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認知症介護を楽しみたいあなたに「なりきりケア」をご紹介!

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こんにちは。グループホームに勤務しています石川深雪です。

わたしは介護の仕事が大好きで、心から楽しんでやっています。今日はわたしの仕事を楽しむための秘訣のひとつである、「なりきりケア」についてお話いたします。

名前の通り、自分自身が別の人になりきります。大きく分けて2つのパターンがあるので、それぞれご紹介しますね。

認知症の人の望む人物になりきる

認知症の人は、周りの人間(職員や家族、他人)を他の誰かに置き換えて見ることがあります。実の娘が「母親」になったり、職員が「孫」になったり、全く知らない人が「昔の友人」になったり…。

実際の家族だと、「わたしは娘なのに…」「わたしのことわからなくなっちゃったんだ…」と受け入れがたい現実が突き付けられることになるかもしれません。その点、仕事で介護をしている場合は初めから他人です。誰にでもなれます。ぜひ、ここを最大限有効に活用していただきたいと思います!

その例を、ひとつお伝えします。

おばあちゃんの姪になったわたし

あるおばあちゃんがいました。介護拒否がとても強く、信頼関係を築くのはとても難しい方でした。さらには、職員の顔や出来事をよく覚えているので、ごまかしはききません。その方にわたしは「姪」だと思われていました。ご本人曰く、「くみこの声がする」とのことなので、声が似ていたようです。娘さんからは、「年齢も全然違うのに失礼なこと言ってごめんなさい」と言われていました。(当時おばあちゃんの年齢が80後半なので、実の姪の年齢は60は過ぎているでしょうか。ちなみにわたしはかろうじて30代です。)

「くみこ」になったわたしのことは信頼し、よくお話ししてくださいました。「くみこ」の存在は、全く知らない場所へ連れてこられたおばあちゃんの、支えになれたことは間違いないです。

ここで注意したいのは、面白半分にやらないこと。相手が「その存在」を頼りにしているのにも関わらず、職員の都合や気分でコロコロ変えると、相手の心を不安にさせてしまう可能性があります。中には、からかうように誰かのふりをする職員もいました。これでは相手を混乱させてしまいます。

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それから、「違う人物になりきるのは嘘をついているのと同じだ。だますようなことはしてはいけない」という人もいました。誰にとっての「嘘」でしょうか?認知症の人は嘘はついていません。わたしたちから見て現実と違うことも、認知症の人からしたら真実なのです。介護のプロとして、相手の世界観に合わせていく、波長を合わせていくことは大切なスキルのひとつになるのではないでしょうか?

自分の気持ちを高めるためになりきる

介護職であるわたし自身も、とても楽しく気持ちよく仕事ができる方法です。場面ごとにその仕事のプロになりきります。コーヒーをお出しする時は喫茶店のマスター。髪を乾かすときは美容師。レクリエーションをするときは体操のお姉さん。といった感じです。

技術は本物のプロの足元にも及びません。でも、心は近づけることができると思うのです。例えば、コーヒーやお食事をお出しする時、喫茶店のマスターだったらどんな気持ちでしょうか?来ていただいたお客様においしいものを食べていただきたい。気持ちよく過ごしてもらいたい。と思うのではないでしょうか。

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