連載40周年でマンガ“こち亀”が終了。そのとき地元・亀有は?

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2016年9月3日、突如発表され、またたく間に世をにぎわせたのが、『週刊少年ジャンプ』(集英社)のご長寿マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所(通称・こち亀、以下同)』の連載が終了するというニュース。約40年におよぶ連載が終わるとあって、驚いた人も多いはず。では、最終回が掲載されたジャンプの発売日、地元である葛飾区亀有はどのような雰囲気だったのか。地元の人の感想とあわせて紹介しよう。連載【ネットで話題の住まいトピック】

ネットニュースやTwitterなどで話題になった住まいに関するトピックを、時にゆるく、時に真面目に紹介します。

9月17日は亀有香取神社の例大祭。地元はリアル“祭り”だった!

『こち亀』の最終話が掲載された『週刊少年ジャンプ』は祝日の関係で、通常の月曜日ではなく、9月17日(土)に発売された。当日、亀有駅を訪れてみると、まず駅そのものが『こち亀』ジャック状態! 主人公である「両津勘吉」をはじめ、キャラクターたちが駅のいたるところに装飾されていて、「200巻を買え!」とせまってくる。階段やエスカレーターの手すり、ポスターなどを撮影する人も多く、「撮影後はすみやかに立ち去って、たちどまらないでくださいー」と駅員さんが交通整理をしていた。早くも祭りである。【画像1】階段には単行本の背表紙がズラリ。記念にと撮影する人の姿が絶えない(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部) 【画像1】階段には単行本の背表紙がズラリ。記念にと撮影する人の姿が絶えない(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)【画像2】改札口を出たところには、全200巻の単行本の表紙が。地元の人によると、このラッピング、終電と始発の間を利用して、一夜にして行われたらしい(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像2】改札口を出たところには、全200巻の単行本の表紙が。地元の人によると、このラッピング、終電と始発の間を利用して、一夜にして行われたらしい(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

駅の改札口を出ると、すごい人だかり。最終話の発売にあわせて多くのファンが訪れているのかと思いきや、「今日はこち亀の最終回が発売っていうのもあるけど、亀有香取神社のお祭りだから」と地元の女性が教えてくれた。地元のお祭りにぶつけたのか、最終回の発売日がたまたま被ったのかは分からないが、お祭りが大好きな両さんらしいファイナルといえそう。ちなみに駅前の両津勘吉像は、誰が持たせたのか花束を持っていて、普段とは違う、ちょっと粋な姿を見せていた。【画像3】亀有駅北口にいる両津勘吉像には、誰が置いたのか花束が。ちなみにこれが2006年、亀有に初めて誕生した両さん像(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像3】亀有駅北口にいる両津勘吉像には、誰が置いたのか花束が。ちなみにこれが2006年、亀有に初めて誕生した両さん像(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

まずは、マンガの舞台となった亀有駅北口の交番のおまわりさんにインタビューしてみたのだが、「公式な取材は警視庁広報室を通して」ということで残念ながらNG。あくまで個人としての感想を聞いたところ「終わってしまうのは、やっぱり寂しい」とぽつり。先輩(?)なのか、同僚なのか分からないが、やっぱり地元の名物の卒業は寂しいようす。

次に、お祭り中で屋台がずらりと並ぶ「亀有香取神社」を訪問。ここは、両さん絵馬をはじめ、キャプテン翼の絵馬が奉納できるなど、週刊少年ジャンプとも縁の深い神社。宮司さんは、「両さんはじめ、こち亀からたくさん元気をもらった。これからは自分たちが恩返しする番、街を元気にできれば」とにこやかに話す。奉納された絵馬のなかには「両さんのように俺も笑顔で生きていく!」と書かれたものも。やっぱり地元、愛されているね、両さん……。【画像4】亀有香取神社に奉納されていた両さんの絵馬。カッコいいコメントにびっくり(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像4】亀有香取神社に奉納されていた両さんの絵馬。カッコいいコメントにびっくり(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

商店街では、マンガや映画に登場した方々と対面!

さらに、こち亀の映画やドラマの舞台にもなった亀有銀座商店街(ゆうろーど)を歩いていくと、半纏に身をつつんだ男性の集団と遭遇。聞けば、地元亀有で70〜80年以上暮らしている方々。今日はお祭りということで、休憩所でだんらんの最中だった。

『こち亀』の話を聞いてみると、なんと初期のころのマンガに登場した、映画化されたときにエキストラ役をした、作者の秋本治先生がかつてはあのあたりで暮らしていた、といった濃いエピソードがぽんぽん飛び出てくる。

また、現在、両津勘吉像が亀有駅周辺に複数設置されているが、その設立を思い立ち、出版社や代理店などと交渉した苦労話も聞かせてくれた。「いろんな街があるけど、やっぱり亀有がいちばんよ」と笑う姿は、地元愛に溢れている。その後、なんとお神輿を担がせてもらうなどしたが、両さん顔負けノリのよさ、サービス精神旺盛に圧倒されてしまった。【画像5】亀有の商店街を、神輿を担いで練り歩く人々。筆者もこのあと少しだけ、担がせてもらった(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像5】亀有の商店街を、神輿を担いで練り歩く人々。筆者もこのあと少しだけ、担がせてもらった(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

次に名物として知られるうなぎ屋さんでも話を聞いてみたところ、「連載が終わるって聞いてびっくりしたよね、前ぶれもなく、ニュースで知ったし。秋本治先生が死ぬまで描くものだと思っていたからさ(笑)」。それもそのはず、連載開始から40年、もうあって当たり前の存在だと思っていた人も少なくないはず。さらに両さん像などができたことなどにより、海外からの旅行客も増えていて、すっかり街のシンボル的存在でもある。

最後に、駅前の不動産会社に聞いたところ、「年に1人くらいかな、両さんと同じ街・葛飾区亀有の住所に住みたいという人が、訪れますよ(笑)」という。

亀有はどんな街ですか? と聞いたところ、「知名度があって、訪れたことはなくても、駅名を知らない人はいない街ですよね。衣食住のバランスが良くて、すごく住みやすい街。チェーン店のお店もあるけど、個人商店も元気だし。大きな商業施設もあれば、こじんまりしたお店もあって、ずっと亀有に住み続ける人も多いんですよ」と話してくれた。

9月17日の最終話をもって、両さんとはいったんお別れになるが、亀有を歩いていると、どうも「さよなら」という感じがあまりしない。ちょっと休んでいるだけで、その街角からふらっと顔を出して「よ!」と声をかけられそうな、そんな気配を感じる。連載終了で「こち亀ロス」になってしまったら、「亀有に遊びにいく」もしくは思い切って「亀有に引越す」のはどうだろうか。きっとどこか両さんに似た、あたたかい人たちに出会えるはずだ。●参考

・集英社/こち亀.com
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/09/118363_main1.jpg
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