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『真田十勇士』堤幸彦監督インタビュー「僕は“プロ”なんだけど“プロ”じゃない」

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映画やテレビドラマ、舞台、漫画、ゲーム等、様々な分野で描かれ続ける真田信繁幸村。歴史に名を刻んだ「大坂の陣」から400余年、“真田イヤー”と呼ばれる今年、2014年に大ヒットを記録したスペクタクル超大作舞台「真田十勇士」が、同作品の演出を手がけた奇才・堤幸彦監督により映画化され、全国公開中となります。

本作は、天下の名将と名高い真田幸村が実は“腰抜けの武将”であった、という大胆な発想を基に、堤幸彦監督が手がけるエンターテインメント超大作。スリルに満ちた頭脳戦あり、熱いドラマあり、ほのかなロマンスもあり……。佐助と十勇士が仕掛ける、観客全員がド肝を抜かれる大逆転のストーリーに期待が高まっています。今回は、堤幸彦監督に映画の見所や苦労した点などをインタビュー。色々とお話を伺ってきました。

堤監督画像

―舞台を映画化するにあたり、残した要素と削った要素、その理由を教えてください。

堤監督:十勇士が集まってくる出会いのシーンを映画にも入れてしまうと、尺があと1時間くらい必要になってしまうので、その部分はアニメーションでしました。この映画の一番の目的は、最近では珍しい合戦のシーンであり、そこにいろいろな人間模様が収斂されていって最後に大仕掛けの結末につながる、というところをなるべくたっぷりと見せたかったんです。3時間くらいの映画にしても良かったんですが、そうなると制約も増えてきてしまうし、手ごろな時間に収めることも大事だと思い、アニメーションを使うことにしました。

―冒頭のアニメーションはインパクトがあり、キャストの皆さんのアフレコも素晴らしかったです。

堤監督:やってるうちに本気になってきちゃったんですよ(笑)。 この作品はもともと舞台で何度も公演していて、今も再演中です。となると、皆さん役が入っているんです。節回しなどの音的な表現まで自分のものになっている。その上で映画を作り上げたので、アニメーションになろうが映画になろうが、いろいろなアウトプットができるということです。アニメーションのスタッフも日本有数のスタッフを揃えさせていただいて、クオリティの高いものになったので、このまま全部アニメでもいいかなって気もしたんだけど、さすがにね(笑)。

―本作はオープンセットがかなり大がかりだったと思うのですが、ロケにこだわった理由を教えてください。

堤監督:この映画に登場する合戦というのは大坂城の南側あたりで事実として起こったことで、さらにそれは戦国時代最後の出来事だったわけです。その空気感というのは、ちまちましたことで見せたくないなという想いがあって。でも制約上、馬を何十騎も揃えたりはできず、甲冑の装束も用意できる数は限られている。エキストラも、黒沢明先生の『乱』の時代だったら体育系の大学生を集めて何百人でのシーンが撮れたかもしれないが、今はそれもなかなか難しい。それでも、映像技術に頼りながらも、最大限のアナログな表現を目指したかったんです。同時に、日差しなども含む天候による臨場感が欲しかったので、できる限りロケにしました。セットを建てるにしても、見たこともない規模のものを作りたかった。大坂城の部屋なら、大きな柱があって実際こんな絢爛豪華だったんだろうなと想像させるようなもの。最後に出てくる「糒倉(ほしいぐら)」という倉庫みたいなところも、ほんの一瞬忍者の追っ手が大量に出てくるが為にものすごく大がかりなものを作っちゃったんです。ちょっとバカバカしいくらい、合成などのアイデアで乗り切れるところもあえて大きなもの、広い所、たくさんの人を使うことで、僕が一番やりたかった昭和的な活劇の世界を、現代技術とも相まって表現しました。

―ドローンやバギーを用いて撮影したと伺いました。それらのガジェットを使っての撮影で面白かった事を教えてください。

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記者:

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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