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富士フィルムの請求認められず、化粧品の特許侵害訴訟

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富士フィルムの請求認められず、化粧品の特許侵害訴訟

 富士フィルムが自社の化粧品の特許を侵害されたとして、ディーエイチシー(DHC)の化粧品の製造・販売の差し止めと、1億円の損害賠償を求めていた訴訟について、2016年8月30日に判決が出されました。東京地裁は、富士フィルムの特許は成立しないとして、請求を棄却しています。
 今回はこの特許をめぐる訴訟について見てみたいと思います。

 企業は開発した製品を特許として権利化して、その権利を行使して事業で利益を上げて、その収益の一部を研究開発に投入して、次の新しい製品を開発する、といったサイクルで知的財産を創造していきます。
 しかし、別の企業が、勝手に開発された製品を模倣して作ってしまってはどうでしょうか?
 模倣した企業は研究開発費がかからない分、安価な製品を作り出すことが出来てしまい、製品は安い分模倣製品のみが市場で売れることになります。製品を開発した企業は研究開発費が回収できず、立ちゆかなくなります。

 また、このようなことが横行すれば、研究開発をすること自体がばかばかしくなり、新しく研究開発をしようと思う企業もなくなってしまいます。産業の発達も止まってしまうことでしょう。
 そこで、このような事態が起こらないように、国は発明を保護するために「特許」という制度を設けました。特許とは、有用な発明をした発明者やその承継人(個人や企業)に対して、その発明の公開の代償として、一定期間、その発明を独占的に使用できる権利を国が付与するものです。

 特許権を有すると主張する人が侵害していると裁判所に訴える訴訟を、「特許侵害訴訟」といいます。特許侵害訴訟では、製造している(又は製造しようとしている)行為の差し止めや、特許侵害行為によって被った損害の賠償を求めることができます。

 また、特許となるべきものでないものに特許が付与されていると、困ってしまう人もいます。このような場合の救済として、特許無効審判という手続きが設けられています。
 特許無効審判は、既に登録されている特許に異議を持つ人が、その無効を求めて特許庁に請求するものです。特許庁から「無効である」との審判がくだされた場合は、その特許ははじめから無かったものとみなされることになります。

 今回の富士フィルムとDHCが争っている特許については、DHC側から特許庁に対して特許無効審判申立が行われ、富士フィルム側からDHCに対して特許侵害訴訟が提起されています。
 特許無効審判においては、2016年3月に特許庁が「特許は有効である」と判断して、DHCの申立は退けられました。
 他方、特許侵害訴訟では、東京地裁が「特許は成立しない」と判断しています。同じ特許について、特許庁と東京地裁の判断が異なるという状況になっています。
 知財高裁での判断がどうなるかについて、注目が集まっています。

元記事

富士フィルムの請求認められず、化粧品の特許侵害訴訟

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