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【イノベーターズ】「指紋ひとつで現金のない世界をつくる男」久田康弘

エンタメ

通信やICTにまつわる”なにか”を生み出した『イノベーターズ』。彼らはどのように仕事に向き合い、いかにしてイノベーションにたどり着いたのか。本人へのインタビューを通して、その”なにか”に迫ります。今回は、画像解析のパイオニアにして、”使える生体認証”を世界に広げつつある「Liquid」の久田康弘さんのインタビュー。ものすごく端的にいえば、指紋ひとつで支払いができるシステム。テーマパークでは手ぶらで遊べるし、量販店でも指1本で買い物できればポイントまで貯まる、という。指紋の検索と照合のスピードを劇的に早めて、それだけで決済できるようにしたところが、イノベーション!

小さいマウスぐらいの箱には楕円の形に3つの”えぐれ”があって、そこに人差し指・中指・薬指を乗せる。箱に接続されたタブレットで携帯電話番号を入力。すると、電話にSMSが届いて認証。以上で登録は完了。このあと、電子マネーみたいに指紋でピッと支払いができる――。

『Liquid』で開発された「Liquid Pay」という指紋決済サービスだ。目の前でサクサクとデモンストレーションしてくれたのが創業者で社長の久田康弘さん。

指紋でお金が払えるシステムの秘密

生体認証はスマホの指紋認証をはじめ、銀行ATMには静脈認証がついてるのもあるし、虹彩をスキャンして入退室を管理している施設なんかもある。なので、指紋を登録して電子マネー的に使えるぐらいは、「べつにフツー」という程度の印象しかなかった。だが久田さんの説明を聞くと驚くのである。あ、この時点で「バカ、スゴイことじゃん」と言える人は何行か飛ばしてください。

「たとえば銀行のATMならキャッシュカードがあって、そこに指紋とか静脈の画像情報が入っています。カードを入れるとそのデータが吸い出されて、実際にATMにかざした指紋と1対1の照合をする。オフィスとか研究室とかの入退室も指紋とか虹彩の管理することもあるんですけど、そこに日常的に出入りする人が1000人ぐらいとして、彼らのデータがドアノブのメモリーに登録してある。出入りする時はそれらと照合するから、せいぜい検索・照合の対象は1000対1ぐらい。それが指紋認証のユーザーの最大値だったんですね。でも、決済に使うには少なく見積もっても100万対1ぐらいで照合しなくちゃならない」

指紋の登録用の端末。指を乗せてタッチパネルから携帯電話番号を入力する。それだけで最低限度の本人確認と、与信審査が即時完了。スマホのアカウントは複数取得が可能だが、世の中にひとつの携帯電話番号と指紋を組み合わせれば、非常に強力な個人特定の材料となるのだ

そりゃそうだ。その場所で登録した1,000人しか使えない電子マネーがあったとして、そんなのなんの役にも立たない。登録しさえすれば、誰でもどこでも使えてこその電子マネーだ。開発の前に久田さん、その「100万」という数字を、既存の生体認証システムの大手ベンダーにぶつけてみたという。返ってきた答えは「登録するメモリーを分けてください」「別にカードが必要ですね」「本人特定のためのコードを付けるのはどうですか」

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