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マンガ『ブラックジャックによろしく』に学ぶ、「正論」で終わらせないために必要なこと――大事なことは全部マンガが教えてくれた

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突然ですが、「マンガ」のあるシーン・ある言葉に、ハッと気づきを与えられたこと、勇気づけられたこと、ありますか?

普通に仕事をしているだけではなかなか気づくことのできなかった考え方など、「マンガから学べた!」ってこと、あると思います。そんな仕事に人生にジンジン効いてくるマンガの1フレーズを、編集部の独断と偏見で選定、解説までしてしまうこのコーナー。

今回は、大学病院に研修医として働く主人公を中心に描かれるマンガ『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰)より、「正論」で終わらせないために必要なことをご紹介します。

「正しい」だけで満足していないか

間違っていることを正そうとすることは、とても大切な事です。しかし間違っていることはわかっていても、やむを得ずそうしているケースも数多く存在します。その時にただ「正しいこと」だけを述べていても、何の解決にもなりません。

そんなことを教えてくれる1フレーズがこちら!

“正しいって事で自己満足しても何も変わらねえ……”

研修医である斉藤に、所属する大学病院から支払われる月給は3万8千円。そこで生活費を稼ぐため、他の病院で当直のアルバイトをすることに。

次から次へ運ばれてくる患者の治療に、たった一人の当直の医師が治療に当たる、まさに戦場のような医療現場。その理由が「救急車の受け入れを拒否しない」ことにあると考えた斉藤は、「素晴らしい病院ですね」と先輩医師の牛田に言いますが、牛田は「素人みてーな事言ってんじゃねーよ」と斉藤の思いをバッサリと否定し、背景にある事実を伝え始めます。

日本の診療行為は点数制になっていて、1律1点10円の計算で、点数の合計が医療保険から医者に支払われる制度になっています。しかし交通事故の場合は治療費は医療保険ではなく自動車損害賠償保険から支払われるため、1点の単価を医者(病院)が決めることができます。

斉藤がアルバイトをしている病院が受け入れていたのは、交通事故の患者のみ。1点単価40円という、通常の治療費の4倍の金額で治療を行っていたのでした。

たった一晩のアルバイトで8万円という、研修医としての月給の2倍以上を稼いだ斉藤。果たしてその行為が正しいのか、と思い悩みながらも、アルバイトを続けることに。

その夜、斉藤はたった一人で当直に臨んでいました。夜間の病院に、研修医ただ一人。そこに飛び込んできたのは、斉藤が経験したこともないような大手術を必要とする、重症の交通事故患者でした。

とても自分だけでは対応できない。そう感じた斉藤は院長や先輩の牛田に助けを求めようとしますが、電話がつながりません。

「どうすりゃいいんだ……?このままでは死んでしまう……」

そう思いながらも、自分には無理だ、と部屋に閉じこもって手術室へ向かうことができません。そこへ婦長から連絡をもらった院長が駆けつけ、すぐに手術に取り掛かることになりました。

手術後、部屋の隅でうずくまる斉藤に「なぜオペをしなかった?」と院長が迫ります。失敗したら殺人だから、といった斉藤に、何もしないよりはマシだ、と答える院長。

違う!!夜中に僕みたいな研修医を一人しか置かない病院が悪いんだ!!

医者が足りないなら救急車なんて受け入れなきゃいいんだ!!

院長はお金が欲しいだけじゃないですか!!

そう叫んだ斉藤に院長はこう返します。

で?

人の命を救うんだ……

金をふんだくって何が悪い?

そもそもオレが金をとる事とお前がオペをしなかった事に何の関係がある?

(中略)

必ずオペはしろ……

聞こえのいい正論を口にするな

翌日、まだ落ち込んでいる様子の斉藤を見て、先輩医師の牛田が声をかけます。

昔さ……オレもかみついた事があるんだよ……

あんたのやり方は間違ってる……

医療は金もうけの道具じゃない……って院長にな……

今でも正しくないと思っている……

だけどよ……

正しいって事で自己満足しても何も変わらねえ……

あの人は命を救い続けている……

それは事実なんだ……


問題解決の時間軸を合わせる

医師が足りないなら救急車を受け入れるな、という意見は、とても正しい意見です。しかし、患者に対して医師が足りないという現実を前に、「医師の人数を増やす」というのは、あまりに長期的な話であり、目の前の困難を打破することはできません。院長のやり方が正しいかどうかは別にして、「正しいこと」だけを述べていても事態は変わらないのです

問題解決にあたって「本来であれば正しいこと」を議論することは大切です。しかし今目の前にある課題の解決には、とても間に合わないような打ち手を述べても、それは「正論」や「理想論」で終わってしまうのです。解決策を議論する際には「いつまでに解決しなければいけない問題なのか」を意識することが、正論で終わってしまうことを回避する大切なポイントです。

否定するならば代替案とセットで

もし問題を解決するまでに時間的な猶予が十分にあるのであれば、誰かが出した案に対して「正しくない」と否定することもよいでしょう。しかし、目の前の課題を解決しようとしている際には「ただ否定するだけ」の意見には価値がありません

理想的ではないとわかっていても、時間的にこのアクションしかないのでは、と考えて出された案であれば、指摘できる点があるのは当然です。そこを否定していても問題は解決しないのです。短期的な問題解決方法を議論する際、誰かの意見を否定するならば必ず「代替策」を提示しなければいけません

時間的に余裕のない中で問題解決にあたるシーンは、多くのビジネスパーソンにとって避けては通れない場面。その際に「正論」で終わることのないよう、上記を意識してみてはいかがでしょうか。

>>『大事なことは全部マンガが教えてくれた』シリーズ

監修:リクナビネクストジャーナル編集部

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