男の胃袋をわしづかみ! 食べて飲んで最後はご飯とみそ汁で〆るというのがこの店流!?【福岡・春吉】
福岡の隠れ家エリア「春吉」にあるこだわりの店
「福岡はいいよなあ、メシがうまくて」
こんにちは。福岡にUターンして1年ちょっとで体重が5キロ増えたメシ通レポーターの桂です。
冒頭のセリフは東京で会社員をしていた時の友人が送ってきたメッセージです。
5キロ太ったことを彼に告げたらこう返ってきたのですよ。東京出身の彼の半ば妬みと羨望に満ちた表情が目に浮かびます。
仕方ないよね、実際うまいお店が多いんだし。1年で5キロは自分でもどうかと思うけど、仕方ないよね、うん。
さて、今回訪れたのは福岡市の春吉エリア。福岡市の中心である天神から少し離れたこのあたりは、路地裏の隠れた名店がひしめく美食エリアとして福岡市民のみならず他県から来た出張のビジネスマンや転勤族にも人気のエリアです。
今回お邪魔するのは、そんな春吉にお店を構えて3年弱。前身となる厳選素材を使った料理で名をはせた「飯処たらふくまんま」から通算すると30年近くになる大皿惣菜と一品料理のお店「めしや 女とみそ汁」です。
もう、この店名だけで世の独身男性は胃袋をぎゅっとわしづかみにされたような感覚になりませんか!?
でも、店名だけじゃないんです。ここでいただく料理は、一度食べたら絶対忘れられない程美味しいのです。何度でも通ってしまいたくなるような美食の数々に誰もが圧倒されてしまうこと間違いなし! と言っておきましょう。
天神から徒歩10分程度
少しわかりにくい場所にあるので、最寄り駅からのルートをご紹介。
まずは市営地下鉄天神南駅6番出口を出てそのまま国体道路を中洲方面へ。
途中、福岡名物・明太子のお店を右に見ながら3分ほど歩きます。
すると右手にうどん屋さんがあり、その角を右に曲がりまっすぐまっすぐ。
やがて見えてくる税理士事務所の角を左に曲がればすぐです。国体道路から数えて5番目の角ですね。
ありました。この看板がいい味出してますよね~!
この春吉エリア、他にも隠れ家的なお店が多く、ちょっと路地を入るとすごくいい雰囲気のお店があったりして毎回新鮮な発見があるのですが、この「女とみそ汁」も同様、表の看板や壁にはめ込まれた大皿が「いいお店オーラ」を醸し出しています。すごく魅力的な店構えですよね。通りからこのお店を見ただけで、思わず暖簾をくぐってしまう、そんな謎の引力を持つお店です。
ではさっそく店内へ。入り口を入ると店内は8人ほどのカウンター席と6つのテーブル席に分かれており、手書きの看板メニューがいい味出しています。
聞けば、その日の仕入れ状況によって毎日メニューが変わるそうです。
大好評メニュー「肉じゃが」の仕込みを見学
ところで、実は今回、お店のご厚意で仕込みの段階からお邪魔させていただくことができました。ということで、さっそく大皿惣菜料理の中でも定番中の定番、「肉じゃが」の仕込みを見学することに。
多くの福岡男子の胃袋を歓喜させてきたこのお店自慢の「肉じゃが」ですが、なんだ「肉じゃが」かと侮ることなかれ! このお店の「肉じゃが」はみなさんのイメージする「肉じゃが」とはモノが違います。
見てください、このうまそうな牛ブロック!!
牛バラスライスではないんです! 豪快にブロック肉ですよ!!
※ちなみに東日本エリアの方は意外かもしれませんが、西日本では(お店でも家庭でも)一般的に肉じゃがには豚ではなく牛を使うのです。
このブロック肉を炒め、ビールで煮込み、
水分が無くなった段階でこれまた豪快に大きめにカットした野菜を放り込みます。
そして煮込むこと約5時間。素材にこだわり手間をかけた「肉じゃが」が完成します。
店長の福味さんにお話しをおうかがいしたところ、「料理に使うだしはすべていりこだしを使用しています」とのこと。もちろん、「肉じゃが」にもこのいりこだしを贅沢に使っているそうです。
では実食!
そんなこんなで開店時間を迎え、カウンターの上にはおいしそうな大皿が所狭しと並び始めました。
見てください、このカウンターに並べられたおいしそうな料理!
もう、見ただけでうまさをイメージさせてくれる料理の数々、今夜はいい夜になりそうな予感です。
さらにその上には手書きのメニュー表。旬の魚や野菜を使った一品料理や新鮮な魚の煮物や焼物、そして店名にもなっている〆のみそ汁まで豊富なメニューが目を引きます。
カウンターに陣取り、とりあえず生ビール(600円)とお通しでかんぱ~い。
今日のお通しは「小松菜のおひたし」。さっぱりしてこの時期のビールによく合います!
さて、ではさっそく自慢の料理をいただくとしましょう。
仕込みを見せていただいたこともあり、既に胃袋が「肉じゃが」受け入れモードになっています。
ということで、もちろん最初のオーダーは「肉じゃが」に決定! なお、正式なメニュー名は「和牛カルビじゃが」とのこと
▲和牛カルビじゃが(900円)
とろっとろに煮込まれた野菜と肉! そして美しい照り。見るからにうまそうです。そしてこの肉、やわらかくて箸で切れちゃいます!
味はいかにも九州という感じの、やや甘さを感じる味付け。うまいです。言うことないです。胃袋が狂喜乱舞しています!
じゃがいももほくほくで味がしみ込んでいて最高! この「肉じゃが」だけで生ビール10杯いけそうです。
残念ながらそれじゃレポートにならないので、次の注文に行きましょう。続いて看板のメニューから「イワシのフライ」とカウンターのメニューから「豚肩ロースの紅茶煮サラダ」をオーダー。
▲イワシのフライ(400円)
きれいなきつね色に揚がったフライですね~。サクッとした歯ごたえとアツアツのいわしの身がちょうどいいバランスで味わえます。素朴で家庭的な懐かしい味わいです。
▲豚肩ロースの紅茶煮サラダ(800円)
こちらは長時間紅茶で煮込んだ豚肉をスライスし、白髪ねぎと一緒にレタスに包んでいただきます。
ちなみに、今回出していただいたのは一人用の盛り付けで500円。このように、本来の量だと少し多いと感じるお一人様には量と金額を減らしたサービスもあります。
さっぱりした和風のドレッシングが合います。うまいです。ビールが進みます!
ここで店長から「今日はさんまが入りましたよ。食べてみませんか? 塩焼きがおすすめですよ」と声をかけていただきました。
ということで、続いてはさんまを塩焼きでいただきます!
▲さんまの塩焼き(1,300円)
黄金色に輝く焼き色が見事ですね! 焼いた香りも食欲をそそります。
店長いわく、「今年のさんまは例年以上に脂がのっててうまい」とのこと。
写真ではこの味や香りをお伝えすることができなくて残念ですが、店長の言う通りめちゃくちゃうまいです!
さて、とっくに胃袋は満足しているのですが、〆は別腹です。
飲んだ後のラーメンもいいのですが、このお店での〆は絶品のみそ汁なのです。
ということで、店名にもなっている自慢の味をおにぎりと一緒にいただくとしましょう。
▲高菜のおにぎり(400円)とあおさのみそ汁(400円)
だしの風味が上質でまるで高級料亭にいるような気分です。やさしい味と香りが舌と鼻を刺激してなんとなくですが懐かしさを感じてしまいました。この味をこの値段で提供してくれるなんて、ちょっとびっくりです。
先代の意思を受け継いでリニューアル
▲(右から)店長の福味昌一さん、女将の菊池まち子さん、若女将の福味睦さん
食事を終えてまったりしている時に、このお店の歴史を女将からうかがうことができました。
このお店の前身となった「飯処たらふくまんま」は、厳選素材をふんだんに使用し最高のクオリティで出す高級店でした。一時は東京の銀座にもお店を出すなど、味は折り紙付き。当時ここで修行した料理人たちが現在日本全国で活躍しているとのことです。
ただ、時代も変わったため、クオリティはそのままで高級路線からの転換を図るためにこのお店をオープンさせたそう。
どうりでうまいはずだ。
そんなわけで、今宵は胃袋も肝臓も心も満たされたようです。
ついでに体重の増加にも拍車がかかったような……。
リーズナブルな価格でめちゃくちゃうまい料理をたらふく味わえるなんて
やっぱ福岡はいいぞー!
お店情報
めしや 女とみそ汁
住所:福岡県福岡市中央区春吉3-25-10
電話番号:092-713-6056
営業時間:18:00~翌1:00(LO 0:00)
定休日:水曜日
※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。
書いた人:桂浩一
1968年生まれ。福岡出身。東京で就職するも福岡の味が忘れられず、何のあてもあなく退職してUターン。 現在フリーライターとして活動中。メシと酒とホークスをこよなく愛する自由人。 一応、人事組織コンサルタントみたいなこともやっているが本業は食べ歩きと思っている。
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