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高畑勲と宮崎駿、巨匠2人を”ジブリ色”で支えた女性の存在とは?

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 本日夜、日本テレビ系列『金曜ロードSHOW!』にて『ルパン三世 カリオストロの城』が放映されます。1979年公開の同作は、宮崎駿監督の映画初監督作品であることでも有名ですが、ルパンを「おじさま!」と呼んで慕う可憐なプリンセス・クラリスは、ジブリファンの間では、『風の谷のナウシカ』ナウシカや『天空の城ラピュタ』シータの系譜に連なる、”宮崎アニメのヒロインのルーツ”としてもおなじみです。

 数多くのヒロインを生み出してきた宮崎監督ですが、そんな監督から絶大な信頼を寄せられていたのが、”やっちん”こと、色彩設計の保田道世さん。宮崎アニメのヒロインの目や肌の色はもちろんのこと、セル画に描かれたすべての物の配色を決定したのが、キャラクター色彩設計の総責任者だった保田さんでした。

 保田さんの素顔に迫ったノンフィクション『アニメーションの色職人』によれば、保田さんと高畑勲・宮崎駿の両監督との出会いは、東映動画(現・東映アニメーション)時代にまで遡ります。実は保田さんが2人と親しくなったのは、同社の労働組合活動がきっかけ。64年に高畑監督が組合の副委員長、宮崎監督が書記長を務めた際、書記を務めたのが保田さんだったのだとか。

 入社当初はトレースを担当していた保田さんは、やがて「やっちんはトレーサーとしても素晴らしいと思っていたけれど、色彩設計や色指定をやると才能がさらに引き立つ」(同書より)と、宮崎監督から色彩設計の才能を見出されます。

 卓越したセンスと職人気質を評価され、84年公開の『風の谷のナウシカ』から、宮崎監督の最後の長編『風立ちぬ』まで、今月5日に77歳で死去するまでの間、ほとんどのスタジオジブリ作品で色彩設計を担当した保田さん。高畑監督からは「同志」、宮崎監督からは「戦友」とまで信頼されていた彼女の尽力なしには、これら珠玉の作品も存在しなかったのではないでしょうか。

 日本のアニメーション界を代表する巨匠2人を”色”で支えた女性職人の半生をつづった同書は、スタジオジブリの知られざるもう1人のヒロインの足跡を遺す、貴重な1冊と言えるでしょう。

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