃん」で父娘のドタバタな日常を綴っています。★プロフィール写真は、父が私を描いてくれたものです。

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