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事故から6年半。記憶障がいを乗り越えたミュージシャン「GOMA」のライブを見逃すな!

事故から6年半。記憶障がいを乗り越えたミュージシャン「GOMA」のライブを見逃すな!

「ディジュリドゥ」という楽器がある。オーストラリアの先住民族アボリジニが、数万年前から儀式などの伴奏に用いてきた世界最古とされる管楽器だ。そして、日本を代表する奏者として世界的に知られているのがGOMA。

彼は、2009年の交通事故で脳に損傷を受け、高次脳機能障がいと診断された。自分が何者なのかがわからない状態になった。けれど、楽器の吹き方だけは体が覚えていた。ここでは、知らなかった人のために彼のことを少しだけ。まずはどんな音楽か聞いてみて欲しい。

全身が揺さぶられる!

上の動画は「GOMA & The Jungle Rythm Section」。長細い筒に唇を当てて振動させる楽器ディジュリドゥの音は、その低音や倍音が主な特徴だ。振動が体中に響く心地良さから、ヒーリングやリラックス効果を目的として演奏する奏者もいる。

そこに、野性的な人力ダンスグルーヴを加えて生み出したのが彼らの音楽。めちゃくちゃ踊れるのだ。

先住民に認められた、
ディジュリドゥ奏者。

事故から6年半。記憶障がいを乗り越えたミュージシャン「GOMA」のライブを見逃すな!

聖地アーネムランドでアボリジニたちと共に暮らしながら演奏を学び、1998年オーストラリアで開催されたバルンガディジュリドゥコンペティションで準優勝した経験がある。

“ノンアボリジニ”の受賞は史上初。その後アボリジニとノンアボリジニの出場枠が分けられたため、世界でも稀な経歴の持ち主と言える。その後、日本でディジュリドゥ音楽が広く認知されたのも、彼の功績が大きい。

しかし、2年間暮らしたオーストラリアの記憶や、それまで培ってきた音楽経験の多くも、事故のあとでは思い出せない状態になっていた。

自分が何者なのか、
わからない…。

事故から6年半。記憶障がいを乗り越えたミュージシャン「GOMA」のライブを見逃すな!

GOMAは、事故を経験したあと、自分が画家だと思っていた。きっかけは、娘の絵の具を使って衝動的に点描画を書き始めたこと。

画風はアボリジナルアートに似ていた。オーストラリア時代の記憶に繋がっていると思わせる作品は、後に行われたGOMAの個展『記憶展』で紹介され話題になった。

「パパは画家じゃないよ」。

事故から6年半。記憶障がいを乗り越えたミュージシャン「GOMA」のライブを見逃すな!

その後、GOMAはもう一度楽器を始めることになる。娘が毎日ディジュリドゥを指さし、こう語りかけてきたそうだ。

「それはまぁちゃん(娘さんの愛称)の絵の具。パパの仕事はこれだよ」。

事故のあと興味を示すことはなかったけれど、吹き方は体が覚えていた。

今日起きたことを明日思い出せるかわからい恐怖と闘いながらも、絵と同様に体の中に感じる音楽を頼って、自分のルーツを手繰り寄せていった。

奇跡の復活!

再起不能とも言われた彼だ。円満に行くことのほうが少なかった。多くの困難を、本人だけでなくサポートする周囲みんなで乗り越えていった。

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