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イライラ、頭痛、肌荒れ…PMSの症状に振り回されないためには?

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生理前になると「なんとなくイライラする」「だるくてやる気が起きない」「頭が痛い」…など、体調不良になって、いつも通りに過ごせなくなることがありますよね。それは「PMS(月経前症候群)」と呼ばれる、生理前特有の不快症状なんです。

そんな、女性特有の不快症状に振り回されない体を手に入れるため、PMSに対する正しい知識と今すぐ始められる緩和策を、婦人科医・海老根真由美先生にうかがいました。

女性ホルモンの働きとPMSとの関わり

まずは、「PMS」がどういったものなのか、詳しく聞いてみました。

「PMSとは、『月経前症候群』という、生理が始まる約3~10日ほど前に見られる体の不調・不快感のこと。実は完全な原因の解明には至っていないのですが、排卵後に女性ホルモンの一種である“卵胞ホルモン(エストロゲン)と“黄体ホルモン(プロゲステロン)”が体内で増幅することが、おもな原因だと考えられています。これらホルモンの増加は女性が赤ちゃんを産むために必要な体の仕組みなんです」(海老根先生・以下同)

女性ホルモンが関係しているんですね。では具体的に、ホルモンがどんな働きをするの?

「エストロゲンは子宮内膜を厚くして赤ちゃんが着床しやすい環境を作ります。プロゲステロンは、つわりに備えて水分を体に貯めこんだり、食欲を増進させて栄養を体内に蓄えたり、体温を高く保って赤ちゃんを維持したり…と、体が妊娠する準備に入る状態を作り出します。妊娠後期にエストロゲンは黄体期の最大400倍、プロゲステロンは最大20倍近くまで増加することを考えると、ホルモン増加でPMSの症状で悩ませられる期間は“プレ妊娠”のような時期であるとも言えます。出産のためには大切な体の変化ですが、日常生活において一定の自分のペースを維持したい女性にとっては、PMSも生理同様、不自由さを感じてしまうんです」

排卵後にエストロゲンとプロゲステロンは増加し始め、黄体期を経て、生理開始前までに減少していきます

ライフスタイルの変化とPMS

近年よくメディアでも取り上げられるようになったPMSの問題ですが、PMSの悩みには現代女性のライフスタイルの変化が関係しているそう。

「女性は出産すると、授乳方法にもよりますが、妊娠と授乳を含めて約1年半~2年の生理空白期があります。昔は子だくさんでしたから、3人産めば最長で約6年間の無生理期間ができていました。出産を終えた体が元の状態に戻るころに次の妊娠が来れば、PMSの症状で日常生活が苦しいという期間はほとんどありません。仮に20代~30代にかけて6年間生理がないとしたら、その先は閉経のサイクルに入っていくので、体には別の変化が起き始めます」

しかし今の女性は、妊娠・授乳をすること自体が減ってきました。

「そうですね。現代女性の生き方の選択肢が増えて、初産年齢の上昇や出生率の低下を招いたことと、PMSの症状を感じやすくなったことは、大いに関係があると言えるでしょう。逆に言えば、子宮はホルモンバランスを整えて妊娠に万全な状態を作っているのに、妊娠しない期間が長すぎるんです。そのせいで、不快症状だけをすごくリアルに感じるようになってしまったとも言えます」

PMS悪化の原因は、生活の中に潜んでいた!

PMSのおもな症状は、体と精神面に現れ(上の図参照)、その症状の重さの度合いは人それぞれと言われています。海老根先生によると「体に出る症状の多くは、エストロゲンの作用によって体に水を蓄える“うっ血状態”と深く関係している場合が多い」そう。ただ、実際にPMSの問題を抱えてクリニックを訪れる患者さんの多くは、メンタルの悩みを抱えているのだとか。

「メンタル面での症状が重いと、“仕事に行けない”、“家から出られない”など社会生活に支障が出たり、限界まで我慢すると“生きることが辛くなる”状態になってしまうケースも出てきてしまいます。そのような場合は、抗うつ剤などを用いた治療で症状と向き合う必要があります」

そこまで追い込まれてしまうこともあるんですね。PMSの症状は30代がもっとも重いとも言われているようですが?

「個人差はあると思いますが、30代になって体の変化に追いつけないことが、そのように言われる理由のひとつではないでしょうか。10代は血管の拡張機能が上手く働いて血液循環が上手くいく。20代はPMSの症状が出ていても、順応性が高いので多少の無理もカバーが効く。しかし、そういった無理はずっとは続けていられないんです。また、大半の女性は“生理=耐え忍ばなければいけないもの”という概念を持っているので、長年に渡ってPMSの不快感や痛みを我慢し続けた結果、それが重い症状となって30代を迎えた体に出てきてしまうことも一因だと思います」

とはいえ、やはり「生理前の頭痛やイライラ感だけで、病院に行ってもいいのかな?」と、二の足を踏んでしまう女性は少なくないはず。

「医者は患者さんの悩みや症状を取り除くのが仕事なので、そこは気にしなくてよいですよ。PMSの症状に拍車をかけるのはストレスになります。PMS自体がストレスになって、そのせいで症状がさらに悪化してしまう前に、医師に相談して症状を取り除きましょう」

「我慢は解決にならない」ってことですね。

「それでも病院に行く決心がつかない場合は、まず自分のライフスタイルを振り返って、PMSに負荷をかけている原因(ストレス)がないか探してみてください。多くの女性は体に精神的・肉体的負担がかかりすぎると、生理にまつわる現象に体の不調が現れるもの。体を休めて健やかな状態に戻してあげることで解決するケースも多々あるんです。以前PMSで激しい頭痛を訴える患者さんがいらっしゃって、お話を聞いてみたところ、忙しくてほとんど睡眠が取れていないことがわかりました。なので、“たくさん寝ましょう”とアドバイスをしたのですが、それだけでPMSの症状が治ったんです。身近な原因ほど見落としがちなんですね。原因さえわかれば、自分で解決できることもたくさんあるんですよ」

今すぐ始められる“5つのPMS緩和策”

「PMSに振り回されなくなるためには、ストレスフリーの生活の中で体を健やかに保つこと、体を休ませることが大切です」と海老根先生は語ります。重要なキーワードは、「自分の健康度を上げるために、自分にどれだけ優しくなれるか」なのだそう。そこで先生に、私たちが穏やかな体を保つために今すぐ始められる“5つの方法”を提案していただきました。

①リラックスを五感で堪能する

・視覚→森林浴、海を見る、好きな風景を見る、天気の良い日には適度に日光浴をする

・聴覚→小川のせせらぎなどの自然の音や、心が安らぐお気に入りの音楽を聴く

・触覚→マッサージ、エステの施術を受ける

・嗅覚→花やハーブ、アロマなど好きなニオイを生活に取り入れる

・味覚→美味しい物を食べる、ハーブティーなどを飲む

「リラックスできる方法は人それぞれなので、自分の好きなものを組み合わせてリラックスできる、休むことができる環境を作りましょう。そして、大切なのはその中で“幸せ感に浸る”こと。現代の人は、その時間が足りなさすぎるのです。がんばること、我慢することを優先させがちな人は特に生きることのベースを“自分の幸せ”に持っていくように。まずはそこから初めてみて下さい!」

②30品目を取るの食生活を意識する

「サプリメントで手軽に栄養を補う方が増えていますが、実は過剰摂取による体への深刻な悪影響が出始めています。最近では、あるビタミン群の過剰摂取による自閉症児出生率が通常の4倍というデータが出ました。また体内に取り入れる一種の食品としての安全性を考えても、昔ながらの方法で食事から栄養をとるほうが体にとっては害と負担が少なく、特定成分の過剰接種も避けられます。日本が長寿大国なのは、本人の体に合った食生活を長く続けてきたから。原点に戻り、朝昼晩きちんとバランスよく食べる食生活に立ち返ってみましょう」

③しっかりと入浴&睡眠をとる

「体を温めて血液の循環を促すことが大切です。人間は心臓と、第二の心臓と言われる足の裏のポンプで血液に乗せた酸素や栄養を体中に届けています。お風呂で筋肉を柔らかくして血液が通る道を広げ、体のすみずみにまで栄養が行き届くようにしてあげましょう。また、日中に大半の酸素や栄養を消費しているのは手足の動き。そして6割のブドウ糖を消費するのは脳の動きです。それらを睡眠によって休ませることで、意識していない臓器に血液を回してあげることもとても大切です」

④体をほぐす・ゆるませる動きをとり入れる

「疲れていると筋肉は固くなりやすく、筋肉の収縮が強くなるほどPMSも強くなります。ですから体に負荷をかけるハードな運動ではなく、マッサージやティラピス、ヨガなど、筋肉をリラックスさせる・ゆるめる動きで筋肉をほぐすことを心がけてください。またPMSで気分が落ち込む人は、体を動かすことで幸せ物質“セロトニン”の分泌が誘発されます。ただし不規則な生活や日光に当たらない生活をしているとセロトニンの分泌量は減少しますので、自分の生活習慣も一緒に見直してくださいね」

⑤漢方を服用する

加味逍遥散(かみしょうようさん)

細身で神経質な人、イライラや落ち込みやすいPMSの症状がある人向け

・抑肝散(よくかんさん)

PMSでイライラしたり、不眠になりやすい人。普段から癇癪持ちな人向け

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

肩こり、腹痛、頭痛、冷え性などの症状で、水むくみしやすいポチャっとさん向け。

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

便秘症状が強く、気が張っている、一見強そうな人向け。

「生薬の摂取は東洋人に合っている療法だと思います。ただし、重要なのは“日本で市販されている日本の漢方薬の中から選ぶ”こと。製造方法や処方のわからない海外の漢方は、腎不全などを引き起こす可能性が高くとても危険です。また漢方は体質によって向き不向きがありますから、気分が悪くなったらすぐに使用をやめてください。“飲みやすい”、“味が好き”と感じるものは、体にも合っていることが多いです。最初は少量から飲み始めてみてください。自分に合っているものや使い分けが分からない場合は、漢方医に相談してみましょう」

“がんばる自分”を甘やかしてあげよう

海老根先生は、バリバリ仕事をがんばっている人・責任感が強い人ほどPMSに対して深い悩みを抱えているという印象を受けるそうです。

「皆さん、自分に厳しすぎるんです。ですからどうか、もう少し自分を甘やかしてあげてください。ついがんばりすぎてしまう方は、生理周期からPMSになる時期を把握して少しゆっくり生活できる準備をするなど、予防線を張っておくといいですね。そして、“PMSの症状が重くなる=体が悲鳴を上げ始めた要注意信号”ですので、その場合は早めに自分のライフスタイルを見直して、心と体を休ませてあげることが大切です。それでも明るい気持ちになれなかったり、体調不良に改善が見られなかったりしたら、我慢しすぎて自分を追いつめてしまう前に医師に相談してみください。それがきっと健やかな体でいられるための第一歩になるはずですよ」

毎回PMSを我慢してその場をやり過ごすのではなく、改善・解決に向けて、今できることをすぐに始めてみましょう!

<プロフィール>

海老根真由美

白金高輪 海老根ウィメンズクリニック 院長

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターで講師及び病棟医長を務めた後、2013年に『白金高輪 海老根ウィメンズクリニック』 を開業。自身が経験した、仕事、結婚、妊娠、出産、子育ての経験を生かし、1人1人のライフスタイルに合わせた診療を行っている。

白金高輪 海老根ウィメンズクリニック公式サイト

取材・文・イラスト/田中かおり

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