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18歳人口が大幅に減ってしまう2018年問題!教育現場にはどんな影響が?

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2年前の夏の終わり、ある大手予備校が7割を超える校舎を閉鎖すると発表しました。「競合が多い業界だし」「うちの子が受験生になるのはまだ先」くらいに考え、このニュースを聞き流した保護者の方も多いはず。しかし、この背景には、教育現場の大変革「2018年問題」が隠れていたのです。

2000年に入り、PCの誤作動のリスクが指摘された「2000年問題」、デジタル放送への移行にともなう「2011年問題」など、さまざまな20XX年問題がありましたが、知らず知らずのうちに乗り越えてきたように思えます。しかし、「2018年問題」は子どもの未来を左右します。親としてしっかり向き合いたい問題です。

「2018年問題」とは?

2018年、大学淘汰が本格化する!

「2018年問題」とは、2018年を目途に18歳以下の人口が減少期に入ることで、大学の倒産や学生獲得戦争が過熱することです。数字上、2000年生まれの子どもたちから該当します。

「少子化」は今にはじまったことではありません。これまでにも18歳人口が減少することはありました。しかし進学率の伸びによってカバーされ、大学の経営は成り立っていました。また、団塊ジュニアの多くが18歳を迎えた時には、浪人生が増えないようにと文部科学省が大学の臨時定員増を認めたため、大学は「受験バブル期」を迎えました。この時の蓄えがあったため、経営状況の悪化も乗り越えてこられたといわれています。しかし、2018年には、人口減少期への突入と進学率の頭打ちが重なるため、大学経営が厳しくなることは避けられなくなると考えられています。

大きな原因は、18歳人口の減少が予想されていたにもかかわらず、大学の数が増え続けたこと。特に4年制の私立大学の数は増え続けました。4年制にすれば志願者が集まると当て込み、短期大学からの転換が相次いだのです。しかし2010年以降、経営悪化から学生募集を停止する私立大学が目立つようになりました。この頃から「2018年問題」が叫ばれるようになりました。ただ、私立大学では、すでに定員割れが全体の5割近くまで進んでおり、閉校する大学も出てきています。2018年を前に、教育現場の大変革ははじまっているのです。

少子化っていうけど、その実態は…?

「少子化」という言葉が叫ばれて久しいですが、一体、どれくらい減少しているのでしょうか?2018年問題のカギとなる18歳人口の推移を見てみましょう。

18歳人口は、戦後「団塊の世代」が18歳を迎えた1966年にピークである249万人になりました。その後、増減がありましたが、団塊ジュニアの多くが18歳を迎えた1992年には、205万人を保っていました。大学が「受験バブル」を迎えたのはこの頃です。

日本の人口は、2008年の1億2800万人をピークに減りはじめました。翌年の2009年には、18歳人口は121万人にまで減少。その後も減り続け、2014年には118万人になってしまいました。

最近の数年間は、18歳人口は横ばい状態を保ってきました。ですが、国立社会保障・人口問題研究所では、2018年ころから再び減少傾向を強め、2018年に117万人になると推計しています。2024年には110万人を切り、2031年度にはついに100万人を切り99万人。減少の一途をたどると考えられています。

進学率はすでに80%を超えている

一方、大学進学率はどう推移しているのでしょうか?大学・短期大学を合わせた進学率は1970~80年代には36~37%でしたが、1995年に45%、2005年に52%まで上昇。2000年ころに日本は、大学・学部を選ばなければ、誰でも入学できる「大学全入時代」に入ったといわれています。さらに、2014年には大学・短期大学を合わせた進学率は57%に達し、これに専門学校などの専修学校を加えると、進学率は80%を超えました。今後、進学率が大きく上昇することは考えにくいことが分かります。

2018年問題によって子どもが入る大学や高校にどう影響が出るの?


生き残りをかけて変わる教育現場

18歳人口が減少するということは、受験生にとってどういった意味を持つのでしょうか。人口が減れば、いわばライバルの絶対数も減少します。これまでに比べ、難関といわれる大学のハードルが下がるため、受験生は有名大学を志望する傾向を強める可能性があります。これは、大学側にとってみれば、知名度のない大学や特色のない大学への志願者が減る可能性が示されているともいえます。

今後、学生が集まる大学とそうでない大学の二極化が進むため、大学側は、選ばれる大学にならなければなりません。看護や教育、栄養など実学系の学部学科を設ける、国際系学部を設ける、産業界が求める人材養成の観点から学部・学科を設ける…特色や個性のある大学を目指した改革が進められています。その他、入試制度を増やす、ライバル校と受験日をずらすなど、志願者が受験しやすくなるような取り組みも行われています。

もちろん、有名私立大学であっても安心はできません。注目されている教授陣を揃える、郊外に設置していたキャンパスを交通の便が良い都心部に戻す大学も増えています。

また、忘れてはいけないのが、私立大学の付属中学や高校のこと。私立大学の5割近くで定員割れを起こしているこの時代、名門中学・高校を持っていても閉校は避けられず、すでに決まっている学校もあります。「2018年問題」は18歳の受験生に限った問題ではないのです。

さらに、下村博文元文部科学大臣は「自己改革を求めない大学は国立でもつぶれる」と発言しています。国公立大学はこれまで、志願者数の減少とは無縁だと思われていました。授業料が家計にやさしいことや若者の地元志向が進んだためです。しかし、地方の大学の場合、地域の人口減少が直接的な打撃になり得ます。卒業生の地元での就職を視野に入れ、ビジネスと連携するなど地域の特性に合わせた学部再編に取り組むことなどが求められています。

では、専門学校に2018年問題の余波が及ぶことはないのでしょうか?一定の要件を満たした専門学校は、卒業すると「専門士」の称号が与えられ、高い専門性を持つことから就職しやすいなどの評価を受けています。しかし、18歳人口が減れば、大学との学生の取り合いは避けられないでしょう。

予備校も例外ではありません。少子化と大学数の増加で現役合格者が増えたため、浪人生は激減。市場の縮小により、予備校の淘汰も進むと考えられています。

政府も対策に乗り出す

文部科学省は、2014年の秋、「スーパーグローバル大学(SGU)創成支援事業」の対象となる大学の選定結果を発表しました。

世界レベルの教育研究を行うトップ大学や、先導的試行に挑戦し我が国の大学の国際化を牽引(けんいん)する大学など、徹底した国際化と大学改革を断行する大学を重点支援することにより、我が国の高等教育の国際競争力を強化する

ことを目的としています。大学が抱える問題は、人口減少だけではありません。いかにグローバル化へ対応できるかが大学の新たな課題となっているためです。

この事業は、日本の大学の国際的なランキングを高めるという点では、有効だと評価されています。ただ国内的には、大学の格差を強めるのではないか、と指摘されています。

今後の教育現場はどうなる?2018年問題の影響とは

親として考えておきたいこと

まず、心に留めておきたいことは、近い将来においては、学生の減少を乗り切るために授業料を上げる大学が出てくることが予想されていることです。教育費が増えれば、ライフプランの見直しが必要になることも考えられます。直前で慌てることのないよう、家計を見直すほか、さまざまな支援制度を調べることも有効でしょう。

そして、もっとも大切なことは、2018年問題が、大学全入時代になり大学生の学力低下が叫ばれる中、高等教育の場としての大学がどうあるべきかを問いかけているということです。「大卒の方が就職に有利だろう」「とりあえず進学」という考えで大学に進学しても、充実したキャンパスライフは送れなくなっていくでしょう。大学に入学すること自体は難しくなくなっていくからこそ、何をどう学びたいか、また、卒業後にどう働きたいのか、しっかりと考えた上での選択が迫られます。留学という選択もこれまで以上に身近になっていくでしょう。とは言え、子どもは、はじめてその局面に立ち、分からないこと、悩むことが多くあります。保護者も積極的に情報を得て、子どもの強い味方になっていきたいですね。

目前に迫った「2018年問題」を取りあげました。いかがでしたか?「2018年問題」は、一見、教育現場側に起きる問題のように思えます。保護者の方の中には、「進学先が減ってしまっても、受験生自体が減るんだから、これまで通り進学できるでしょ」と考えていた方もいるかもしれません。大学をはじめとする教育現場の淘汰がはじまった今、受験生にはこれまで以上の本気度が求められるのです。少しずつでも、お子さまと将来について話し合っていきたいですね。お子さまの思いを引き出し、それをどうしたらカタチにできるのか、考えてみませんか?

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