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高良健吾らちょんまげCM増加 狙いはキャラ作りとギャップ

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 人気タレントや俳優がちょんまげ姿で登場するCMが増えている。auの「三太郎」シリーズは今やおなじみだが、それだけではない。お酒から飲料水、麺類まで、さまざまなCMでちょんまげが席巻しているのだ。激増のワケについて時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが分析する。

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 最近、ちょんまげCMが頑張っている。その代表例といえば、高良健吾の『淡麗侍』。都会のオフィスビルの屋上でスマホを使う淡麗侍(課長)。部下からの連絡に「すぐ行く!」と飛び乗ったのは、タクシーでも電車でもなく馬だった! 「はっ!」と声をかけ、颯爽と道路を疾走して現場に駆け付けたものの、悪代官(クライアント)の松重豊からは「馬で来るな」「(馬の)上から言うな」と怒られる。大阪ではお約束のボケをかます商人(辻本茂雄)の前でバッタリと倒れ込んで「間が良かった」とほめられ、博多では頑固な博多職人を前に「実は私」と着物の片肌脱いで「ソフトバンクホークス」のシャツを見せて九州出身(ホントです)とアピール。工場長(秋山幸二)と意気投合。淡麗侍大活躍中である。

 もうひとつキリンでは『氷結』に、志村けんのバカ殿様も登場。例によって「よいではないか」と腰元を追いかけまわしたり、変顔を見せたりしたかと思えば、突如、シリアスな素顔に戻って「はっ!」と掛け声一発。津軽三味線をつま弾き、スカパラとセッションを始める。

 この他、「嘘だと思ったら、食べるでござる」の『まるちゃん正麺』の役所広司、『風立ちぬ』を仲良く歌う『伊右衛門』の本木雅弘と宮沢りえ、「この夏、味な出会いがありました」と異人さんのお客にタル鶏天ぶっかけうどんを提供する『丸亀製麺』の檀れいなど、ちょんまげCMシリーズものも元気がいい。

 個人的にずっと気になっているのは、清洲桜醸造株式会社の『鬼ころし』CM。「信長になりたい篇」では、パックに入った清酒『鬼ころし』を手にスーツ姿の男子四人と女子ひとりが、ちょんまげをつけて行進しながら現れ、調子のいい音楽に乗って、踊ったりポーズを決めたり信長になってみたい気持ちを表現。しかし、途中で「そんな器じゃない」とがっくりうなだれ、ストローでちゅーっと飲む、という流れだ。わずか15秒で、信長に憧れながら、あっさりあきらめるまで完了するところもすごいが、なんといってもスーツの女子がちょんまげで平然と踊っている姿が素晴らしい。そして、このCMを長く続けているところも素晴らしい。参りました。

 ちょんまげCMの強みは、キャラづくりがしやすいところ。殿様、侍、商人、職人などなど、ちょんまげをつけただけで、昔の人、別世界の人になりましたよ、と宣言できるところだ。別世界の人がまじめな顔でスマホを使ったり、タルタルソースを作ったり、スーツで踊る。このギャップだけで面白い。

 また、現代人の姿で商品やキャッチコピーを連呼するより、ちょんまげの人がそれ風のセリフでアピールするほうが視聴者の記憶に残りやすい。テーブルに座った侍姿の名優がまじめな顔でラーメンに感動し、「食べるでござる」と言い切るところに、味が出る。

 タレントの新たな顔が見えるのも、ちょんまげの面白いところ。ちなみにプロの結髪さんの話だと、額は狭いより広いほうがちょんまげは似合うとか。そういえば、『淡麗侍』シリーズで、コンペ(合戦)に敗れた高良課長の部下(トレンディエンジェル斎藤)は、落ち武者姿もちょんまげもよく似合っていた。納得。

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