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第77回 新入訓練は辛い(その2)

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第77回 新入訓練は辛い(その2)

 新入の考査工場の雑居を出て、行進の仕方で刑務官から怒鳴られながら着いた先は、まぁ教室みたいなところである。
 行進は、教室出入口手前3メートルあたりに貼ってあるテープのところで先頭が止まって終了する。教室の入り口横に刑務官がいる担当台があり、担当刑務官に向かって、指先を揃えた右手を伸ばして挙げて「○番お願いします」と大声で叫び、「よし」の合図で教室入り口前の次なるテープが貼られているところに進む。
 この進むときも左足からだ。テープの所で立ち止まり、再度右手をあげて「○○番入ります」と叫び「よし」の合図で、左足から部屋の中に入る。

 声が小さいとか、左足から出ていないとかで、何回もやり直しをさせられ、教室内に入るまでかなりの時間を要する人も決して少なくないから、全員が教室に入り終わるのにはかなりの時間がかかる。
 やっと教室に入ると、左の壁に各人の棚が用意されているので、スリッパをズック靴に履き替え、小さいロッカーの前に立ち、右手を挙げて、「○番ロッカーあけます!」、「よし」で、ロッカー内の作業着を出して舎房着から着替え、所定の席に着く。両手は膝頭やや手前にすべての指を伸ばして置き、もちろん両足はきちんと閉じて座らなければならない。

 ここではすべての動作に許可がいる。
 刑務官の方を向いて、右手をまっすぐ挙げて「お願いします」と言い、指差しされたら「○番離席願います」とか「○番用便願います」とか言って(怒鳴って)、「よし」との許可を受ける必要がある。トイレの出入りも「入ります」「出ます」、トイレの電気についても「つけます」「けします」、「よし」、そして教室に入るときも、また同じである。
 私語禁止は当たり前のことである。それでも、やはり規範意識に乏しい人が多いのだろうか、幾度も私語を交わして、小学校のときのように教室の後ろにしかも壁向きに立たされた人もいた。

 余談であるが、私がいたときの考査工場には20名弱くらいの新入りがいた。この中にどういうわけなのか私を弁護士だと知っている人がいた。
 休憩時間中に少し話をしただけで、しかも私の方から他の話題に変えてしまったので、それ以上詳しくは分からない。

 行進の訓練が午前中にある。考査工場の担当刑務官に加え警備担当の刑務官が1~2名で訓練を担当する。
 行進は、両手をきっちりと指先まで伸ばして、これを振るときは、最低でも地上と平行になるまで上げる。足の腿も地上と平行になるまで上げる。
 かなりきついと、皆がこぼすが、私にはさほどのことはなかった。昔サッカーをやっていたおかげかもしれない。
 行進中は、「声出せ」との合図で、「1、2、1、2」と掛け声を怒鳴るような大声で言う。刑務官からは「足が上がっていない」「手が上がっていない」「声が小さい」と罵声が飛びまくる。

 この行進をしながら運動場まで行き、そこでラジオ体操をする。
 新入のうち指名された者が前に出て体操をする。指名されたら、ラジオ体操だけでなく、回れ右だとかもきちんとこなさなければならず、そうでないと怒鳴られ、やり直しをさせられることになる。そのため新入雑居にはラジオ体操のやり方が図示されたものが置いてある。それを見てとにかく間違えないように覚えることになる。
 私も2度指名された。基準者だったからだ。基準者とは、要は級長のようなものである。教室での講義の際も、講師が入ってくると、「起立」「礼」などの掛け声を出さなればならない。どうして私が基準者になったのか分からない。

 ラジオ体操が終わると、「回れ右」の仕方だとか、「右へならえ」などの訓練もあり、そこでも怒鳴りまくられて精神的にも辛い。その後はもっと辛く、運動場を何周もして行進の訓練である。
 訓練が終了すると、30分の休憩時間で、お茶タイム雑談時間となる。ただ、私は、基準者であったので、その時間も刑務官に呼ばれて、全体的ないろいろな注意事項を拝聴することになった。
 もちろん、「さっきは左足から出たか?」などという個別的な注意もあった。とぼけて「はい」と答える。(つづく)

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第77回 新入訓練は辛い(その2)

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