ポール・マッカートニーがリアーナやニール・ヤングら飛び入りゲストとの共演で魅せた唯一無二の存在感 / 【デザート・トリップ】2日目ライブ・レポート

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ポール・マッカートニーがリアーナやニール・ヤングら飛び入りゲストとの共演で魅せた唯一無二の存在感 / 【デザート・トリップ】2日目ライブ・レポート

 開演前のSEがビートルズのリミックスで、「Tomorrow Never Knows」では徐々に気分が高まる中、ステージを見ると何やら昨日のストーンズではなかった縦長のスクリーンが両端に設置されており、そこにはビートルズのジャケットやポールの写真が映し出されていた。ニール・ヤングの演奏が長引いたためか、30分以上押して暗転。いきなりビートルズの初期ナンバー「A Hard Day’s Night」で観客総立ちでスタート。

 続いて「Jet」という流れは先週の演奏順と同じだったが、3曲目は「Got to Get You Into My Life」と少し内容を変えた部分もあった。セット前半はロック色が強い選曲で、「My Valentine」では壇上のピアノに移動してこれまでのバンド・サウンドとは違ったスタイルで演奏。

 この日のトークでは観客にニール・ヤングのパフォーマンスを楽しめたかと質問したり、ボブ・ディランの【ノーベル賞】受賞を称えたり、ザ・クオリーメン「In Spite of All the Danger」ではビートルズ結成以前にリバプールにあるスタジオに5ポンド払って初めてレコーディング したというエピソードや、「Here Today」の内容は最後までジョン・レノンと話すことができなかったということを紹介。広い会場ではあるが、ポールと観客が世間話をするような、気持ちとしては近いところにいる感覚でライブは進行していった。

 ソロキャリア以外ではビートルズ・ナンバーがセットリストの半分以上を占め、それ以外にもウィングス時代の曲やジミ・ヘンドリックス、リトル・リチャードの楽曲カバーを入れたりととにかく選曲の広さは特筆すべきものがある。「Hey Jude」では当然のようにシンガロングが起き、やはりビートルズの名曲は文字通り世代を超えて愛さていることがわかる。また「Blackbird」の特徴的なメロディーはあと少しでリリースしてから50年経過しそうにもかかわらず全く色褪せることがない。最終的に、演奏時間は2時間半を超え、約40曲をパフォーマンス。

 その中でも、他の5組の出演者と異なりスペシャル・ゲストの登場はこの日のハイライトだった。まず、昨年リリースしたシングルで共演したリアーナとの「FourFiveSeconds」。彼女のヴォーカルは文句なしに上手かったが、この世代を超えた共演は比較的若い客層には単純に嬉しいサプライズだっただろう。また、最近のポップ・ミュージックを聴かない世代にしてみればリアーナの歌唱力にも納得しポールが懐かしい昔の曲だけを歌うのではなく、今もミュージック・シーンの最前線にいることを再認識させられる共演だったに違いない。

 もう一人のゲストはポールの前に演奏を終えたばかりのニール・ヤング。ニールがライブでよくカバーをする「A Day in the Life」をはじめ3曲も共演。ニールが入ることでこれまで安定した雰囲気から、一気にステージがエネルギッシュに変化していた。これが単なだけの共演ではなく、お互いの音楽をさらに良くする相乗効果が生まれていた。28歳のリアーナと70歳のニール。これだけ世代の離れたアーティストと真の共演ができるポールは素晴らしかったし、それができる数少ないアーティストなのだと感じさせられたパフォーマンスだった。

Live Photo: Kevin Mazur for Desert Trip

◎公演情報
【Desert Trip】
2016年10月7日(金)~9日(日)、10月14日(金)~16日(日) ※現地時間
出演:
10月7日&14日(金) ザ・ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン
10月8日&15日(土) ポール・マッカートニー、ニール・ヤング
10月9日&16日(日) ロジャー・ウォーターズ、ザ・フー
INFO: http://deserttrip.com/

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