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ごはんの上に饅頭を載せ煎茶をかける…森鷗外の意外な好物とは?

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 日本を代表する文豪・森鷗外の長女、森茉莉。『父の帽子』『甘い蜜の部屋』『贅沢貧乏』などの著作でも知られる森茉莉ですが、美味しい料理を想い浮かべると忽ち愉快になる、あるいは美味しいものでごはんを食べないと小説がうまくいかない、というほどのグルメ家でもあったといいます。

 本書『紅茶と薔薇の日々』では、森茉莉が食について綴った53作もの文章を収録。そのなかには、父である森鷗外との食にまつわる思い出も綴られています。

「私の父の好きだったたべものというと、先ず野菜の料理である」(本書より)と記す森茉莉によれば、鷗外は焼茄子、南瓜の煮たもの、白瓜、茄子の糖味噌漬け、ふろふき大根、茹でたじゃがいもを輪切りにして醤油をかけたもの、さらにはロオルキャベツ、じゃがいもと人参、玉葱を茹でて牛肉を加えよく煮たもの、固茹で卵の細かく刻んだものを混ぜた野菜サラダ、いろいろな野菜に牛肉を入れたスープなどが好きだったそう。

 また本郷3丁目の青木堂に売っていたという厚い大きな板チョコレートを削り、熱い牛乳で溶いたものを大きな白いカップで飲みながら、ドイツ語の本を読んでいた姿が印象的だったといいます。

「父が白い縮の、軍医の襯衣に、同じく縮みの洋袴下を履いて、畳の上に肘を突いてうずくまるように座り、白くて部厚いカップでチョコレエトを少し宛、飲んでいる姿が、私の目に懐しく、残っている」(本書より)

 鷗外は飲み物にして、茉莉はそのまま齧るという、チョコレート好きな親子だったのだそうです。

 そんななか、父の好きなものですごく変なものがある、と述べるのは、ごはんの上に饅頭を載せ、上から煎茶をかけるというもの。

「葬式まんじゅうを貰うとそれを一口位に切り、ごはんの上に載せ、上から煎茶をかけて、お茶漬にしてたべるのである。これは、小さい時は真似てよくやったが、今ではたべられない。これを話すと誰も驚いて、笑い出すが、これは父の変ったたべものである。どういうわけか、このへんなお茶漬は葬式まんじゅうがある時にかぎられていた」(本書より)

 父・鷗外との食を巡る思い出、そして茉莉自身の食へのこだわり。思わず味わってみたくなるような料理のレシピの数々も紹介されているので、気になる方は是非実際に作ってみてはいかがでしょうか。

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