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成年後見人と債務の保証人を兼務できますか?

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Q.

 作年末に父が亡くなり、母の痴呆が急速に進んでしまい、今月から老人ホームにお世話になっています。実は、十年前に母が相続で遺産が入り、いくつかの株、土地を所有。また、五階建てのマンションも建て、経営していました。マンションのローンは、母名義で組んでいて、父が保証人になっていたため、私が代わりに保証人になることになっています。
 弟もいるのですが、障害があるので、母が成年後見人になっています。
 ところが、その母が痴呆になってしまったので、私が成年後見人になって、今後、母の財産を管理しなくてはいけなくなっているのですが、この場合、保証人と兼務できるのでしょうか?
 今後どうしていったら良いのかをご相談したいです。

(40代:女性)

A.

 ご相談のように、お母さまの成年後見人になろうとする場合、お母さまの債務の保証人にはなれません。
 成年後見人とは、財産管理についての全般的な代理権と取消権を与えられ、本人であるお母さまになりかわって様々な法律行為を行う立場となります(日常生活に関する行為を除く。権限については民法120条1項858条859条などを参照)。

 そのため、財産管理についてお母さまのために権限を行使すべきところ、債務の保証人となってしまうと、利益相反行為となってしまう可能性があるためです。
 民法においては、成年後見人の利益相反行為は禁じられています(民法860条)。

 したがって、お母さまの成年後見人となるか、債務の保証人となるかの選択をしなければならないことになります。
 どなたか成年後見人になりえるご家族などがいらっしゃれば、その方に成年後見人になっていただき、ご相談者様は債務の保証人となるということも可能ですが(逆でもよいと考えます)、ご相談内容を拝察するに、それも難しいのではないかと思われます。

 このような場合は、信頼できる弁護士に成年後見人になってもらうように依頼することも可能です。
 他方、ご相談者様がお母さまの面倒をしっかり見るほうが安心できるということであれば、ご自身が成年後見人となって、適切な手続きを経てお母さまの資産を売却し、ローンの一括返済をして債務の保証が不要になるようにするという選択肢もあると思われます。
 いずれの手法においても、法的手続きが煩雑な部分があるため、一度、成年後見制度に明るい弁護士に法律相談をされることをおすすめいたします。

 なお、お母さまが、ご兄弟の成年後見人をされていたということであれば、お母さまが成年被後見人になってしまうと、ご兄弟の成年後見人を新たに選びなおさなければなりません。この点も含めて、ご相談されることをおすすめいたします。

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