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ダイバーシティ組織が“魔法”を生み出す──楽天とMicrosoftの「グローバルなR&Dとマネジメント」 #engineer_moshi

世界各地での研究を“ワンチーム”にまとめる

:私が代表をしている楽天技術研究所のミッションは、アカデミアの世界で研究されているような最先端の技術やテーマを、楽天というフィールドでさらに進化させ、最先端の研究やソリューションを楽天の実際のビジネスに活かすというところにあります。

楽天株式会社 執行役員 / 楽天技術研究所 代表 森 正弥さん
アクセンチュアで基幹系システム構築、IT投資およびR&D活用の戦略コンサルティングを担当した後、楽天の執行役員として技術戦略、エンジニアのエンパワーメントやモチベーションに関する施策を担当。楽天技術研究所の代表としては、世界5拠点に所属する100人の研究者を統括。企業情報化協会 常任幹事、日本データベース学会 理事等の公職も務める。

当初から国内に閉じた組織ではなく、世界に開かれた組織を目指しており、現在は東京、ボストン、ニューヨーク、パリ、シンガポールの世界5拠点で研究を進めています。研究者は総勢100名。ほとんどがコンピュータサイエンスのPh.D.を持つ人たちで、7割が日本以外の外国籍です。

拠点ごとにフォーカスするテーマは違いますが、一つのテーマを複数拠点で共同研究をすることもあります。私が最も腐心していることは、全体が一つのチームとして動くことです。私自身はすべての研究プロジェクトを見る立場にあるので、毎月のように海外のどこかに出かけています。研究者たちも毎日、世界中を飛び回っていますね。

ただ、こうしたグローバルな研究組織については、コンピュータの世界企業には先駆例がたくさんあって、マイクロソフトもその一つです。研究組織の作り方については私自身学ぶべきことが多いと考えています。Microsoftでは実際、どんな感じでやっているんでしょうか。

:1991年に設立された基礎研究所「マイクロソフトリサーチ(MSR)」は、米国、英国、中国、インドの世界6箇所に拠点があり、ほぼ全員コンピューターサイエンスの博士号を持っていて、その人数が約1000人と聞いています。社内には、もっと多くの博士がいるのではないかなと。

実は、コンピュータサイエンス分野における論文発表や引用の数をランキングすると、ここ10年ではMicrosoftが常にトップを維持している。2位がスタンフォード大学。3位がUCバークレイ、4位がMITだったかな。

拠点は世界に散らばっているけれど、それがワンチームとして動いている点は、楽天技術研究所と似ていますね。

日本マイクロソフト株式会社 マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 澤円さん
立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、マイクロソフト(現日本マイクロソフト)に転職。情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。競合対策専門営業チームマネージャ、ポータル&コラボレーショングループマネージャ、クラウドプラットフォーム営業本部本部長などを歴任。2011年7月、マイクロソフトテクノロジーセンター センター長に就任。

:マサチューセッツ州にあるMSR NewEnglandのJennifer Chayes所長が個人的知り合いでして、この6月に訪問させていただきました。そして、私たちと何かコラボができないかを議論してきました。

:Microsoftは全世界で約9兆円を売上げ、そのうち1兆円を研究開発に投資しています。このようにR&Dに積極的に投資をするのは社風でもあるんですが、セールス・マーケティング主導でビジネスをしてきた時期が長いため、世間一般にもそういうイメージがまだ残っていると思います。

しかし、近年はかなり変わってきていて、単なるWindowsの会社から総合的なテクノロジーカンパニーへの脱皮が急ピッチで進んでいます。

つまり、単純に売れる製品を売るのではなく、研究開発の成果を踏まえ、最先端のアイデアを活かした製品づくりをするようになってきた。それに伴って、組織のあり方や評価の方法も変わってきています。

ビジネス現場と研究領域を「コワーキング」させる

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