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アルカラ×女王蜂、初共演となる恵比寿LIQUIDROOMは大盛況

アルカラ×女王蜂、初共演となる恵比寿LIQUIDROOMは大盛況

10月3日に恵比寿LIQUIDROOMにて、ビクターロック祭り 番外編「IchigoIchie Join 4」が開催された。4回目の開催となる今回は、同郷出身にして初共演となるアルカラと女王蜂が出演した。

まず。コピーのようなものを付けるとしたら、「異形ダンス対決」だった、この日のイベントは。不協和音が響きまくり、コードががんがん変わっていく、キメとかブリッジだらけの、目まぐるしくて演奏レベルがめったやたらに高いバンド・アンサンブルにのっかって、稲村太佑の朗々としたメロディが空に放たれるアルカラの楽曲。言うまでもなく、いわゆる今のダンス・ロック・バンドの定形からはかけ離れている。

という点で言うと、この日も「デスコ」「告げ口」「バブル」以外の6曲は四つ打ちだった女王蜂は、まだその今のダンス・ロック・バンドのセオリーにのっとっているのかもしれないが、なんせ女王蜂なんだからセオリーどおりのすっきりしたわかりやすい形になるわけがない。どうしたって強烈に異形なものになる。本人たちが狙ってそうしているわけではない。むしろそのへんなるべくフラットにして自然にシーンに混じれたほうがいいくらいに思っていそうだが、ただ、いかんともしがたくそうなってしまう、女王蜂なので。

というわけで、どちらも異形なんだけど、その異形さが強烈に人を踊らせる類いのそれである、という厳然たる事実をもって、ダンス・ミュージックだな、ダンス対決だな、と思ったのだった。

ゲストに敬意を表したのか、先攻はアルカラ。女王蜂「デスコ」をSEに用い、それに合わせてフロア前方でジュリ扇が振られる中、4人がオンステージ、白いジュリ扇を片手に持った稲村太佑、「どうも、みつばちハッチです。最後までよろしく」とあいさつ、ライブをスタート。

序盤に高速チューンを連打して場をがっちりつかみ、中盤で「本日お集まりのみなさまにプレゼントがあります。アルカラ、新曲持ってきたでえ!」と、フジテレビ系アニメ「ドラゴンボール超」エンディングテーマ曲としてこのライブの前日からオンエアが始まった「炒飯MUSIC」を披露。タイトルからもあきらかなように「ドラゴンボール」に寄せて作ったと思しき歌詞や曲調だが、でありながら強烈にアルカラテイストな曲でもある。最後は稲村が銅鑼を叩いてシメられる。と同時に突入した「わ、ダメだよ」でさらにフロアに火をつけ、「新曲やる言われたところで、今日女王蜂観に来てアルカラ見せられてる人からしたら全部新曲なんですけど!と思ってから10分経ちました、アルカラです!」と笑わせる。

「ドラを叩きたくて今このバチを持ったんやけど、(スタッフに)下げられてしまいました!」と嘆いたり、「今日の対バンヤバない?」と、女王蜂とは地元が一緒で使っている駅も一緒だったりすることを話したりしつつ、「アブノーマルが足りない」「半径30cmの中を知らない」「秘密基地」とライブ・アンセムを連打していく。

この日のイベントのタイトルになっている「一期一会」という言葉の意味を(ウィキペディアで調べてきたことを明かしつつ)説明してから、「一期一会にもっともふさわしい曲だと思います」と「秘密基地」に突入。響く三拍子のリズムに、ああ、最後の曲だなあとか思いつつ浸っていたら、「あと1曲だけ置いて帰るからしっかり受け止めてくれよ」とアルカラのレパートリーの中で群を抜いてストレートな「ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト」でダメ押し、もう一度フロアの温度を上げ放題上げてから終了した。

続く女王蜂。真っ赤な照明の中、メンバー3人とサポートのみーちゃん(Key)で演奏スタート。アヴちゃん、姿は見えないが声だけが響く状態がしばらく続いたのち、首にタンバリンをかけた稲村太佑スタイルで登場、最新シングルのダンス・チューン「金星」で一瞬にして空気を陽性に変える。と思ったらワンコーラスでパッと曲を止めて、ドス効いた声で「どうも、女王蜂です」とあいさつするや否や次の曲へ突入──というのはおなじみの展開だが、次のその曲、アルカラの「キャッチーを科学する」だ。アヴちゃんが歌いだすと同時にオーディエンス、ワッと湧く。

女王蜂は昨年12月から今年4月にかけて対バンシリーズ「蜜蜂ナイト」を6本行っており、その時も対バン相手の曲をカヴァーしていたが、今日のライブ、それらの時とは何か違う気がする。「蜜蜂ナイト」は招く側だったが今日は招かれた側のせいなのか、それともほかの理由なのか、とにかくすっごい気合い、すっごい集中力、すっごい楽曲への没入度。その「蜜蜂ナイト」の6本も8月8日の「女王蜂の日」東京キネマ倶楽部も観ているけど、そのすべてを上回ってないか?今日のこのステージ、と感じる。「ヴィーナス」「一騎討ち」をたたみかけていくにつれ、その思いはさらに強まっていく。

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