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老舗家業の“文化”を変えた元広告マンの取り組みとは?

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広告代理店の博報堂から、家業のジュエリー製造販売の会社へ。兄がいながらも継ぐ意志がないと聞き、梶田謙吾さんは家業に入ることを決意する(前編)。サラリーマン時代の経験を、家業にどう活かしているのだろうか。

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会社の一体感を強めるために“オフサイトミーティング”を導入

国内の卸専門だった「梶田」。梶田さんが入社してからは、海外展開とコンシューマー向け販売を同時にスタートさせた。とはいえ、老舗の会社。社員からの抵抗はなかったのだろうか。

「スタッフからすると思ってもみなかった展開で、ブランディングや海外展開の道筋がなかなかイメージできないようでした。そこで、“オフサイトミーティング”を開催してビジョンを伝え、会社の将来の姿を共有するようにしました」

梶田さんが家業に導入したオフサイトミーティングは、博報堂でクライアントに提案していた施策のひとつ。20人ほどの社員と研修設備がある宿泊施設に泊まり、ワークショップなどを行いながら、会社の展望について梶田さんから発信・共有し、社員とお互いの意見を交換する。おおまかなプログラムは梶田さんが決め、細かなファシリテーションは別の担当者に任せた。今では、毎年開催しているという。

「スタッフも『会社の方向性を知りたい』という欲求が心の内にあったようです。しっかりと伝える機会を設けたことで、会社が進む方向性を理解してくれ、安心してくれたと思っています」

オフサイトミーティングの導入により、社内では「与えられたことをやる」のが当たり前だった感覚から、自分たちで考えたり、改善策を練ったりする習慣も生まれたという。

父親と衝突できるのが、家業を継ぐ醍醐味でもある

家業に入って7年、梶田さんは専務取締役に就任し、社長である父親は徐々に現場を任せてくれるようになった。

「父と衝突はしますが、それこそが家業をする面白さのひとつだと思っています。会社員時代は、30歳も年上の人と議論する機会は、多くはありませんでしたから。自分のアイデアを父に認めてもらうために、いろいろ工夫もします。自分の言葉で伝えると『でも』と言い合いになるので、代わりに父が尊敬する経営者の言葉を見せたりすることも。あの手この手で自分の話に説得力を持たせるのは、博報堂時代に身に付いたスキルだと思います」

一方で、博報堂時代は営業には直接関わっていなかった。そのため、「売る」ためのスキルをあまり意識していなかったという。

「大手クライアントの責任代理店としてマーケティングを担当していたので、ある程度の予算ありきで広告のプランを立てていました。『売る』スキルはその逆で、自社の製品の良さをアピールしてクライアントに『お金を出してもらう』もの。営業の視点を会社員時代に身に付けていれば、家業に入ってからももう少しスムーズだったのではないかと思います」

少し時間はかかったものの、製品のよさに助けられ、「KAJITA」の海外展開は順調に進んでいる。海外では固定客が付き、ポップアップショップを出すたびに来店する人も多いのだとか。インバウンド(訪日外国人)需要の高まりにも応えるように、再来年には本社を台東区から表参道に移転し、顧客向けのサロンをオープンするという。2020年の創業100周年に向けて、国内市場でも「KAJITA」のブランディングを加速させる考えだ。

子どもの頃から、地球がつくり出す「宝石」の神秘を感じていたという梶田さん。会社員時代に学んだ知識や経験を糧に、これからも「KAJITA」ブランドを世界に発展させていくのだろう。

(栃尾江美/アバンギャルド)
梶田謙吾(かじた けんご)
1979年東京生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、2002年に博報堂へ入社。2007年に家業である株式会社梶田へ入社。同年9月からGIA(Gemological Institute Of America)へ留学し、2007年に卒業。2008年より海外展開をスタートし、2013年にシンガポール伊勢丹でポップアップショップが実現。2014年に同社専務取締役へ就任。2018年に表参道への本社移転を計画している
(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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