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【CEDEC2016】VR酔いを学術的に考える

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8月24日から3日間にわたって開催されたCEDEC2016ではVRに関するさまざまな講演が行われました。

今回は産業総合研究所の氏家弘裕氏と渡邊洋氏、新潟大学の板東武彦氏により行われた「映像酔い・VR酔いの理解とその軽減に向けて・・・(初級編)」についてレポートしていきます。

まず講演は、「人はなぜ酔うのか?」という話から。人間は体を動かす時に”動かしている”という感覚を感じています。この感覚が、過去に感じた同様の物に基づく予測から逸脱した時に酔うとのこと。

歩く時は、触覚、視覚、聴覚など様々な器官から感じた情報を元に、自分は歩いているという認識を得ています。一人称視点で歩いている映像を見た場合、視覚だけで他の器官からの情報がないために感覚不一致が起こり、酔いにつながる、と氏家氏。

続いて、VR酔いを低減する動きについての話にうつります。映像による酔いを構成する要素として、「能動性」、「視点」、「加速度」の3点を挙げ、受動的かつ一人称で等速運動あるいは加速運動という条件の元ドライブシミュレーターを使った実験について説明していきます。


まずは進行方向を示すガイド表示をどの程度表示したかという実験。「明瞭な表示」が最も酔いにくく、「さりげない表示」でもある程度の軽減にはなっているとのこと。

続いての実験は、前方に紙飛行機のようなナビゲーターを先導させ、それの動きによって酔いの度合いがどのように変わるかというもの。これは「先導回転+移動」が最も酔いにくく、「先導回転」が次いで酔いにくいという結果に。


最後の実験は、加速が行われる際の予告表示について。この実験のみ交感神経の活性度合いで計測しており、3.5秒前に予告した場合が最も興奮度合いが低く、加速する直前の0.75秒前に予告した場合は、予告なしの場合と3.5秒前予告の場合とのちょうど間くらいの結果になったとのこと。

一般的には、視覚的に動いていて前庭(※)的に止まっている状態が酔うと言われています。しかしそれでは視覚と前庭における感覚の不一致が酔いの本質的理由になってしまい、その状態で酔わない場合もあれば、酔う場合もあるのではないか、と。


つまり現実・VR問わず「移動する」という状況で脳がどういった状態になっているかについてを問題にするべきだと述べていました。

視覚的な移動と前庭的な移動の有無、また移動を予測できるかの可否で場合分けをし、酔う・酔わないというケース一覧も提示されました。

まとめとしては、酔いを少しでも軽減するためには「予測」と「評価」という中枢神経系の大前提を学び、原則に則したUIを構築することが大事であると述べていました。

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