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新オレンジプランで最も重要とされている「認知症ケアパス」ってなに?

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こんにちは、理学療法士・介護福祉士の中村です。2015年、厚生労働省は認知症になっても安心して暮らせるよう、新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)を提唱しました。今回は、新オレンジプランの中で最も重要と言われている、認知症ケアパスについてお話します。この記事を掲載することで、少しでも認知症ケアパスの存在が広まればと思います。

認知症ケアパスとは?

認知症ケアパスは、認知症の人ができる限り住み慣れた自宅で暮らし続け、また、認知症の人やその家族が安心できるよう、標準的な認知症ケアパス(状態に応じた適切なサービス提供の流れ)の作成と普及を推進する事を目的とし、新オレンジプランの7つの事業の中の第一に挙げられた、最も重要としている事業です。
画像引用元:厚生労働省「標準的な認知症ケアパスの概念図」※クリックして拡大

各自治体が地域の事情に合わせて作成するため、それぞれの地域の特色が現れます。既に作成されている地域もあるため、一度お住いの自治体の認知症ケアパスをご覧になっていただければと思います。

認知症ケアパスの特徴

各自治体で作成されている認知症ケアパスですが、主に2つの特徴が挙げられます。

サービス内容や支援方法の明示

介護サービス事業所やそのサービスの内容、また認知症の程度に応じた支援方法が明示されています。医療・介護従事者が使用するのではなく、「認知症高齢者をどうやって支えていったらいいのか…」と模索していたご家族、地域住民、そして認知症高齢者ご本人向けとなっています。

インフォーマルサービスの明示

認知症カフェをはじめとした、インフォーマルサービスの種類や利用方法が明示されています。「病院や介護保険事業者」のようなフォーマルサービス(公的サービス)だけでなく、インフォーマルサービスも併用することが認知症ケアにおいて大切だと思います。

認知症高齢者やその家族、地域住民の方は認知症の方の対応について更に引き出しが多くなり、安心につながるのではないでしょうか。

地域全体で認知症の方のサポートを

筆者も介護保険事業を展開しておりますが、公的支援の弱点の一つとして挙げられるのは「申請」が発生することです。認知症高齢者の方が気軽に申請できればいいのですが、ご家族やケアマネジャーの代理申請がほとんどの現状を鑑みると、難しいのではと考えてしまいます。

ご家族と同居、または近所付き合いが密に行なわれている方であれば申請もスムーズに進みますが、独居の方や認知症高齢者夫婦のみの世帯ですと、申請方法すら知らなかったり、必要性が高いにも関わらず必要と感じていないことも多々あります。これでは認知症の発見が遅れてしまいがちです。

こういった事を解消するためにも、地域住民の方や、家族に高齢者がいる方は積極的に認知症ケアパスを活用する事が大切だと思います。

さいごに

認知症高齢者のみならず、介護を必要としている者、またその介護者がストレスを抱えひとりで悩むのではなく、支援する人と繋がることで住み慣れた街で暮らし続ける事が可能になります。そして、生活の質(QOL)の向上が更に図れるのではないかと思います。

認知症ケアパスは、認知症高齢者や家族、地域住民の方々に周知されていない自治体がほとんどです。認知症ケアパスの周知に、認知症オンラインをご覧の皆様にその一役を担っていただければ幸いです。

この記事を書いた人

中村洋文

鹿児島県沖永良部島出身
介護福祉士 / 理学療法士 / 実務者研修教員/その他
病院、知的障害者施設、デイサービス管理者、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム等の医療・福祉施設にて勤務。現場だけではなく、行政側の立場としても市役所勤務の中で介護保険にも携わる。介護保険認定審査委員も歴任。現在、福祉系専門学校での講師及び居宅介護支援事業所、訪問看護等の介護保険事業を手掛ける会社の共同代表として活動中。介護医療現場、また行政側の様々な経験をもとに認知症高齢者本人とその家族の想いを教育現場や全国各地での講演会等で発信しています。

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