ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

祝3周年!21cafe管理人はぎえりが語る“エンジニア・コミュニティのハブ”としての軌跡

DATE:
  • ガジェット通信を≫

改装となった「21cafe」には、西海岸の自由な風が吹く

Web系のエンジニアやクリエイター界隈ではおなじみの「21cafe(ニイイチカフェ)」。ギークスが運営するイベントスペースで渋谷・道元坂途中という好立地だ。

エンジニアやデザイナーの非営利の勉強会やイベント目的であれば、予約すれば平日夜に無料で使える。2016年3月にギークスのオフィス移転に伴って、以前よりもフリースペースが2倍以上に広がった。

備え付けの大きな木のテーブルには20名が座れ、40名が座れる階段型のセミナールームは、足元に密にACコンセントを設置。飲み物の自販機なども充実させた。

「移転・改装にあたって、これまで利用していただいたエンジニアたちにアンケートを取り、その要望を盛り込みました。前がニューヨーク・ソーホーのシックなアトリエのイメージだったとすれば、今度の21cafeは見晴らしのよいビルの最上階、白壁に外光が射し込む明るさを生かしました。米西海岸のようなリラックスできる雰囲気をイメージしているんですよ」と案内してくれたのは、管理人の一人、はぎーこと萩原愛梨さん。

21cafe管理人のはぎーこと萩原愛梨さん

ギークスは事業として、フリーランスのITエンジニアのネットワークを構築し、エンジニア不足に悩む企業と、即戦力のエンジニアとのマッチングサービスを展開している。21cafeもエンジニアと接するなかで、「コストをかけずに勉強会を開けるスペースが欲しい」というニーズに反応してできたものだ。

その2代目管理人として2015年1月に入社してきたのが、萩原さんともう一人松井瑞恵さん。2人には入社早々「はぎー」「えりー」のニックネームがつけられ、「はぎえり」ユニットの活躍は次第に業界で知られるようになる。

21cafe管理人のえりーこと松井瑞恵さん

「私は経営企画室でコーポレート広報、はぎーはクラウドエンジニアリング事業本部でサービス広報として事業のブランディングを強化しています。21cafeでイベントがある際は、私たち二人が管理人として運営サポートしています」と、松井瑞恵(えりー)さん。

21cafeは広告などを使っておらず、口コミのみでエンジニア界隈に広がっている。事業から派生した取り組みではあるものの、スペース貸し自体で収益を挙げるわけではない。

そこで2人はエンジニアのカンファレンスや勉強会を足繁く訪れ、まずはコミュニティを主宰するキーパーソンへの働きかけから始めた。

エンジニアコミュニティの中にわけいって、その気持ちに寄り添う

2人とも文系出身で、コードはほとんど書けない。だが、エンジニアと触れあううちに、少しずつ専門用語を覚えるようになった。

「エンジニアさんって、教えてくれる親切な方が多いじゃないですか。情報を共有するシェア文化というのかな。しかもロジカルに説明してくれるので、私のような初心者にもわかりやすい」(えりーさん)

「専門職の人たちと会話が成り立つか、最初は心配でしたが、“このキーワードを知っていると、これから役立つよ”とか、オープンに話してくれる。次第にエンジニア仲間に入れてもらえるようになりました」(はぎーさん)。

ちなみに、はぎーさんは、最近、Milkcocoaでコードを書いて、モノが動くことに大感激したらしい。

コミュニティの主宰者らへの働きかけは次第に効果を上げるようになった。国内有数規模のエンジニア・コミュニティ「html5j」は、ファウンダーの白石俊平氏らが21cafeの存在を熱心にピーアールしてくれた。主宰者が他のエンジニアを紹介してくれることも多くなった。

WebRTCに特化した勉強会「WebRTC Meetup Tokyo」は1回目からずっと21cafeを会場に使っている。WebRTCの認知度がまだ低いころから始まった勉強会も、今年8月には11回を迎えた。

はぎえりのコンビはコミュニティの成長と技術の普及を間近で見ることができたわけだ。

アラサーデザイナーのから騒ぎ」は、「社外の交流が少ない。もっと仲間が欲しい」という女性Webデザイナーの悩みに応えるなかで、勉強会が企画された。

ライトニングトーク中心のセッションとお酒を交えての交流会をミックスする手法は、2人のアドバイスから生まれたもの。初めてイベントをしようとすると勝手がわからない。そういうイベント初心者をサポートするのも2人の仕事だ。

21cafeを頻繁に利用する勉強会では、小島芳樹氏が主宰するJavaScript勉強会「JSオジサン」もある。名物「俺の話を聞け!5分だけでもいい」ライトニングトークは毎回大盛況。

IoT縛りの勉強会!IoTLT」では、募集人数を超える100人を集客し、「21cafe」イベントの当時の最高記録を更新した。

21cafeの適度なスペース感が、エンジニア同士の親密度を増すことにつながっている。

この日は「雑兵MeetUpコミュニティ」の勉強会が開催されていた。

ギークスにはエンジニア・コミュニティの活動などを紹介する「geechs magazine」というオウンドメディアがあるが、そこにも21cafeの常連エンジニアたちが記事を執筆してくれるようになった。

最近は、一つのコミュニティだけでなく、複数のコミュニティが連合でイベントを開くこともある。エンジニア同士の交流だけでなく、もしかすると、ここで異種の技術が融合し新しい技術が生まれる可能性だってなくはない。

「ただの場所貸しではない、エンジニアの関心やライフスタイルに寄り添った運営を心がけてきたつもり。21cafeから新しい出会いやイノベーションが生まれるのが私たちにとって最大の楽しみ」と、えりーさんも期待する。

さらにそれが人的融合にまでつながったりすると……

「21cafeで知り合ったクリエイター同士が結婚することになって、ここで披露パーティーを開いてくれたりしたら、ステキですよね」(はぎーさん)という話になるかもしれない。

コミュニティ支援、フリーランス支援の取り組みを強化

オープン以来3年が過ぎた21cafe。これまで通算で約200件のイベントが開かれ、参加者はのべ6000名を超える。

21cafeを記念して製作した付箋ボックス。クリップとペン立て付きで打ち合わせに便利

ビジネスパーソン向けのイベントスペースが集中的に立地する渋谷地区だが、そのなかでも、エンジニア・クリエイターに特化し、無料利用で、かつ管理人が女性という21cafeの存在は際立つ。

「この前、あるエンジニアさんに“21cafeはコミュニティをつなぐハブになっているよね”と言われ嬉しかったですね」(はぎーさん)。まさに、ハブとしての機能を徹底したことが21cafeの成功の最大の要因といえるだろう。

さて、これからはどうするのか。

「21cafeの運営で培ったノウハウも活かしながら、今後はコミュニティの立ち上げや、イベントの作り方など、コミュニティ支援活動を強めていきます。これまで私たちがエンジニアさんに教えていただいたことを、今後はノウハウを求めている方々に私たちからお伝えしていきたいです」(えりーさん)」

さらに、カフェの利用うんぬんを問わず、広くフリーランスのエンジニア・クリエイターを支援する取り組みも強化する。もともとフリーランス支援事業の一環として始まった21cafeであるから、その成果を今度は本体事業のほうにフィードバックしていくのだ。

「フリーランスの人に替わって営業受注を代行するこれまでのサービスに加えて、今後のキャリアパスの相談に乗るキャリアカウンセリング、契約書や請求書作成などの事務作業代行、確定申告手続きのセミナー開催などのサービスを強化したいと考えています。これまで以上にサービスを拡充するために絶賛計画中ですので、ぜひ今後に期待していただきたいです」(はぎー)

これらのフリーランス支援サービスには、21cafeでそのノウハウを培ったエンジニア交流会や技術勉強会の開催も含まれる。

さらにグルメやレジャーから資格取得まで、さまざまな場面で使える割引・優待サービスがある。

技術力の高いフリーランス・プログラマは学校の講師を兼ねる人も多いが、オンラインプログラミングスクール「CodeCamp」と提携して、ここでの講師職を特別報酬で紹介するオプションなども含まれる予定だ。

現在は会社に勤務しながらも、将来は独立自営、フリーランスの道を目指すエンジニアも少なくないはずだ。フリーランスになれば身の周りの事務も自分でやらなければならず、同時に最新の技術情報は自分の手で収集しなければならなくなる。

そんなとき、21cafeのイベントとギークスが提供するライフサポートサービスはきっと役立つはず。優しい管理人たちのバックアップも、心強い味方になってくれるはずだ。

(執筆:広重隆樹 撮影:刑部友康)

カテゴリー : デジタル・IT タグ :
CodeIQ MAGAZINEの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP