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【人事の挑戦】 ソフトバンクの「ユニバーサル採用」「No.1採用」「地方創生インターン」とは?

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ごりごり会社で勤労して得られる成長? それとも適度に働き余暇を楽しむ豊かな停滞? はたまたバランスがとれた中間地点に到達する過渡期が現在なのか・・・・・・10年後、20年後の会社と人材のあり方を、最前線で模索する人事・採用担当者の方々に、これからの採用と働き方のかたちを聞きます。

新卒一括にとらわれない新しい採用の取り組みが増えるなか、ソフトバンクは複数のユニークな採用方法を並行する方式を取る会社です。キーワードは「多様な人材を発見する多様な採用」

多様な人材を発見するには、企業の採用方式も多様な方がいい

・話し手プロフィール・・・小山亮(こやま・りょう) ソフトバンク株式会社、人事本部、採用・人材開発統括部

—御社にはいくつかの採用方式があって、特に「ユニバーサル採用」は一括採用との違いを打ち出されています。「ユニバーサル採用」の概要について教えてください。

小山:当社では2016年4月入社者から、新卒・既卒は不問、募集期間は通年、入社時に30歳未満であればどなたでも応募できる「ユニバーサル採用」を実施しています。

当社は300年成長し続ける会社を目指していますので、変化を楽しみながらチャレンジをし続ける人材が何よりも大切だと考えています。努力が楽しいと思える人、主体性を持って挑戦する人に加わって欲しいのです。個性ある大勢の多様な人が集まることで、新しいものが生まれ、会社はおもしろくなります。

そのためには、採用方式も多様である必要があり、その大方針として「ユニバーサル採用」を提唱しています。また、決められた時期に一括して行うよりも、必要な時に必要な人材を採用するというのが本来の採用のあるべき姿でもあると思っています。

—いわゆる第二新卒の応募も可能ですか?

小山:可能です。「ユニバーサル採用」には、まだ社会に出た経験がない新卒者・既卒者と同時に、他企業で就業経験のある既卒者も想定しています。あくまで応募条件は入社時の年齢が30歳未満ということだけです。

—通年募集ということは、学生であれば3年生の早い時期からエントリーしてもよいのでしょうか?

小山:実際に入社できる時期を考慮するため、採用選考は進めていませんが、当社では2週間または4週間で実施する「就活インターン」を実施していますので、そちらで受け入れています。

自分のNo. 1の実績をアピールする「No.1採用」、2016年に新設した「地方創生インターン」

—「ユニバーサル採用」に取り組むなかで、具体的にはどのような採用方法があるのか教えてください。

小山:具体的には、通常採用以外に何かの分野でナンバー1を取った経験があるということが応募条件の「No.1採用」、2週間または4週間の比較的長期にわたり就労体験ができる「就活インターン」、あとは今年から始めた「地方創生インターン」があります。

学生の方にはいろいろなエントリー方式のなかから、自分に合ったものを意思を持って選んで応募してもらいたいと思っています。

—やらしい質問で恐縮ですが自分が何かのNo.1だった時に、「通常採用」と「No.1採用」のどちらで応募すればよいのか迷ったら、どちらを選べば採用されやすいでしょうか?

小山:どちらかの応募経路が採用されやすいということはありません。採用チャンネルを複数持った理由は、300年成長し続ける企業として、変化や努力を楽しみながら挑戦し続けられる多様な人材が必要で、特定のチャンネルだけでは、多様な人材の採用が難しいと考えたからです。「努力って、楽しい。」「No.1」「挑戦」といったソフトバンクバリューに共感してくれる人に来て欲しいと思っています。自分の強みを発揮できる形を主体的に考えて、応募して欲しいですね。

—これまでにどのようなNo.1の方が入社しましたか?

小山:囲碁の学生選手権でNo.1に輝いた方、衛星設計コンテストでNo.1を獲得した方などがいます。No.1というと、どうしてもスポーツの成績優秀者をイメージしがちかと思いますが、それだけではないんですよ。

—「地方創生インターン」とはどのようなものですか?

小山:「地方創生インターン」は今年から始めたインターンシップです。当社は「情報革命で人々を幸せに」を経営理念として掲げていますが、ICTの力で地方、企業、個人の課題解決をしていくということも実現したいことの一つであり、それを実体験を持って経験して欲しいという意図で始めました。学生からは「ソフトバンクは携帯電話屋さん」と思われている部分がまだまだありますからね。

参加者の方々には、ICTを使った地方創生プロジェクトの立案に、ゼロからしっかり取り組んでもらいます。現地でフィールドワークをしながら、地方自治体が抱える課題を分析し、問題解決策をまとめることになります。主体的に仕事をするノウハウが身に付き、それがその後の就活や社会に出てからの力になってくれるはずです。

Q「個性的で主体的な人ばかりでは会社は回らないのでは?」 A「答えはNO。一口に主体性といっても、いろいろあるから」

—お話をうかがって「主体性」を持って物事に取り組める人材が大切であるとわかりました。ですが日本人の強みは主体性ある個の強みではなく、集団の強みであるといわれることがあります。主体性のある人ばかりでは、会社が円滑に回らない心配はありませんか?

小山:ソフトバンクはいろいろな個性が集まっているところで、役割もそれぞれです。リスクを取って新規事業を推進するという部門がある一方で、通信インフラを安定的なサービスとして提供していくという意味では、リスクゼロを目指す部門もあります。主体性の持ち方も多様であると思っていて、リスクゼロを目指す主体性・挑戦もあれば、リスクを取って新しいものを作っていく主体性・挑戦もあるんです。両者は同じ主体性でもちょっと種類が違いますよね。この両方があるから私たちのビジネスは前に進んでいます。

当社の孫正義は年に1回実施する学生に向けた講演で「登る山を決めなさい」と話します。自分の人生をどこにかけるのかを見極めて欲しい、それに向かって自分自身が決意をして、自分自身の意志でその後の人生をどう進むのかを考えて欲しいと言うんです。実現の方法ですとか、山の登り方はいろいろあっていいと思っています。「自分自身の意志を持って」考えていただきたいです。

—確かにグイグイと自分の個性を押し出すことだけが主体性のあり方ではありませんね。仕事にはいろいろな種類がありますが、主体的に、あるいは自分の意志を持って取り組む姿勢がないと、どんな仕事も成功しないのでしょう。

人事の役割は人と事業をつなぐこと

—採用活動をされるなかで”うちの会社ならでは”と思う瞬間があったらお教えください

小山:通常の場合、選考が進んで面接を重ねていくと、「角」が取れた人が残る傾向があると思います。学生と面接官の間にも、合う、合わないの相性がありますから、複数の面接官の視点で人を見ることは大切です。ところがそれをあまりにやり過ぎると、誰とでも相性のあう平均的な人ばかりが最終的に残ってしまう可能性があると思います。

その点、ユニバーサル採用を前提にNo.1採用などのユニークな採用方法を取り入れることで、意思を持って主体的に動く学生を採用できることは当社の採用のいいところではないでしょうか。

一人ひとりの個性を引っぱって延ばすという文化がソフトバンクにはあると思います。パフォーマンスが高く優秀な社員は、なぜだか個性の強い人が多いですし、面接には自分の「角」を大切にして来て欲しいですね。

—最後に学生、転職を志す人、人事として活躍するビジネス・パーソンに向けたアドバイスをお願いします

小山:現代はリスクを取らないことが逆にリスクとなることもある時代だと思います。どんどん変わっていく社会とビジネス環境を見据えて個人も変化をしていくことが求められます。

会社のビジョンに共感し、自分が描くキャリアを実現する場として会社を選ぶことはもちろん重要ですが、個人としては会社の看板に頼るだけではなく己の価値を磨き、チャレンジを恐れないで欲しいです。

それ故に我々人事としても難しい時代。従来のように人を会社の型にはめる採用では、会社が生き残れません。人事は会社の立場で行動することも重要ですが、個人にも寄り添い、人と事業をつなぐような採用が求められていると思います。自分もそのようにありたいと思って日々仕事をしています。

取材協力:ソフトバンク株式会社 飯田伸彦(広報室) 高橋里歌(広報室)

文:本山光

編集:大山勇一(アーク・コミュニケーションズ)

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