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秋ドラマの注目は変人ヒーロー 大型の刑事ドラマがズラリ

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 7月クールのドラマが続々と最終回を迎え、秋ドラマのラインナップに注目が集まっている。とくに目立つのは、久しぶりに「刑事ドラマ」が多いこと。しかも織田裕二、玉木宏、唐沢寿明、阿部寛ら大物俳優が主演する作品が並んだ。そのキャラクターには、それぞれ強烈な個性があるようで…。次クール、そうした「刑事ドラマ」を投入する制作サイドの狙いとは? テレビ解説者の木村隆志さんがナゾを解き明かす。

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 2~3年前は連ドラの半数近くを刑事・事件ドラマが占めていましたが、昨年あたりから1クール3本前後に収まっていました。しかし、今年の秋はひさびさに大型の刑事・事件ドラマがそろい踏みします。

 注目すべきは、“大物俳優+とびきりの変人役”というコンセプトで、各局の足並みがそろったこと。『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)では貴族の末裔・法門寺沙羅駆(ほうもんじ しゃらく)を織田裕二さんが、『キャリア~掟破りの警察署長~』(フジテレビ系)ではひょうひょうとした変わり者の署長・遠山金志郎を玉木宏さんが、『THE LAST COP/ラスト・コップ(日本テレビ系)では30年間の昏睡から目覚めた時代遅れの刑事・京極浩介を唐沢寿明さんが、『スニッファー 嗅覚捜査官』(NHK)では人間離れした嗅覚で事件を解決するコンサルタント・華岡信一郎を阿部寛さんが演じます。法門寺沙羅駆、遠山金志郎という役名からして、変人ぶりが分かるのではないでしょうか。

 そして今年の秋も、国民的刑事・事件ドラマの『相棒 season15』(テレビ朝日系)が放送されますが、元を正せば水谷豊さん演じる杉下右京も、シリーズ初期は現在よりも変人のキャラクターが際立っていました。

 いずれ劣らぬ名優のなかでも、最注目は織田裕二さん。法門寺は、「常に暇を持て余し、自らが解くに値する“美しい事件”を求めてさすらい、『ああ、暇だ暇だ。どこかに私が解くに値する事件はないものか』が口グセ」という強烈なキャラクターであり、織田さん自ら「演じたことがない」と話すように想像がつきません。いまだ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)で演じた“熱くて庶民的な男”青島俊作のイメージも強いだけに、真逆の“クールで高飛車な男”をどう演じるのか見物です。

 これだけ“変人ヒーロー”がそろった最大の理由は、エンタメ性の高さ。大物俳優が変人ならではの発想や行動を駆使する姿は映像映えしますし、奇想天外な事件解決はインパクト十分です。また、「変人が醸し出す笑いがアクセントになり、シリアスな作風になりすぎない」というバランサーとしての意味合いも大きいでしょう。

 さらに、「人間離れした能力を持っていても違和感がない」という面もポイント。たとえば、普通の刑事が解決までに2話かかる事件も、変人なら1話完結を成立させられます。最近の視聴者はせっかちで、週またぎの事件解決では納得しないだけに、変人ヒーローの設定は制作サイドにとって便利なのです。

 もう1点、「変人ヒーローの周りには、必ず振り回されるマジメな人がいて、そのコントラストが面白い」という側面も大きいでしょう。秋ドラマでも、織田さんに振り回されるディーン・フジオカさん、玉木宏さんに振り回される高嶋政宏さん、唐沢寿明さんに振り回される窪田正孝さん、阿部寛さんに振り回される香川照之さんの演技や、2人のかけ合いが見どころのひとつになります。

 織田裕二、玉木宏、唐沢寿明、阿部寛、水谷豊…人気と実力を兼ね備えた主演俳優たちが、それぞれどんな変人ヒーロー像を見せるのか? 同時期にそろい踏みしたことで、われわれ視聴者には見比べる楽しみが生まれました。もちろん、痛快な事件解決劇を満喫するもよし、あれこれ推理して犯人やトリックを当てるもよし。この秋は刑事・事件ドラマを存分に楽しんでみてはいかがでしょうか。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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