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TROYE SIVAN『Blue Neighbourhood』Interview

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NeoL Magazine JP | Photo: Shuya Nakano | Text: Takahisa Matsunaga | Edit: Ryoko Kuwahara

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俳優としても活躍し、動画サイトで自身の音楽を発信したことから注目されたオーストラリア出身のシンガー・ソングライター、トロイ・シヴァン。昨年末にリリースされたデビュー盤『Blue Neighbourhood』が世界各地でヒットを記録し、日本でも7月のフジロックフェスティバルで初来日。美しく透明感あふれるジェンダーレスな歌声、メランコリックなビート、そして洗練されたヴィジュアルでオーディエンスを魅了させたトロイ。話を聞くと、独特の感性(カラーパレット)で世界を構築している姿がうかがえた。

──日本に来るのは初めて?

トロイ「うん。日本に来るのは子どもの頃からの夢だったんだ。ようやく夢が叶って、しかもミュージシャンとして(地元オーストラリアでも人気の)フジロックフェスティバルでパフォーマンスが出来たって。とても光栄なことだよ」

──2015年末にデビュー・アルバム『Blue Neighbourhood』をリリースしてからの半年。世界中をツアーでまわったりするなど、多忙な日々だと思うけど、戸惑いとかはないですか?

トロイ「アルバムを発売して、フジロックから声がかかったりとか、有名なTV番組に出演するなど、本当に予想もつかない出来事の連続だよね(笑)。でも忙しすぎて心が折れたりはしていないよ。今は毎日起こる刺激を楽しんでいるんだ!」

──トロイは、映画『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』(2009年公開)で主人公の幼少期を演じたことがきっかけで話題になりましたね。元々は役者志望でしたか?

トロイ「あれは、ハプニングみたいなものなんだ。ボクについてくれたマネージャーが映画業界にも通じていて、『こんなオーディションがあるんだけど、やってみない?』と言われて参加したら、たまたま出演が決まっただけ。音楽は、その前からずーっとやり続けていたことなんだ」

NeoL Magazine JP | Photo: Shuya Nakano | Text: Takahisa Matsunaga | Edit: Ryoko Kuwahara

NeoL Magazine JP | Photo: Shuya Nakano | Text: Takahisa Matsunaga | Edit: Ryoko Kuwahara

──ずっとひとりで活動をしていたんですか?

トロイ「うん。バンドをやったことはないんだ。なぜなら、周りに音楽を演奏したいという人がいなかったから。自分の想像のなかだけで、作品を完成させていたという感じ。でも今は、バック・バンドのメンバーやスタッフなど、音楽の知識や経験を持った人々とたくさん出会える。そこで、面白いアイデアを吸収できるのは、すごく楽しいよ。だから、共作も好きなんだ」

──また、トロイは動画サイトやSNSを積極的に活用して、自身の音楽を発信している印象があります。インターネットは表現の場として不可欠な存在ですか?

トロイ「僕が物心着いたら頃からインターネットは、日常にあって、SNSも11、12歳の頃からやり始めていて、今や生活に書かせないツール。そこで、ある時リサ・ラヴィーというシンガー・ソングライターの動画サイトを知って(https://www.youtube.com/user/lisalavie1)、彼女に僕の音楽を届けたいと思って自分の動画チャンネルを開設したら(https://www.youtube.com/user/TroyesivanMusicVEVO)、知らないうちに世界に広まっていたという感じ。また、僕の地元のパースには音楽シーンが皆無で、披露できる場所がない。だから必然的にSNSなどを使って、楽曲を発表していったんだ」

──動画サイトを使ってゲイであることをカムアウトしたことも話題になりましたね。

トロイ「家族や親しい友人には、ずっと前からカムアウトしていたんだ。自分の性格上、それを隠して生活していくことよりも、ちゃんと告白したほうが、ハッピーな人生を歩める気がしたからね。実際、カムアウトしてよかったって、今でも思っているよ。だから、世間にもちゃんと伝えたほうが自分的にハッピーだと思ったし、誰かを救うこともできるのかな?って。性的嗜好に関係なく、人生は自分の思うベストなことを選択すべきじゃないかっていうメッセージを伝えたかったんだよ」

──アルバムからは、いろんな葛藤を乗り越えて、自分にとってベスト・チョイスをしていくトロイの心の変化・過程を感じることができました。

トロイ「言われてみたら、そうなのかもしれないね。自分ではよくわからないんだ。もしかしたら、まだカオスのなかにいるかもしれないし(笑)」

NeoL Magazine JP | Photo: Shuya Nakano | Text: Takahisa Matsunaga | Edit: Ryoko Kuwahara

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──どういうテーマや思いをもって制作したアルバムですか?

トロイ「最初は『こういうアルバムが出来たらいいな』ってボヤーッとした風景みたいなものはあったけど、作っていくうちに気にしなくなっちゃったんだ。自分が純粋にいいと思ったアイデアを忠実に音にしていこうって。だから『次はどういう楽曲やアイデアが生まれるんだろう?』って、いつもドキドキ・ワクワクしながら制作していたんだ」

トロイ「確かに、自分の頭のなかには色彩のパレットがあって、それを重ねながら楽曲を制作しているような感覚はあるね。でも、曲ごとに異なる色を放っているから、統一感はないね」

──では、なぜミュージック・ビデオ3部作を作ったんですか?

トロイ「見ごたえのあるミュージック・ビデオを作ってみたかったんだ。順番通りに観ると、ドラマとして成立できるものをね。この3曲だったら、それが表現できると思った」

──ビデオはせつない片思いの話ですね。

トロイ「うん。幼なじみだった少年二人は、最初は無邪気な関係だったけど、しだいに思いに変化や違いがあらわれて、やがて現実が重くのしかかり、最後にどうなるか?という話だよね」

──これは実体験?

トロイ「ちょっとね。僕はラッキーなことに、家族や友人にカムアウトを早くしていたから、こういうせつない経験はあんまりないよ(笑)」

──では曲作りにおいて、実体験が影響することはありますか?

トロイ「間違いなくあるね。歌詞は僕の日記みたいなものだよ。例えば“HEAVEN”は自分がカムアウトした時の話だし、“EASE”は地元を離れて一人暮らしを始めた頃の心境を綴ったもの。“WILD”は初めてクラブに行った時のエピソードだよ。

──どんなタイプのクラブ?

トロイ「ゲイ・クラブ(笑)。(彼の生まれ故郷である)南アフリカだったんだけど、当時興味津々でね。ドキドキしながら入ったことを覚えているよ(笑)」

──今も行くの?

トロイ「あんまりかな。今は友達とゲイバーでワイワイ話しているほうが好き(笑)」

──日本にもいっぱいあるよ。

トロイ「そうだよね!本当は行きたかったんだけど、次の来日で挑戦してみるね(笑)」

NeoL Magazine JP | Photo: Shuya Nakano | Text: Takahisa Matsunaga | Edit: Ryoko Kuwahara

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──ヴォーカルも印象的で、儚さと共に芯の強さを感じます。

トロイ「僕はメランコリックな音楽を聴くのが大好きなんだ。たぶん、家のコレクションの9割くらいは、そういう系(笑)。だから自然に、ダークな感じの楽曲になっていく。ヴォーカルに関しては、その世界観にあう声を忠実に出したいと思っているだけで、特にこだわりってないんだ」

──メランコリックな音楽にひかれる理由は?

トロイ「人って、どうしようもない悲しみや怒りなどのネガティブな感情が渦巻いている時、心に折り合いをつけるために音楽を聴くんじゃないかって思う。僕の場合メランコリックな音楽が、そういう役割を果たしてくれるんだ。ハッピーで充実している瞬間って、それを楽しむのに精いっぱいで、音楽に心を傾ける余裕なんてないよね」

──ちなみに今はハッピー?メランコリック?

トロイ「スーパー・ハッピーだよ!このままの状況が続けば、次のアルバムは『Blue Neighbourhood』とは全然違うものになりそう(笑)」

──もう構想はあるんですか?

トロイ「アルバムが出たばかりだからね、具体的なものはないけど。試したいアイデアはいくつか頭のなかにあるよ」

──トロイは肌のきめ細やかさや、キレイに塗られたネイルなど、「女子力が高い」ヴィジュアルが評判ですね。

トロイ「ファッションに関しては、ここ1年くらいから意識的になってきたというか。ファッションを通じて、自分を表現することの楽しさを発見したんだよね。『自分がこうありたい!』と思うことの大切さを教えてくれる。実は、今回の来日でファッション愛がさらに強くなったんだ。フジロック出演の翌日に、久々のオフがあって新宿や渋谷などを朝から晩までまわったんだけど、みんな思い思いのスタイルをしていて、一見お揃いに見える子でも、細かいディテールづかいで個性を主張していたりとか。おしゃれを思いっきり楽しんでいる感じがして、とても刺激的だった。僕ももっとファッション・センスを磨かなきゃ」

──ビューティに関しては?

トロイ「あんまり気にしていないんだけど、最近は外出するようにしているくらいかな。以前はツアー中の空き時間は、ホテルでTVやパソコンを観て過ごしていたけど、その土地の空気をちゃんと吸うようにしたんだ。すると段違いでリラックスできて、体調もよくなってきている感じ」

──もしかして、あのモンスターを捕まえるゲームの影響で、外出し始めた?

トロイ「違う、違う(笑)。あれは(配信開始して)最初の5日くらいは、必死になってやったけど、ツアーの日々でなかなかやれる時間がなくて、気づいたら友人はすごいレベルに到達していてさ。それにイライラしたから、あきらめちゃった(笑)」

NeoL Magazine JP | Photo: Shuya Nakano | Text: Takahisa Matsunaga | Edit: Ryoko Kuwahara

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TROYE SIVAN
『Blue Neighbourhood』
発売中
(Universal)
https://www.amazon.co.jp/Blue-Neighbourhood-Troye-Sivan/dp/B016NGSGGY

https://itunes.apple.com/jp/album/blue-neighbourhood-deluxe/id1131556168

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TROYE SIVAN

南アフリカ出身、オーストラリア育ちのシンガー・ソングライター。子供の頃は俳優として活躍し、『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』(2009)ではヒュー・ジャックマン演じる主人公の幼少期を演じた。2014年1st EP「TRXYE」リリース、66か国のiTunesで1位、全米ビルボード・アルバム・チャート5位、TIME誌の“2014年最も影響力のあるティーン”の一人に選ばれる。2015年ゼッドのアルバム『トゥルー・カラーズ』にヴォーカルで参加。8月ミニ・アルバム「Wild」リリース、オーストラリア1位、全米&全英5位、61か国のiTunesで1位を獲得し、テイラー・スウィフトやサム・スミスが大絶賛を送った。12月デビュー・アルバム『Blue Neighbourhood』リリース、全米、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデン他でTOP 10入り。カッティングエッジで心地よいビート、透明感のあるサウンド、クールでソウルフルなヴォーカルが奏でる独自の世界観に、音楽ファンの注目が集まっている。

 

photo Shuya Nakano
text Takahisa Matsunaga
edit Ryoko Kuwahara
photo edit Lina Hitomi

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