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〜Vol.5〜 2020年の東京大会へ向けて、スポーツで世界とつながるということ。

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2016年の今年はリオで。そして2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。スポーツを通して、国ができること、そして、スポーツが人々にもたらすチカラを外務省の栗原圭介さんに聞きました。

外務省なのに、スポーツ事業?スポーツから始まる異文化交流。

私が所属しているのは外務省人物交流室という部署で、その名のとおり、外国の要人から青少年まで日本人と外国人の様々な交流事業を担当しています。スポーツに関する交流も重要な柱の一つです。「外務省がスポーツ事業をやっている」と聞くと意外かもしれません。確かに、外交の分野でスポーツがクローズアップされてきたのはここ数年のことですが、私はスポーツを通じた外交には大きな可能性があると思っています。 一番即効性があるのが、初対面の人同士を打ち解けさせる「世界共通語」としてのスポーツの役割です。一定のルールをもとに身体を動かし、自分の意思を伝えながら、共通の体験をする。そうすることで、国や言葉が違っていても、同じ競技を通して一気に距離が縮まったりします。私自身、20年以上サッカーを続けてきて、初めて飛び込んだ外国の環境でサッカーを通じて外国の方と打ち解けることが多くありました。さらに柔道や剣道などはスポーツという側面もありながら、礼をしてから試合を開始するというような日本の精神をも伝えられるもの。スポーツを通して日本を知り、そして日本のファンになってもらう。それも、スポーツ交流の大切な役割です。

日本が持っている「スポーツ技術」を、途上国へ。2020年までに1000万人以上をサポート予定。

【スポーツ外交推進事業によるブータンへの柔道指導者派遣】

スポーツ・フォー・トゥモロー(SPORT FOR TOMORROW、SFT)という活動をご存知でしょうか?これは、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会までに、スポーツを通してよりよい未来を作ろうという日本の国際貢献事業。外務省単体ではなく、官民が協働して行っている事業です。外務省の担当は主にスポーツを通じた国際協力及び交流。2014~2020年の7年間で、開発途上国を始めとする100ヶ国以上の国において、1000万人以上の人々にスポーツの価値を伝えるという目標を掲げています。具体的には、日本の指導者や選手を派遣、もしくは海外の選手を呼んで日本のトレーニング方法を伝えたり、スポーツの道具や器材を海外に送ったりしています。今年の初めには、ベトナムのパラリンピックの水泳選手を日本に呼びました。ベトナムではまだ設備が揃っていないため、それまで選手たちは川で練習することもあったそうなので、日本の進んだ設備を使うことに感動している様子でした。相手の役に立ちながら、こんな風に日本を伝えられ、さらには好きになってもらう。これが、SFTの役割だと思っています。

柔道着の送り先は、スラム街。スポーツが教えてくれるのは、勝ち負けだけじゃない。

【フランス留学中も、勉強の合間に学校の仲間たちとサッカー。】

SFTの活動では開発途上国の青少年も重要な対象です。この間はブラジルのファベーラという貧困層があつまるエリアに、柔道着や畳、サッカーシューズなどを贈りました。もしかしたら非行に走ってしまったかも知れない青年たちがスポーツする機会を作ることで、何かに懸命に取り組むやりがい、スポーツマンシップや武道独自の礼儀などを伝えられるかもしれない。こうした一人の人生への、ひいては社会全体への長期的な影響が、スポーツを通じた外交の長期的な価値になると信じています。SFTの活動で2014年1月から2016年3月の間での支援対象国・地域数は187か国、対象になったのは1,096,000人。この積み重ねの集大成として、4年後の東京大会につなげていきたいと考えています。

2020年、東京はパラリンピックを2回行う初めての都市に。だからこそ、できること。

今回のリオ大会では、外務省として日本人が安全に渡航できるように様々な安全情報を提供し、現地で被害に遭われた方等にサポートをした他、ブラジル政府や警察にお願いして安全の確保に尽力しました。2020年の東京大会では、日本が世界の人々をお迎えする立場。特にパラリンピックの開催に向けて、高齢化社会に突き進む日本だからこそ、徹底したバリアフリー化ができるはず。東京は、次回の大会で一つの都市で2回目のパラリンピックを迎える初めての都市になります。海外に先駆けて、日本のおもてなしが伝えられるようなオリンピック・パラリンピック大会にしたいと思っています。

栗原さんの受験必勝法

受験勉強でやっていてよかった、と思うことを2点紹介します。1つは、復習を大切にすること。試験本番にすばやく問題が解けるように、復習を繰り返すことですぐにアウトプットが出来るようにしていました。もう1つは、「捨て科目」を作らないこと。試験本番に得意だった国語が散々な結果になってしまい、その代わり苦手な数学に救われたことがあります。

高校生のみなさんへ

その国の言葉を理解できると、分かることが飛躍的に増えていきます。私は小・中学生の頃と外務省に入ってからと、2回フランスに住む機会がありました。小・中学生の頃は、フランス語がまったく話せず、フランス人の友だちと意思疎通が取れないことも多くて、ツライこともありました。しかし、2回目のフランスへは語学を学ぶために留学したため、私の知っていたフランスとはまったく違う姿が見えてきたのです。様々な人と喋ることができ、たくさんの経験ができました。出会った人の家に泊めてもらったり、小旅行をするなんてこともありました。フランス語でやりとりすることによって、文化や価値観の違いをしっかりと理解でき、日本という国がどう思われているかも分かる良い体験ができたと思います。

26冊目になる単語帳

私の勉強方法はいまも変わらず「復習」重視です。これは少し大きめですが、単語帳です。4年前から初めて26冊目になりました。今でもフランス語の通訳をすることがあるので、知らない単語や構文に出会う度にこまめに作っていきます。まずは書いて覚えて、次に電車の中などで見なおしたりしています。語学の覚え方は皆それぞれ違っていて、スッと覚えられる人も多いのですが、私は地道に覚えていくタイプです。(笑) プロフィール

栗原圭介

外務省 大臣官房人物交流室

2010年外務省入省

大学で国際法や地方分権を学んだ後、外交官を目指す。学生時代には、ケニアの貧困地域でのNGO活動、日本での政治・農業インターン等に従事。国際協力局勤務ののち、フランスの公務員養成学校で学ぶ。フランス大使館を経て、現在は、大臣官房人物交流室に所属。大好きなサッカーは幼稚園から現在まで続けている。

バックナンバー 〜Vol.1〜 世界の現状って、どうなっているんだろう? 〜Vol.2〜 G7伊勢志摩サミットの裏側を覗いてみよう。 〜Vol.3〜 いま一番、困っている人を支援する、人道支援の仕事。 〜Vol.4〜 日本と巨大なアフリカが話し合う、アフリカ開発会議(TICAD)とは。

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