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他のグループとは一線を画す 楽曲から見るSMAPの偉大さとは

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 2016年12月31日をもって解散することが発表されたSMAP。その解散を巡り、さまざまな意見や憶測が飛び交いますが、そもそもなぜ、それほどまでに人びとの心を掴む国民的存在となり得たのでしょうか。

 批評家・ライター・DJ・イラストレーターとしても活躍する矢野利裕さんは、自著『SMAPは終わらない』の中で、芸能の本義は「常人とは異なる身体性を用いて、日常とは異なる空間を演出すること」にあり、私たちは「歌や踊りや笑いに触れることで、ほんのつかのま、社会のしがらみから解放される」のだと指摘します。そして、まさにSMAPは、歌からコメディまでこなす、音楽も笑いも一緒くたに一身に背負う、この芸能−人としての身体を提示していたのだといいます。

「SMAPが獲得するスター性は、例えば少年隊が示したような、華やかなスター性とは少し異なる。SMAPは、少年隊のように華麗にバック転をすることも、光GENJIのようにローラースケートで滑ることもしなかった。その代わりにSMAPが披露したのは、けっして美しいとは言えないユニゾンや、アイドルらしからぬコミカルな動きであった」(本書より)

 華やかなスター性を手放し、芸能−人としての身体を提示した結果、逆説的に獲得したスター性、自由と個性によって私たちを魅了したSMAP。本書では、こうした”SMAP的身体”に迫ったうえで、SMAPを音楽的側面から詳細に分析。

 とくに、1990年代におけるSMAPの作品は、同時代のクラブ・カルチャー及び渋谷系の動きを意識していたのだと指摘し、90年代のクラブ・シーンの渦中に身を置いていたサバービア・ファクトリー主宰の橋本徹さん、『Jazz The New Chapter』監修者としても活躍する柳樂光隆さんを交えての充実の対談も収録されています。

 きらびやかにドレスアップし、高い技術のポージングで魅せるディスコ・カルチャーが本流のジャニーズに、自然でルーズな振る舞いで魅せる、クールなクラブ・カルチャーを持ち込んだSMAPは、サウンド的にも、ディスコ的な装飾を排し、デビュー曲「Can’t Stop!! −LOVING−」においてすでにアーリー・ハウス的特徴が、さらにはクラブ・カルチャーの特徴でもある引用やサンプリングが見受けられるのだといいます。

 如何にSMAPが成し遂げたことが大きな意義を持つことだったのか、個々の楽曲を分析し、唯一無二のスタイルに至る過程を丁寧に辿っていく本書を通して、改めてSMAPという存在を振り返ってみてはいかがでしょうか。

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