ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

太田誠一氏 「憲法改正反対派増やす要因は安倍首相自身に」

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 所信表明演説中の首相に総立ちで拍手を送る国会の光景は、政治が変わってしまったことを改めて実感させた。政界を引退したOBは、この現状について何を思うか──。人権擁護法案を推進するなど、自民党のリベラル派として知られた太田誠一氏(70)が、安倍政権の本当の問題点を指摘する。

 * * *
 それぞれの内閣で一番大切にしなくてはならないのは、その発足時に示す政策です。そして、そのときに宣言したことが、その内閣ではずっと付いて回るのです。

 安倍内閣で言えばアベノミクスということになるわけですが、国民の反応はどうでしょうか。率直に言って、国民はアベノミクスが何のことだか、ほとんど分かっていないのではないでしょうか。

 その理由は、経済政策のメカニズムが難しいからではありません。国民がピンとこないのは、本当に安倍首相が目指している政策が、アベノミクスだと思っていないからです。

 安倍さんがやろうとしているのは憲法改正だと、皆がそう思っている。一般の国民だけでなく、多くの国会議員も、安倍さんの本心は憲法改正にあると思っています。そういう部分こそが、安倍政権の問題なのではないか。

 かつて小泉首相は、郵政民営化について、「郵政民営化が実現されれば、俺は殺されてもいい」と述べた。小泉首相が郵政民営化に懸けたような覚悟を、安倍首相は国民に示していない。

 憲法改正に関しては、どんどん改正反対のパーセンテージが高まっている。安倍政権が発足したときは、今よりも憲法改正への期待感が高かったと思う。マスコミは国民の理解が深まったなんて言っているけれど、そうではなく安倍首相の曖昧な姿勢が原因なのだと思います。

 国民のほとんどは、安倍さんは憲法改正をすると思っているが、当の安倍首相は憲法改正を口にしない。それを見て国民は、「やる気がないのではないか」と感じ始めているのでしょう。また、「どうせ、憲法改正などできないだろう」とも思うようにもなっているはずです。

 世論調査というのは、国民の明確な意識というよりも、雰囲気に左右される傾向が強い。だから、安倍さんは憲法改正できないだろうと感じると、世論調査で憲法改正に「反対」を選んでしまうのです。

 その意味で、安倍首相は憲法改正の意思を明確に示すべきです。

●おおた・せいいち/1945年生まれ。1980年初当選。総務庁長官や農水大臣を歴任。自民党宏池会会長代行も務めた。

※週刊ポスト2016年10月14・21日号

【関連記事】
森永卓郎氏 安倍自民の憲法改正案は生活保護や年金削る狙い
拒否権に近い参院の権限は民主制の要件から見て問題との指摘
安倍首相が現時点では決して憲法改正を国民投票にかけぬ理由

NEWSポストセブンの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP