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労働問題に強い赤旗 労組ネットワークがあるからこそ

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 日本共産党の政党機関紙でありながら、与党政治家や一般の新聞社からも一目置かれる「しんぶん赤旗」。数々のスクープで朝日や読売などの全国紙を抜くことができるのは、共産党ならではの大企業や官公庁に潜む党員などの“諜報網”を持つからだ。共産党系の各種団体も、“諜報網”として機能する。

 全国労働組合総連合(全労連)や、中小・零細企業の団体である全国商工団体連合会(全商連)、全日本民主医療機関連合会(民医連)など党と密接な関係にある団体がそれである。

 赤旗日曜版が2004年から追及を始めた「偽装請負」問題では、請負業者の内部資料を独自に入手。資料で判明したキヤノンやトヨタ、日立製作所など日本を代表する大企業が請負業者に支払う「請負料の総額」と、請負労働者の「手取り賃金」とを突き合わせ、“ピンハネ”の実態があることをスクープした。

 赤旗の記事がきっかけとなり、偽装請負問題は国会でも取り上げられた。その後、組合が企業側と交渉し、請負労働者から直接雇用に切り替わったケースを〈快挙〉と報じている。労働問題に強いのは赤旗の特徴だ。それらのネタは全国に張り巡らされた労組というネットワークがあるからこそ、入ってくると言える。

 2000年に発覚した財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)の理事長による汚職事件の報道でも、関連団体が大きな役割を果たした。当時、赤旗記者と組んで聞き込みをした篠原氏が語る。

「このケースでは共産党系の民主商工会(民商=全商連の支部組織)が重要な情報源になりました。民商の加盟業者にKSDの全国団体の幹部がおり、内部資料を持っていた。私と赤旗取材班はそれを元に取材を始め、結果、ある自民党国会議員の比例名簿順位を上げる目的で、KSDが党費を肩代わりする形で“幽霊党員”を獲得していた疑惑を追及したのです」

 また、赤旗は社会保障制度を追及する記事をたびたび掲載するが、これも民医連などが行っている全国の医療機関の「死亡事例調査」などがベースになっている。

 一般紙の記者は企業にしても組合にしても医療機関にしても、個別に食い込んで信頼を得て“ネタ元”を開拓する必要があるが、赤旗の場合は組織的なつながりが独自情報の入手を支えていると見ることができる。

※SAPIO2016年10月号

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