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困難に直面したら「よ~し、面白くなってきやがったぜ!」と思えばいい【対談:八谷和彦×稲見昌彦】

今年は、江渡さんとニコニコ学会β運動会部部長の犬飼博士さんの協力もあり、国体開催地の岩手県で「国体のスポーツをプレーするだけでなく、新しいスポーツを作ろうという」という「岩手発、超人スポーツプロジェクト」を地域の方と協力しつつ進めています。ぜひ、楽しみにしていてください。

メーヴェは実は35年ぶりの民間国産ジェット機

江渡:八谷さんは今年7月に「OpenSky Project」のテスト飛行を成功させましたが、そこでみんなが聞きたいのは、一番高いハードルはどこでしたか?ということだと思います。また、ブレイクスルーした瞬間についても教えていただけますか?

八谷:こういう話になると、機体を作ることの困難さだと思う人も多いかもしれませんが、正直、航空局からの許可を得ることが一番大変でした(笑)

この機体は航空法上は「自作航空機」にあたるので、国土交通省の中にある航空局に申請して、機体の許可、パイロットの許可、そして飛行場所の許可の3つの許可を取らなくてはいけません。乗員の許可は先にグライダー版を作って70本近く飛ばしていたことや、超軽量動力機の訓練を2年ほど行い、自分で飛んでいることを示し、航空局の人と面談して許可がとれました。

飛行場所については通常は新千歳空港などの中にある航空局に申請を出すのですが、そこもそれほど問題なく許可が取れました。

一番大変だったのが機体の許可でしたね。例えば訓練で乗っていた超軽量動力機は、多くの場合は海外製で、すでに飛んでいる実績があるので比較的楽に許可が取れるのですが、今回のように「設計も製造も新規、試験飛行もこれから」という機体の場合は、普通の飛行機と同じような扱いになるため「耐空性審査要領」という分厚い本を買って、該当する航空機に必要な仕様にどれだけ対応しているかを調べ、書類作成して提出しなくてはいけなかったりします。

そんなこんなで、書類作成に2ヶ月、そのあと審査含めて許可まで結局半年以上かかりました。ただ、これも一度審査に通れば終わりではなく、担当官が年に一回変わるのですが、その際に以前は指摘されず、これまでも全く問題なかった箇所についても試験開始3日前に突然調査依頼が来るとか、こちらからすると、かなり理不尽に思えるようなこともありました。しょうがないので全力で期日内に対応してましたが。

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そんななかでブレイクスルーした瞬間ははやり「飛んだ」ということですね。

そもそもメーヴェの形をした飛行機がこの世には存在しないので、飛ぶかどうか分からないところからスタートでした。「存在していない」ということは、「そもそもあの形で飛ぶのか?」とか「飛んだとしても作るのが大変」とか「飛行形態が独特すぎて訓練が難しい」などさまざまな理由ありますが、目標はメーヴェの機能的な実現ですので、なるべくあの形を生かして、安全に飛べて、普通の人が操縦出来る機体を作りたいと思いました。

ですので、グライダー版を作って、2006年に初めてあの機体を自分が操縦して飛ばしたとき、チーム全員が「やった!」と感動したんですが、グライダーだったせいか世間の反応は思ったより盛り上がらなくて。10年後の2016年7月にジェットエンジンをつかって高高度で飛ばしたときはメディアにもたくさん取り上げていただき、皆さんの反応も良かったですね。こうして自力で飛ぶ形になってはじめて、やっと人は納得してくれるんだ、と感じることもありました。

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