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小学校までTVのない環境で育った斎藤工が語る北川悦吏子

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『愛していると言ってくれ』『ロングバケーション』など、数々の名恋愛ドラマの脚本を手掛け、「ラブストーリーの神様」と呼ばれる北川悦吏子が、NHKで初めて脚本を担当したドラマ『運命に、似た恋』(NHK総合 毎週金夜10時)。同作で高校生の子供を持つバツイチの女性・カスミ(原田知世)と恋に落ちるデザイナー・ユーリを演じるのが、斎藤工(35才)だ。自身も北川の作品に影響を受けたという斎藤工が、北川脚本のドラマに挑む心境と率直な恋愛観を明かしてくれた。

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 台本の1ページ目から気迫が漂ってくるのを感じて、こういう作品には生涯に何度も出会えるわけじゃないな…と。どういう意味なのかを含め、物語のヒントが何かあるのではと思わせてくれるタイトルも非常に好きです。

 北川さんの作品は、ほとんどが時代の1つのアイコンになっていますよね。ぼくは小学校まで教育上、テレビのない環境で育ったんです。中学で公立に移ってから家にテレビがきたんですけど、慣れないのであまり夢中にはならなかった。でも、同級生は昨日のテレビの話を朝一番にするんです。

 この社会でやっていくには共有できる情報を自分の中に吸収しないと難しいな、と。そんな状況で、北川作品を見た自分の姉やクラスの女子の“いろどり”が変わるような感じを受けてしまった。ぼく自身も男性がもっている“女性的な心情”のような部分に訴えかけられたのが、ドラマ『愛していると言ってくれ』などの北川作品でした。

 ただ、今回は“北川作品だから”という不必要な圧は感じなくていいのかなと、最初から思っていました。変に大きなものを背負ってしまうと絶対にプラスに働かないから。勇凜(ユーリ)役は1色のイメージではなく、彼が誰といるかでスタイルが変容していいのでは、と思いながら演じました。北川さんのフィルターを通した、ある種の自分像に向き合うようなところもありましたね。

 役者として疑似恋愛をたくさんしていますけど、実際の恋愛は電撃的ではない気がしていて、気づくと忘れられないみたいな感じなのかなと。外見でジャッジしたり駆け引きしたりするのは、“恋愛”じゃなくて“恋愛ごっこ”なんじゃないかなと35年生きてくると思うんです(笑い)。

 ただ、ぼくはドラマのように、傷ついてもいいと思えるほどの恋愛にはなかなか巡りあえない(笑い)。深みにはまり、ややこしい展開になってしまうのではと思って、予防線をすごく手前にひいて回避してしまうんです。こんな風にごちゃごちゃ考えていることをとっぱらってくれるのが、本物の恋愛なのかな。今って、結婚にも夢が持てない社会になっていますよね、ハッキリ言うと(笑い)。でも、こんな考えを吹き飛ばすような出会いがあれば、変わると思うんですよ。恋愛も結婚も、それまで自分が想像していたものの角度が変わる瞬間に起こるのかな、と。そのアングルは出会う人によって変わると思うので、そういう自然な瞬間を、希望を捨てずに待っています(笑い)。

撮影■千川修

※女性セブン2016年10月13日号

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