あらゆる味を表現できる味覚センサーが凄すぎる

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あらゆる味を表現できる味覚センサーが凄すぎる
J-WAVEで放送中の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。今週は私たちのライフスタイルに浸透する新しい科学技術に注目。3日目となる10月5日(水)のオンエアでは、“味覚の世界の最先端”をピックアップしました。

今回、ゲストにお迎えしたのは「味覚センサー レオ」を開発し、様々な“味覚の不思議を解明する味博士“こと鈴木隆一さん。鈴木さんは味覚分析や味覚のコンサルティングを行う「AISSY株式会社」代表で、慶應義塾大学で共同研究員としても味覚を研究中です。

■ 味覚は舌で味わうものではない!?
私たちは誰もが、味を舌で感じていると思っていますが、驚くことに実はそうではないと鈴木さんはおっしゃいます。

「舌では“電気刺激”が起きているだけで、そこ自体に“味”があるわけじゃないんです。その刺激が脳に伝わって、脳が『あ、この刺激は甘いな』とか『この刺激は酸っぱいな』とか解釈し、初めて“味”になる。実は脳で感じているわけです」(鈴木さん、以下同)

これは驚きの事実ですね。例えば、歯医者で麻酔をした時に、舌触りはあるけれど味がしなくなるのは、脳に“味の情報”が伝わっていないからなのだそうです。

■「味覚センサー レオ」とは?
「味」=「情報」という考えの元に製作された、人工知能搭載の「味覚センサー レオ」。これは人間が感じる“5つの味”の元になる成分を電気的に測定、数値化するセンサーだそうです。ちょっと難しい話ですね(笑)。

「そもそも人間には、“5つの基本味”『甘い』『しょっぱい』『酸っぱい』『苦い』『旨味』があるんですけど、この5つの味の組み合わせであらゆる味を表現できるんです。これを数値化するのが『味覚センサー レオ』なんです」

つまり、この「味覚センサー レオ」を使うと、例えば「しょっぱい2」、「苦い1」と味を表すことができるそうです。

■料理の相性も可視化できてしまう!
よく「肉料理には赤ワインが合う」などと言いますが、「味覚センサー レオ」ではそんな味と味の“相性度”もわかります。

「お互いの味を引き立てられるかどうかの観点で説明します。悪い例で説明しますと、“すごく重く感じる赤ワイン”と“割と薄味の魚料理”を組み合わせてしまいますと、赤ワインの味が魚料理の繊細な味を消してしまうんです。そうすると相性的にはあまりよろしくない。そういったところを計算して出すことができるんです」

「ある意味、私たちは“情報”を食べているってことですか?」との別所の質問に、「そういうことですね」とあっさり答える鈴木さん(笑)。 そう思うとちょっと味気ない!?(笑)

■「美味しい」とは、つまりどういう味?
私たちはいろいろなものを食べて、ひとまとめに「美味しい」と言ってしまったりしますが、これはどういう状態なのでしょうか? 鈴木さんいわく、人間が感じる“5つの基本味”が全部揃うと、逆に美味しくないのだそう。

「例えばイチゴであれば“甘さ”と“酸っぱさ”、味噌汁であれば“しょっぱさ”と“旨味”のように、2つか3つの味が強いと、我々は“美味しい”と感じるんです」(鈴木さん)

逆に強い味が多すぎると、情報が複雑すぎてどの味かわからなくなってしまい、1つだと味が単純すぎて美味しさを感じないのだそうです。2〜3、強い味があり、そこに香りや見た目、食感が加わることでより「美味しい」と感じるのですね。

ちなみに「味覚センサー レオ」は、飲み物、調味料など、いろんな分野で導入が進んでいるそうですが、塩分少な目、でもあたかも塩分があるかのような味を作る、など健康面でも使える研究が進んでいるそうです。

とても興味深いお話がたくさん聞けた今回の放送。近未来、私たちの“味”への見方は変わっているかもしれませんね。

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【番組情報】
番組名:「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
放送日時:月・火・水・木曜 6時―9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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