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プロ向けの360度カメラ2機種が国内初登場 YouTube主催シンポジウムレポート

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2016年9月2日。東京・六本木ヒルズ内のYouTube Space Tokyoで、360度VR動画の記念すべきイベント~日本初「YouTube 360/VRシンポジウム」が開催されました。

この朝、会場には招待客と一般公募の抽選による参加者およそ150名が詰めかけました。Google関係者の挨拶に続いて、全員に配布されたYouTube Space特製Google Cardboardを参加者自ら実際に組み立て、VRを体験するところからシンポジウムはスタートしました。

目玉はGoogleの360度撮影システム「JUMP」

講演の内容は、「VRの過去・現在・未来」、「360/VRとは?またその相違点」、「You Tubeに於ける360/VR動画の活用事例」、「360/VR動画を検討する場合に考慮すべき5つのポイント」、「360/VR動画制作ベストプラクティス」といったVR初心者や、これから制作に取り組む方たちに向けたガイダンスと、今年4月から対応がスタートしたライブ配信「YouTube Live360」など。これらのセッションに続き、本シンポジウムの目玉のひとつであるGoogle JUMPの日本初公開が行われ、来場者の注目を集めました。

JUMPは昨年の5月にグーグルの開発者会議Google I/Oで発表、その後、審査を経て実機を提供するテスターを募っていたもの。筆者は実物を今年4月にNAB(米・ラスベガスでおこなわれる世界第大規模の放送機器展)で初めて目にしました。

JUMPはOdysseyというGoPro HERO4Black Editionを16台円周上に配置したVRカメラで撮影をおこない、Assemblerというクラウド型のシステムにファイルをアップロード後、自動的にステッチング処理をおこない、8K(7680×4320)、30fpsでレンダリングすることができる次世代3D 360/VRソリューションです。

その処理能力は絶大で、もし1台のパソコンであれば1時間分のフッテージの処理に3,000時間かかるところを、Assemblerなら2日で可能ということになります。その内容とは、瞳孔間の距離を6.4cm/2.52インチに設定、Optical Flow Based View Interpolation(任意視点補間)という、GoPro1台から500台、16台で合計8,000台もの仮想カメラを想定し演算する方法で、3D 360度VRを生成するというものです。書き出しは最大で8K×8K (30fps)もの解像度を実現します。

このシンポジウムのために来日したGoogleのテクノロジー・プログラム・マネージャー、トーマス・スモール氏は、「日本についにJUMPを持参できて、本当に光栄です。」と語っていました。Odysseyによる撮影は3Dの効果を尊重するため天地はなく、近点は1m~40cm程度まで撮影が可能。後日、私が携わった撮影で確認したところ、思った以上に近点でのステッチもうまくいっていました。16台のGoProは先頃発売された OMNI(GoPro6台を使うリグセット)と同様、ピクセル単位の完全な同期がなされています。繰り返しのパターン認識は不得手ですが、YouTubeでは3Dサウンドのサポートが開始されているので、レコーダーであるZOOM H2nのSpatial Audioモード(最新ファーム)で収録したファイルを利用することにより、奥行きを感じさせるサウンドの実現と、映像の向きに合わせて音像の方向も変化させることが可能です。実際このH2nをJUMPリグの中央にマウントすると最適な見た目となるのです。

JUMPリグのセットには強力な外部バッテリーも同梱されていて、Odysseyへの撮影中の給電が可能です。Odysseyは今のところ、日本・アジアにこの一台だけ、価格は1万5,000ドルです。

パナソニックの360度カメラが登場

そして、もう一つ新しいVRカメラ、Panasonicの「プロジェクトPHAROS」のプロトタイプがお披露目されました。4つのレンズを配した黒い筐体と、一対になるベースユニットという構成です。

ライブ映像配信に最適なリアルタイム・ステッチング(ベースユニットに内蔵したステッチング・プロセッサで0.3秒で実現)、被写体の距離に応じた自動視差補正機能、完全に同期した4眼撮影、輝度レベル・ホワイトバランスの自動マッチング、外部パソコンからのLANケーブルによる各種制御(映像モニター、シャッタースピード、ゲイン、ホワイトバランス、ステッチの手動補正など)、またACアダプターや、業務用バッテリーからの運用が可能な仕様になる予定です。

2014年から試作機の製作と技術的な検証がおこなわれており、現状は4K 30fpsですが将来的には8Kでさらに高速のフレームレートを目指すという担当者の解説がありました。

終盤にはスタジオ内の4つのスタジオと、編集ルーム、トレーニング・ルームにおいて、このPanasonic-プロジェクトPHAROS、Idoga/クロスデバイスによるmooovrig(SONY α7×5台+VideoStich)の360度ライブストリーミング・デモ、HTC Viveの『Tilt brush』のデモ、空間音声ワークショップ、JUMP/Odysseyのデモ、そして、筆者による『Kolor Autopano』ステッチング・ワークショップがおこなわれ、ラストは交流会で幕を閉じました。

YouTube Spaceではチャンネルの登録者数など一定の資格を満たす必要がありますが、360度VR動画ワークショップや、360/VR機材レンタルもおこなっています。
現在はVR「ホラー」プログラムが開催中で、世界に 9 カ所ある YouTube Spacesで、ユーチューバーたちが新しい表現を模索しながら、VRカメラを使った「ホラー」コンテンツを制作しています。

この秋はJumpやその他のVRカメラで撮影された360度VR動画が、YouTubeのチャンネルを賑わすことになるでしょう。

(参考)
[YouTube Space Tokyo] 360/VR 機材レンタルポリシー : docs.google.com/document/d/1qB7cFN0AglMvH3Gsz0uqIP4hlloIXbqmQ5zY1I0DOPA/edit
Google Jumpサポートページ: support.google.com/jump/answer/7003251?hl=en:
GoPro Odyssey:https : //jp.gopro.com/odyssey
Panasonic AVCネットワーク社 : panasonic.co.jp/avc/
idoga : www.idoga.jp/index.php

カテゴリー : デジタル・IT タグ :
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