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味噌の可能性は無限大だ! 味噌蔵が作ったお店「ぞうめし屋」のコクうまメニュー【愛知】

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愛知県で作られる豆味噌(写真はイメージ)

愛知県産の味噌といえば、八丁味噌を思い浮かべる人は多いだろう。しかし、その名を冠するのは岡崎市内にある2つの味噌蔵でつくられた味噌のみ。

それ以外は「豆味噌」と呼ばれ、八丁味噌と同様に大豆を原料としている。熟成期間などの違いはあれど、味に大差はない。地元で生まれ育った私でさえ区別が付かないほどだ。

豆つぶが丸ごと残る手作りの味噌

味噌かつや味噌煮込みうどん、味噌おでん、どて煮など「なごやめし」に豆味噌は欠かせないだけでなく、毎日のように食卓に並ぶ味噌汁にも当然豆味噌が使われている。しかし、一般家庭において味噌の消費量が減っているという。私なんぞは約半世紀にわたって、ほぼ毎日赤だしの味噌汁を飲んでいるというのに。

このままでは味噌とともに歩んできた名古屋の食文化が衰退してしまう。そんな危機感を抱いているのが、西三河で味噌の醸造を営む「今井醸造」の三代目社長、今井大輔さんだ。

彼が手がけるお店は後ほど紹介するとして、まずは「今井醸造」を紹介しよう。

西三河地方の海沿いにある小さな町、西尾市吉良町にある「今井醸造」。

こちらが味噌蔵。味噌づくりは昭和33年に今井さんの祖父がはじめたもので、今も家族だけで仕込みから蔵出しまで、ほとんどの作業を手作業で行っている。生産量は少ないものの、地元の常連客が訪れる。最近ではネットのオフィシャルサイトを通じて県外からの注文も増えているという。

看板商品は国産大豆・国産塩を使用した「豆みそ(すり)」(右、410円)と「豆みそ(つぶ)」(左、410円)。木桶で一粒ずつ麹をつけてじっくりと醸造しているため、豆のつぶがまるごと残っているのが特徴だ。


味噌をつくる際に出る“味噌溜まり”を搾ったものが溜まり醤油です。通常、味噌蔵では味噌と併せてたまり醤油も販売していますが、ウチは扱っていません。味噌溜まりには豆味噌のうま味が凝縮しているため、搾ると味噌の風味が落ちてしまうんです。(先代社長の今井有一さん)

お店情報

今井醸造

住所:愛知県西尾市吉良町吉田亥改113

電話番号:0563-32-0048

営業時間:8:30~19:30

定休日:月曜日、第1火曜日


味噌&ひき肉のコクうま料理

素材から製法まで並々ならぬこだわりがギュッと詰まった「今井醸造」の豆みそ。これを地元の人だけではなく、多くの人に食べてもらいたい。そう考えるのは自然だ。しかも、全国的に味噌の消費量は減少傾向にある。

そこで2015年2月、今井さんはもっと味噌の魅力を知ってもらうべく、地元・西尾市内に飲食店を開店させた。

それがここ「ぞうめし屋」だ。


味噌を軸に、老若男女問わず、どんな人でも美味しく食べられる料理を出そうと思いました。メニューの基になっているのは、幼い頃に母ちゃんが作ってくれた料理。その味の記憶をたどり寄せながらレシピを作りました。(今井さん)

今井さんは「ぞうめし屋」をオープンさせる前、家業の「今井醸造」で働く傍ら、週末は移動販売車でイベントなどに出店していた。

当時出していたのは「豆みそ(すり)」をベースに砂糖やみりん、お酒、豚ひき肉をくわえた自家製の「肉味噌」をご飯にのせた「肉みそごはん」だった。

それをアレンジしたのが「肉みそのり玉ごはん定食」(下写真、1,080円)だ。

豆味噌と相性の良い温泉玉子と海苔、ネギがご飯の上にたっぷりとのる。肉のうま味もさることながら、豆味噌ならではのコクと風味がたまらない!

まぜそばのようにグチャグチャにかき混ぜて、すべての具材とご飯を一体化させてかき込みたくなった。これは是非、豆味噌に馴染みの少ない県外の方に食べてもらいたい。

肉味噌も母ちゃんがよく作ってくれて、冷や奴の上にのせたりして食べていました。肉みそとキムチをのせた「肉みそキム玉ごはん」(1,080円)もオススメです!(今井さん)

家庭でカレーを煮込む際に隠し味に味噌を入れるとコクが出るといわれる。ココの「みそ屋のキーマカレー定食」(下写真、1,180円)は、隠し味どころか味噌を前面に出しているのが特徴だ。

とはいえ、スパイスの香りや刺激もしっかり。味噌とカレーのバランスが絶妙なのだ。

「トマト肉みそのオムライス定食」(下写真、1,280円)は、その名の通り、オムライスの上にトマトソースとともに肉味噌がかけられている。

これまでいろんな「なごやめし」を食べてきた私でもこの組み合わせは初体験。トマトソースと肉味噌をスプーンで混ぜ合わせてパクリ……。

おっ! トマトソースの酸味と味噌のコクが相まって激ウマではないかっ!

しかも、トマトにも味噌にも合うトロトロの卵がご飯を覆っている。これはもう、反則だろ的なうまさ。


ラタトゥイユのタコライスを食べたときに、ひょっとしてトマトは味噌にも合うのでは? と思ったのがきっかけです。実際に作ってみたら、かなり美味しかったんです。とくにトマトソースはイタリアン出身のシェフが作る本格派です。(今井さん)

「なごやめし」に味噌を使った料理が多いのは、味噌おでんや味噌煮込みうどんのように具材や麺とともに煮込んだり、味噌ダレにしてとんかつにかけたりと、その汎用性の高さからである。さらには調理法のみならず、肉や魚介、野菜などどんな食材にも合うのだ。それを実証したのが「ぞうめし屋」といえる。

ココがある限り、豆味噌は、「なごやめし」は永遠に不滅だ!


お店情報

ぞうめし屋

住所:愛知県西尾市志籠谷町欠下53-1

電話番号:0563-65-6995

営業時間:11:00~15:00(LO 14:00)、18:00~22:00(LO 21:00)

定休美:月曜日、第1火曜日

ウェブサイト:http://www.zoumeshiya.com/

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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