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名作インディーRPG『Undertale』は、「モンスターを倒す」ことの意味を問い掛ける

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今回紹介する『Undertale』は、Toby Fox氏率いるチームにより制作された海外RPGであり、2015年9月15日に公式サイト、およびSteamにて販売された。Steamでは、現在で60000件近いレビューが寄せられ、好評率はユーザー評価で96%以上という、非常に高い人気を得ているゲームだ。公式による日本語バージョンや、ハードモード実装も予定されており、Toby Fox氏の今後の動きにも注目したい。
 

 
それでは早速、紹介していきたい・・・と書きたいところなのだが、未プレイでこのゲームがとても気になっているという方は、この記事を閉じる勢いで、事前情報を頭に入れないでのプレイを強くお勧めしたい。筆者は当初、何も知らないまま本作の世界を旅していたのだが、そこに広がっていたのは、圧倒的な存在感を放つ2Dドットキャラクター達、ゲームならではの心踊る演出や音楽・・・など、まさしく至高のゲーム体験となった。

本記事は、未プレイの方へ向けた内容となっており、少しでも『Undertale』に興味を持っていただければ、これ以上のことはない。それでは、あらためて紹介していこう。

地下世界で繰り広げられるモンスター達との物語


どこか懐かしさを漂わせる、ドットグラフィックとサウンドが味わい深いオープニング画面。
 
かつて地球では人間とモンスターが共存しており、ある日、互いに衝突して戦争が起きてしまう。長い戦いの後に人間側が勝利して、モンスター達を魔法により地底へと封印する。
 

 
物語の舞台は、それから長い時を経た201X年。主人公となる子供は、とある山に登っていたが、この山には「登った者は二度と帰ることができない」という言い伝えがあった。
 

 
うっかり穴に落ちてしまった子供は、モンスター達が生息する地下世界へ入り込むことになる。
 

最初に出会うキャラクター、Flowey(フラウィー)。モンスター達に出会ったときの画面について、優しく教えてくれる。
 
白い四角の枠の中で、主人公の心を表すSOUL(ハート型の自機)を上下左右自由に動かし、シューティングゲームのようにモンスター達による攻撃を避けていくことになる。まずはハートの操作に慣れていこう。モンスター達を倒してEXPを獲得していくとLVが上がり、HPが増えてだんだんとハートが強くなっていく。
 
LVを上げれば戦闘が楽になる」、これは当たり前のことかもしれない。しかし、これがストーリーに大きく関わることになる。
 

 
簡単なチュートリアルが終わる。友情のかけらを落とし、主人公のLVを上げようとしてくれるFlowey。さぁ、ハートを動かしてゲットしよう!

バトルは、多彩なギミックのオンパレード


 
「コマンドバトル」(バトル画面で、戦う・スキル・アイテム・逃げる、などのコマンドを選択するタイプのもの)と「アクションバトル」が融合するとどうなるだろう?
 
本作の戦闘については、ターン制コマンドバトル形式にシューティングゲーム要素が組み込まれた、独特なバトルシステムとなっている。

モンスター達による攻撃のタイプは、シューティングでおなじみの弾丸だけではなく、剣であったり、音符であったり、涙であったり、自ら体当たりしてきたりと、どれもモンスターの個性が強く出ている。次々と繰り出される攻撃を気合で回避していく場面も出てくるが、「攻略法を考えて避けていく」面白さもあり、初めて目にする技を一瞬のひらめきで避けたときは快感だ。


ビジュアル的にも楽しませてくれる
 
戦闘画面について詳しく紹介していこう。
コマンドは主に4つあり、FIGHT、ACT、ITEM、MERCYがある。
 
FIGHTでは、モンスターに攻撃してダメージを与える。アクションミニゲーム的要素があり、決定ボタンを押すタイミングにより威力が変わる。モンスターのHPがギリギリ残ると好都合のときもあり、ボタンを押すタイミングを考えてダメージ調整を行うこともできる。
 
ACTでは、モンスターの能力値を調べたり、特定の行動(励ましたり、慰めたり、威嚇したり、ナンパしたりなど)を起こすことができる。この行動により、相手の攻撃が緩やかになったり、激しくなったりすることもある。モンスターの特徴をつかみ、「こんな行動をとれば、相手は戦意を失ってくれるのでは」といった想像を膨らませながら、バトルを展開していく楽しさがあるのだ。このACTと後述するMERCYは、このゲームにおいて重要なコマンドとなる。

ITEMでは、HP回復アイテムなどを使用することができる。戦闘はターン制となっているため、アイテムを使用すると自分のターンが終わってしまい、再びモンスターによる攻撃が始まってしまう。アイテムをなるべく使わずに、攻撃を上手く回避しつつ、手を打っていかなければならない。攻撃をすべて回避すれば、初期LVでも無傷で戦闘を終わらせることも可能だ。

MERCYを選択すると、さらにSpareFleeというコマンドに分かれる。
 
Spareは、ACTにてモンスターとやりとりした後に、見逃すことにより戦闘を終わらせることができる。
 
モンスター達は倒してもいいし、説得をして倒さなくてもいいのだ。これが本作の大きな特徴となる。敵とみなすか、友達になりたいと思うか。それは自由なのだ。
 
Fleeでは、自らバトルから逃げることができる。ときには、こちらが「頼むから見逃してほしい!」とさえ思ってしまうような強敵も・・・?


モンスター特有の技がミックスされて、同時攻撃となることもある。

モンスター達を見逃して平和的にバトルを終わらせると、LV上げに必要なEXPを獲得できず、資金しかもらえない。LVが低いままだと、終盤で苦境に立たされることもあるだろう。戦わずにみんなと仲良くなるのは、決して簡単な道のりではない。こういったゲームバランスにより、「モンスター達と仲良くなる」ことの意味を身にしみて感じることができるだろう。
 
モンスター達の技も実にバリエーションに富んでいて、これはぜひとも自ら体感してほしい。いくつかの戦闘では、プレイヤーの意表をつくアッと驚く仕掛けが用意されている。

”愛されている”としか言いようがない登場キャラクター達

現在でも、『Undertale』の二次創作キャライラストは、ネット上にて多数投稿されている。バトルを繰り広げていくモンスター達も含め、徹底された細かい動きが目立つなど、ゲームに登場する全キャラクターが命を吹き込まれているかのようだ。
 

メインキャラクター以外でも、1体1体しっかりと描かれているモンスター達。
 

武器やアイテムショップがいくつかあるが、どの店もこだわり(ドットグラフィックや店内での会話など)がとても強く、冒険がより楽しくなることだろう。
  
なお、本作では武器や防具を含む「アイテム」も大切な存在となっている。想いが込められたオーダーメイドのようなアイテムばかりだ。演出として、予想外のトリックが仕掛けられていることも・・・?

それでは、物語を盛り上げていくメインキャラクター達を詳しく紹介していきたい・・・となるところなのだが、あえて紹介は省かせていただく。ありとあらゆるキャラクター達との初めての接触(ファーストコンタクト)を大事にしながら、どうか物語の結末を見届けてほしい。

キャラクターが放つセリフや、物語上での振る舞いがユーモア溢れていたりなど、単純に登場キャラとして魅力的であるのだが、『Undertale』の世界ではそれだけではない。ACTやMERCYを駆使したり、今まで見たことのないようなシューティング風のバトルを繰り広げたキャラクター(モンスター)達には、思い入れが強くなることだろう。

モンスターに対して、こちらはACTなどにてアクションを起こす。そうすると、相手の攻撃に緩急がついたり、奇妙な技になったりなど、バトルを通してモンスターの感情が手に取るように伝わってくるのだ。言葉以外の方法でも、モンスター達と語り合うことができる。

Toby Fox氏の才能はゲームミュージックにも発揮される

本作にて流れている音楽は、すべてゲーム制作者であるToby Fox氏が手掛けたものであり、非常に高い人気を得ている。ファンによるリミックスやアレンジとなる曲も多く作られ、筆者も本作をプレイしてから毎日欠かさずサントラを聴いているほどだ。このゲーム音楽も、『Undertale』の中では大きな存在となっている。

ゲーム序盤は、昔懐かしいファミコン音源のようなピコピコサウンドが目立ち、ドットグラフィックと相まって「なるほど、レトロゲーム風の音楽が特徴なのか」と思うかもしれない。それは合っているのだが、それだけではないのだ。

ゲームプレイ中、とあるキャラクターや場所などをテーマとしたメロディーが、姿を変えながら繰り返し現れることに気付くだろう(これらのメロディーは、オペラなどでライトモティーフと呼ばれる)。様々な場面で「この旋律、どこかで聴いたことがあるような?」と、プレイヤーの想像を掻き立てるのだ。

特にゲーム終盤では、ファミコンの8bit音源のような「昔風」と、ピアノ・ギター・シンセサイザーなどが使用された「今風」の音が絶妙に絡み合うBGMも用意されており、ライトモティーフも徹底して駆使されていて、音楽においても存分にストーリー性を味わうことができるだろう。

まずは思いのままにこの世界を冒険しよう

さて、紹介も終わりに近づいてきた。ここまで登場キャラクターや冒険のワンシーンなどについて全く触れてこなかったのは、未プレイの方へ向けて『Undertale』の魅力をこの上なく堪能してほしいからである。とにかく、ゲームに登場するありとあらゆるものを初めて目にしたときのインパクトが強いのだ。

「海外のRPGで遊んだことないのだけれど、大丈夫かな?」という心配はご無用だ。本作は、任天堂から発売された『MOTHER』シリーズなど、日本のレトロRPGに影響を受けた作風となっており、言語の壁によって遊ぶのをためらってしまう、というのはもったいない。

一度訪れた場所に行くと新しい発見があったり、周回プレイ時にセリフが変わったりなど、様々な隠し要素・やりこみ要素がたっぷり詰め込まれている。これには、作者の執念の作り込みを感じさせられた。
筆者は57時間ほど遊んだが、「イベントや隠し要素は半分も見つけていないのでは・・・?」とさえ思うほどだ。まるでゲームと会話しているかのように、『Undertale』は力いっぱいこちらに語りかけ、そしてプレイヤーが取った行動に対して丁寧に、とことん反応を返してくれる。「こんな場所があったのか!」などと、自らの手でゲームを楽しんでほしい。

例えるなら、それはマジックだ。Toby Fox氏がマジシャンだとするならば、初めて出会うキャラクターや音楽と共に、あっと驚く演出に心を躍らせ、ときには感傷に浸ったりなど、プレイヤーにとって最高のショーとなりますように。

[基本情報]
タイトル:Undertale
制作者:Toby Fox
クリア時間:1プレイ5時間程度、ぜひとも辿り着いてほしいとあるエンディングまで8時間程度
対応OS:Windows,Mac OS X
価格:980円($9.99)

ダウンロードはこちらから
【公式サイト】http://undertale.com/
【Steam】http://store.steampowered.com/app/391540/?l=japanese

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