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薬剤師が教える子宮筋腫に効く漢方薬 東洋医学は女性に優しい

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現代の医療機関では西洋医学にもとづいた治療がすすめられているので、あまり東洋医学の漢方薬などには馴染みがないかもしれません。

しかし、たとえば女性特有の悩みである「子宮筋腫」には、漢方薬療法も有効であることをご存知でしたか。

そこで今回は薬剤師の吉澤先生に「子宮筋腫を漢方薬で治癒」と題し、解説をしていただきました。

子宮筋腫とは

子宮筋腫は子宮の筋肉に出来る良性の腫瘍です。良性の腫瘍のため生命を脅かすものではありません。

卵巣から分泌される女性ホルモンによって筋腫が大きくなりますが、逆に閉経すると多くの場合、子宮筋腫は小さくなります。複数個できることが多く、数や大きさはさまざまです。症状は、子宮筋腫の大きさやできた場所によって違います。

子宮筋腫ができる場所

・子宮の内側(粘膜下筋腫)

・子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)

・子宮の外側(漿膜下筋腫)

子宮筋腫の治療法

子宮筋腫の代表的な症状は月経量が多くなることと月経痛です。また、月経以外の出血、腰痛、頻尿等が出る人もいます。

無症状なら治療は不要で経過観察を行いますが、症状が重く子宮筋腫を取り除く希望があれば治療を行います。筋腫の大きさ、数、位置などに応じて適する治療法を選択します。

薬物療法

<GnRHアゴニスト療法 >

薬により卵巣から出るエストロゲン(女性ホルモン)を減少させます。 その結果、低エストロゲン状態となり月経が止まり子宮筋腫が小さくなります。

薬は、点鼻薬、皮下注射があります。

ホルモン療法

薬により女性ホルモンの作用を減弱します。

<低用量ピル>

子宮筋腫による症状が過多月経や月経困難症などの場合は、低用量ピルが有効です。低用量ピルの服用で子宮内膜が薄くなり、月経量は少なるため痛みも軽くなります。

しかし、低用量ピルの服用で子宮筋腫自体は大きくなることもあり、一時的に症状を軽減する治療法とも言えます。

<ミレーナ>

2014年からはIUD(子宮内避妊用具)のひとつであるミレーナも過多月経や月経困難症に保険適用となりました。

ミレーナは、子宮内で黄体ホルモンを持続的に放出し子宮内膜増殖を抑制します。その結果として月経時の苦痛を緩和することができます。

漢方療法

東洋医学では、子宮筋腫、子宮内膜症、月経困難、更年期障害などの婦人科系の疾患を「血の道症」と総称します。

漢方薬で子宮筋腫を根治させるのは難しいと言えますが、成育を止めたり、縮小させることはできると考えられます。

手術療法

<子宮筋腫核出術 >

子宮を残し(機能温存手術)、子宮筋腫だけをとる手術です。最近では、患者の負担を減らす腹腔鏡を用いる術式が一般的です。

<子宮摘出術>

子宮を全て摘出する手術です(根治手術)。妊娠はできなくなりますが、病気を根治するため、あるいは将来の子宮がん発生を防ぐという意味では、子宮摘出術は、再発の心配もなく根治治療と言えます。

<子宮動脈塞栓術>

子宮へ流れる血液量を減らすことで子宮筋腫を小さくします。開腹の必要がなく患者さんの負担が小さいのが大きな利点です。

しかし、治療法としてはまだ新しくさまざまな問題点があり、妊娠を希望する場合、推奨はできません。

<FUS(集束超音波治療)>

FUSとは、超音波によって筋腫を変性させて退縮させる治療です。しかしまだ試験的な治療法で、保険が適応されていません。

FUSが有効な場合もあると思いますが、不妊症の患者さんの場合、その後子宮の機能が低下するというデータもあるので、慎重に判断する必要があります。

東洋医学での子宮筋腫の考え方

子宮筋腫の症状は、東洋医学では「しこり」と捉えます。しこりの原因は「気(エネルギー)・血(血分)・水(すいぶん)」のバランスが崩れることでしこりができやすくなることがあると考えます。

「気・血・水」のバランスにより、子宮筋腫の症状を大きく「瘀血」「気滞」「痰湿」の3つのタイプに分けることができます。

漢方での治療により、共通して身体の血液循環の改善による冷え性やうっ血症状の改善をしますがタイプによって用いる漢方が違います。

東洋医学の体質のタイプと漢方薬

瘀血

<原因>

身体の冷えや、不規則な食生活などが原因で血の巡りが悪くなり、子宮や付属器の一部に血液が停滞します。

<症状>

月経痛が強く、経血に塊が混じる、経血の褐色〜黒色っぽく生理痛も強い傾向にあります。

<治療薬>

・血府逐瘀丸

・桂枝茯苓丸

・血府逐瘀湯

・温経湯

・当帰芍薬散

血行の改善のほか、子宮および卵巣の機能を向上させる効果もあります。冷え性を緩和し気の流れも改善します。

気滞

<原因>

精神的ストレスなどにより気の流れが停滞し症状となって現れます。

<症状>

月経不順や月経前にお腹が張るなどの症状があります。また、PMS(月経前症候群)もこのタイプの人に多く見られます。

<治療薬>

・香棱散

・加味逍遥散

・柴胡疏肝散

・四逆散

・逍遥散

・桃紅四物湯

冷えの改善、血行の改善と水分代謝も改善します。

痰湿

<原因>

水分代謝が滞りやすく余分を体内に溜めやすいタイプです。余分な水分は、血液の循環や気の流れを阻害することになり症状となって現れます。

<症状>

月経不順、無月経などが起きやすく、月経量は少なく倦怠感などを伴います。

<治療薬>

・肝散+二陳湯

・五苓散

・平胃散

・牛車腎気丸

血行を良くし体を温め、水分の排泄を促します。

漢方薬を使った治療はどこで受けられる?

多くの婦人科で漢方での治療を行っています。西洋薬と漢方を併用してその効果をさらに高めるような目的で使用する場合もあります。

漢方での治療の希望があればお近くの婦人科に相談することをお勧めいたします。ほとんどは、保険適用での漢方治療が受けることができますよ。

子宮筋腫を治すための生活習慣

冷やさない工夫

冷たいものを避け、体を温める根野菜などを多く取るようにしましょう。

栄養バランスの良い食事

肥満なども血流を悪くする原因となることがありますので、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

イソフラボンを含む食事

大豆製品に含まれているイソフラボンは、エストロゲンと似たような働きをします。イソフラボンの摂取により体内での過剰なエストロゲンの分泌を抑えます。

適度な運動

適度な運動により体の血流が良くなり子宮の血液循環も良くなることが期待できます。

ストレスを溜めない

ストレスによってホルモンバランスを崩し、子宮筋腫を悪化させてしまう可能性もあります。

吉澤先生からのアドバイス


子宮筋腫といっても必ずしも治療が必要というわけではありません。大きさや数、発生部位によっても違いますし、症状によっても違います。

定期的な検査で病状の把握をし、必要な治療を行うことが大切です。漢方薬でも体質によっては合わないこともあります。自己判断で薬局で漢方薬を購入するのではなく医師の診断のもと漢方治療を行うことをお勧めします。

(監修:薬剤師 吉澤 恵理)

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