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ダントツの曲数…なぜ「夏の終わり」ばかり歌われる?

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9月に入り、2016年の夏も終わりつつあるが、この時期になると「夏の終わり」を感傷的に歌い上げる歌を聴く機会が多い。

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じつは、四季の「終わり」の中では「夏の終わり」を歌った歌が群を抜いて多いって知ってました? すぐに思い浮かぶのは、そのままのタイトルの森山直太朗「夏の終わり」、またZONE「secret base ~君がくれたもの~」など。

試しに四季の「終わり」を歌う歌の数をJASRACの検索で調べたところーー。

「春の終わり」2曲
「夏の終わり」197曲
「秋の終わり」8曲
「冬の終わり」13曲
※2016年9月2日時点

日本人は「夏の終わり」が圧倒的に好きなのだ。

ではなぜ、こんなにも「夏の終わり」だけが愛されるのか。音楽のプロである音楽評論家と季節感のプロである俳人の方々に分析してもらった。

まずは、音楽評論家で『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版)という著書もある柴 那典さん(40歳)。

「たしかに、『真夏のピークが去った』で始まるフジファブリックの『若者のすべて』を始め、夏の終わりを歌った歌は支持されやすいですね。海、花火、お祭りと思い出に残るイベントも多いから歌詞にしやすい。さらに、春の終わりは初夏、秋の終わりは初冬といったイメージに直結しますが、夏の終わりだけは初秋とは異なる独特の感傷に満ちている気がします」

また、欧米では9月に新学年が始まるので感傷に浸っている暇はないが、「日本人には楽しい夏が終わる寂しさを共有できる土壌がある」と柴さんは指摘する。

もっと遡って、日本人の「夏の終わり」好きを検証したい。NHK俳句教室講師で、昨年出版した『いきいき健康「脳活俳句」入門』(ペガサス)が話題の俳人・石寒太さん(72歳)に春夏秋冬の季語の数を聞いてみるとーー。

「手元の季語辞典を調べてみたら、四季の季語は春秋冬が30ページ余りなのに対し、夏は50ページ弱もありました。実際に夏の終わりを詠んだ俳句は人気で、たとえば1994年に角川俳句賞奨励賞を受賞した黛まどかという女流俳人の『B面の夏』という句集。表題作の『旅終へてよりB面の夏休』という句は失恋を詠んだもので、夏の終わりならではのセンチメンタリズムが感じられます」

俳句界でも「夏の終わり」は人気だった。しかも、切ない恋を題材にした句が多いんだとか。石さんはこんなことも言っていた。

「夏の終わりは人間としても凋落に向かう季節というイメージ。だから、僕なんかも『しっかり生きなくちゃ』って思うんだよね(笑)」

1年後に夏はまた来る。最高の「夏の終わり」を迎えるためにも、それまでお互いにがんばりましょう。

(石原たきび)

(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

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