長崎県人御用達! 正統派「長崎ちゃんぽん」のお店 in福岡

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長崎ちゃんぽん」と福岡のちゃんぽんの違い

名前は同じでも、地方によって内容が異なる料理はゴマンとあるでしょう?

例えば福岡人にとってラーメンといえば白濁豚骨スープに細いストレート麺ですが、東京でラーメンを注文すると真っ黒い醤油スープに太いちぢれ麺が出てきて、「こがんとはラーメンじゃなか!」と怒り出します。

さすがに最近は、福岡でも全国各地の本場の料理を食べられるようになって、そんなことも少なくなってきました。しかし、同じ九州であるにもかかわらず、福岡と長崎のちゃんぽんの違いも、僕のような長崎出身福岡在住者にとっては目をつぶり難いものがあるのです。

長崎県人が集うお店

そんな僕にとって、福岡で安心して長崎ちゃんぽんを食べられる数少ないお店の一つが、西新5丁目にある「あっちゃん亭」。表の看板では「あっ、ちゃんぽん!」で「あっちゃん亭」ということのように思われがちですが、実際には先代のオヤジさんの名前が篤(あつし)で「あっちゃん亭」です。

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西新〜藤崎に続く商店街の一つ、中西商店街の路地にお店はあります。

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この路地を明治通り側に進んだところ。

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なんとも主張の強いテントの宣伝文句。

「長崎のおやじが作る 本場・新地中華街の味」というキャッチフレーズの通り、オヤジさんは長崎・新地中華街の中華料理店出身で、福岡の長崎県人会の役員も務めていたという、紛うことなき長崎県人御用達のお店。

現在、オヤジさんは長崎に凱旋して、長崎で“長崎のおやじが作る長崎ちゃんぽん・長崎皿うどんの店「あっちゃん亭」長崎店”をやっていて、福岡の“本店”は息子の秀一さんに任せています。

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「表は先代の時の宣伝文句なんで、代替わりしてちょっと『おやじ』のイメージじゃなくなってるんですが」と笑う二代目店主・永江秀一さん。

秀一さん自身が長崎に住んでいたのは幼い頃のわずかな期間ですが、「長崎の味」は小さい頃からのオヤジさん仕込み。代替わりして二代目が個性を主張して味が変わった、なんてことはよくある話ですが、「地元(長崎)のお客さんが多いので、お店の味を守っています」と秀一さん。とはいえ、鶏ガラと豚骨のブレンドだったスープを鶏ガラ100%にしたり、夏季限定の冷やしメニューを開発したりと、基本は変えずに自分なりの工夫を加えているそう。

「スープの取り方は父も長崎のお店で採用してくれています」と秀一さんは笑います。

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表の柱には「長崎県人会会員連絡所」の木の看板が。

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店内はこんな雰囲気です。

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手書きの長崎弁ポスター? まるでリトル長崎といった雰囲気だ。

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ちゃんぽん・皿うどん専門店ながら、これだけメニューがあるのも珍しい。

いざ、注文

自慢のちゃんぽんは並が780円。麺が200gで野菜もたっぷりなので、結構なボリュームです。女性や少食の人、ごはんものも一緒に食べたいという人には麺100gの小ちゃんぽん680円がおすすめかも。逆に大食いの人には麺400gの大ちゃんぽん980円というのもあります。

「あっちゃん亭」のちゃんぽんが「長崎の味」なのは、海鮮が入っているからだけではありません。蒲鉾のように見えるのは、長崎直送の長崎はんぺん(まあ、蒲鉾の一種で「かんぼこ」と呼んでたりもしますが)で、これもスープに味と甘味を加えます。大量のキャベツも甘味を出します。麺は普通のかんすい入りちゃんぽん麺ですが、別茹でするのではなく具材とともにスープで煮るので、プリプリの食感で具材のうま味が染み込んでいるのです。

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彩りを添えるのは「長崎はんぺん」と呼ばれる長崎のかんぼこ(蒲鉾)。長崎から取り寄せている。

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「長崎ちゃんぽん」は麺を別茹でせずに、具材とともにスープで煮込む。

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彩りの豊かさ、食感のバラエティ、スープの味の深み。これでこそ「長崎ちゃんぽん」なり!

様々な具材の食感、うま味、麺のもちもち感、さっぱり味ながら深みのあるスープ、これらがトータルで「あっちゃん亭」の「長崎ちゃんぽん」のうまさを生み出しているのです。ああ、たまらん……。

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エビ・イカ・アサリの海鮮三銃士に、長崎はんぺん、甘味を出すためにキャベツはたっぷり。

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プリプリの麺にはスープのうま味がしっかり染み込んでいる。

皿うどんは本場仕様の3種類

ちゃんぽんのことばかり書いてしまいましたが、もう一つの柱・皿うどんは、長崎ではポピュラーな細い揚げ麺にあんかけの「バリ麺」、揚げ麺がちゃんぽん麺に代わった「太麺」、皿うどんのもともとのスタイルといわれる焼きちゃんぽん風の「新地太麺」の3種類。これも福岡ではなかなか本格的なものが食べられないだけに、とても貴重です。

これら正当な長崎ちゃんぽん・皿うどんだけでも十分だと思うんですが、「あっちゃん亭」では「カレーちゃんぽん」、「みそちゃんぽん」といった変化球も出しています。ただ、西新までそうそう頻繁に行ける訳でもないので、行くときはやはりオーソドックスなちゃんぽんか皿うどんを注文してしまうんですね。

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皿うどんはバリ麺、太麺、新地太麺の3種類で各800円(小700円)。途中、ウスターソースをかけて味の変化を楽しむのが長崎流だ。

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カレーちゃんぽん、みそちゃんぽん(各900円、小800円)といった変わり種も30年以上前からある人気メニュー。

そもそもちゃんぽんといえば、明治時代に長崎の華僑によって作られた長崎生まれの中華料理。豚肉とたっぷりの野菜に加え、長崎ならではの海鮮(イカ・エビ・アサリ)や魚肉の練り物(長崎ハンペン)がふんだんに入り、鶏ガラや豚骨のスープに具材のうま味が溶け出して深い味わいとなっているのが特徴です。

福岡にきたら、ぜひあっちゃん亭の正統派「長崎ちゃんぽん」を召し上がってみてください。

お店情報

あっちゃん亭

住所:福岡県福岡市早良区西新5-1-23

電話番号:092-851-7277

営業時間:11:00~16:00(LO 15:40)/17:30~22:00(LO 21:40)

定休日:日曜日、第3月曜日

Facebook:https://www.facebook.com/acchanpon/

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:兵土 G. 剛

兵土 G. 剛

福岡のタウン情報誌の編集部に15年勤めた後、フリーライターに。食うの好き、飲むの好き、きれいな女の人好き。マメさなし、根性なしの偏屈じじぃ。 Twitter:G(じぃ)@taul_nakataney

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