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日帰りシンガポール旅行も可能に!? JAXAの「超音速旅客機」研究

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体感ルームでコンコルドの衝撃波を聞いて驚く石田紗英子氏

 

昨今、宇宙事業のニュースが目立つJAXA(宇宙航空研究開発機構)だが、忘れてはいけないのがわれわれの生活により身近な航空分野の研究。2011年11月17日のニコニコ生放送では、JAXA 航空プログラムグループの本田雅久氏と牧野好和氏が、同機構が現在進めている「超音速旅客機」の研究について話をした。

■日帰りシンガポール出張や旅行も可能な時代に!?

 同グループでは、経済性と環境適合性を兼ね備えた超音速旅客機の実現に向けて、燃費をよくするための軽量化や騒音問題を解消するためのソニックブーム研究などに取り組んでいる。

 超音速旅客機の目指す速度はマッハ2。これが実現すれば、現在の東京-ニューヨーク間の飛行時間13.1時間が6.5時間に、東京-イギリス間が11.7時間から5.5時間となる。シンガポールへは3~4時間となり日帰り圏内になる。ビジネスマンには酷な時代となるかもしれないが、レジャー希望者には早く実現してほしいサービスである。

■現在のソニックブームを4分の1に抑えるのが目標

 ただし、ここで問題になってくるのがソニックブーム(衝撃波)。これは超音速旅客機が音速を超えるスピードで飛んだ時に機体から発生する圧力変動の大きな波のことで、地上に届いたときに雷が落ちたような音や花火のような音として体感する。体感ルームで超音速旅客機コンコルドがマッハ2で飛んだ時の衝撃波を体験した番組ナビゲーターの石田紗英子氏は、「びっくりした。ある程度覚悟していただけど、ズドーンと撃たれたような、心臓に悪い音」と表現。牧野氏によると

「空気中で衝撃波よりも速く伝わる音はないため、静かな中で不意打ちを食らったように余計にうるさく感じる」

という。そこでJAXAではコンコルドが出していた衝撃波を4分の1にまで抑える超音速旅客機を目指し研究しており、国際民間航空機関で進めている将来のソニックブームの基準策定に役立てようとしている。

自由過ぎるJAXAの命名法に驚きのコメント

 そして今年4月から5月にかけて、スウェーデン宇宙公社の協力の下、同社のエスレンジ実験場でソニックブームが計測可能かの確認と2種の機体を使った計測を実施。牧野氏が設計した機体は衝撃波を従来の半分程度に抑えることに成功、しかも理論値通りの結果を出すという二重の成功を収めたとのことだ。なお、JAXAがこの実験のために構築した衝撃波の計測システムAirborne Blimp Boom Acquisitionの略称は「ABBA」。

「スウェーデンで実験するということでスウェーデン出身のABBAにちなんで」(牧野氏)
「Bがひっくり返ってないんで(著作権的には)大丈夫」(本田氏)

とのことで、最先端研究で成果を出しつつもユニークさを忘れないJAXAからますます目が離せない。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 石田氏のソニックブーム体感の様子から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv70167753?po=news&ref=rews#30:40
・[ニコニコ生放送] ABBAの命名とスウェーデンでの実験の様子から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv70167753?po=news&ref=rews#56:34

(大塚千春)

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