体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

最初で最期の可愛い産声。生まれて1時間でお空に帰って行った息子のこと

f:id:akasuguedi:20160905222551p:plain

初産での誕生死を乗り越えて

22歳で初めての妊娠でした。

当時の私は、病院でのエコーで心拍を確認し、今までにない喜びを感じていました。自分のお腹に命が宿ってくれたということがとても嬉しかったんです。

妊婦健診で少しずつ大きくなっていく我が子を見て「性別はどちらかな?」とか「どっち似なんだろうね?」などパパと話してました。

お腹の膨らみも少し目立ってきた妊娠6ヶ月。

いつもは1人で行っていた健診も、この日だけはパパも一緒に行きました。

性別も大体この時期にわかるかなと思い、楽しみに感じながら待合室で呼ばれるのを待っていました。

診察室に呼ばれ先生がお腹からエコーを見た瞬間深刻な表情になり

「羊水がない‥」

と一言。

初めての妊娠でそれがどんなに深刻な事か、その時の私はすぐに理解する事ができませんでした。

それは、23週での出来事でした。

当時は仕事をしており、汗をかく季節だったためで先生から「破水した?」と聞かれた時に、「もしかしたらしたかもしれない」と言ったところ、先生から二択の選択を迫られました。

1つは羊水がない状況であるため赤ちゃんをお腹の中から出してあげてNICUのある病院に搬送する。

もう1つは羊水が増えるのを期待して管理入院する。

というものでした。

まだ23週だったこともあり、破水したのかもという思いもあったため、羊水が増えるのを信じ、そこから2週間の入院生活が始まりました。

「仕事で無理したせいでこうなってしまったのかな?自分のせいで赤ちゃんに苦しい思いをさせてしまってるんだ」と責め、一向に羊水が増える気配もなく、何もできない自分がとても悔しく思いました。

ある日、院長先生が病室に入ってきて、

「もしかしたら、母体の方ではなく胎児の方に何かあるかもしれない。ここまで羊水が増えないのはやはりおかしい。私の知り合いに胎児の病気に詳しい教授がいるからそちらに紹介状をだします。そこできっとはっきりすると思います」

とおっしゃってくださり、大学病院に転院しました。

私自身、赤ちゃんに何かあるかもしれないと、とても不安でたまらなくなっていました。

それでもきっと大丈夫!と支えてくれたパパは私以上に辛かったのではないかと思います。

大学病院での教授から告げられたのは、

「赤ちゃんがおしっこを出せていない。腎臓が2つとも腫れている。おしっこは作れているけど、それを出せていないから羊水も増えない。ポッター症候群という先天性の異常です

との事でした。

確かに、エコーでみる赤ちゃんの腎臓は肥大しており、羊水がないせいでとても窮屈そうに見えました。

ポッター症候群という病名を聞いた事がなかった私は徹底的にネットで調べました。それは何か助かる手段があるかもしれないという希望からでした。

でも、大体がお腹の中で亡くなってしまうか、生まれても数時間しか生きられないそんな病気でした。肺形成ができないため予後が悪いという事も先生から告げられた時は言葉を失いました。

お腹の中にいる間はこの子は生きていられ…しっかり心臓が動かしながら生きている我が子をみて途中で妊娠を止める事は出来ませんでした。妊娠継続をして自然に生まれてきてくれる事を、赤ちゃんの生命力を信じる事を夫婦2人で決めました。

奇跡が起こってきっと生きてくれると励ましあいながら過ごしていました。

胎動もしっかりあり、でも羊水がないから狭いかな?とか思ったり、今日も元気だなーって思ったりする日々が今はとても懐かしく思います。

1 2次のページ
赤すぐnet みんなの体験記の記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。