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池澤あやか直撃インタビュー!Cygamesが社内に最先端研究拠点を持つ狙いとは?

社内にゲーム開発の基礎技術開発拠点「Cygames Research」設立

倉林:Cygames Researchの所長に就任した倉林です。Cygamesの技術顧問も兼務しています。

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任准教授でもあり、主にビッグデータ処理技術、データベースエンジン技術、情報検索用UI技術を専門としています。

また、GESL(Global Environmental System Leaders)という大学院のプログラムがあるのですが、その大学院改革を担う職務を担当しています。

▲Cygames Research 所長 / 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス政策・メディア研究科特任准教授・倉林修一氏

芦原:Cygamesの芦原です。技術部門を取りまとめる立場として、ゲーム開発部門やインフラ、研究所を指揮しています。まずはCygamesについてお話しますね。

弊社は「最高のコンテンツを作る会社」をビジョンとして、主にソーシャルゲームの開発をしています。「ソーシャルゲームだけに強い会社」と思われがちですが、最近はコンシューマゲームの開発にも取り組んでいます。うちは代表を含む役員陣のほとんどがコンシューマゲーム開発経験者なので、最近の3Dスマホゲームの開発は懐かしい気持ちやっていました。

どんなゲームであっても細部にまでこだわって作りこむので、開発に多くの人数と時間をかけることもあります。以前は1タイトルを数カ月で開発することが多かったですが、いまやコンシューマと同じくらいの規模で、1~2年ほどかけて開発することも増えてきましたね。

全てにおいてクオリティを重視したゲームを作ることで、より多くの方に楽しんでもらいたいと考えているのがCygamesの特徴です。

ブラウザベースのソーシャルゲームから始まって、iOSやAndroidで動かすネイティブアプリ型のゲーム、そしてコンシューマゲームと幅広いプラットフォームでの開発をしています。様々な技術を研究する必要があるのでCygames Researchが設立されました。

▲株式会社Cygamesの取締役CTO、芦原栄登士氏

池澤:ゲームを開発する中で、研究所はどのような位置づけなのでしょうか?

倉林:芦原から「最高のコンテンツを作る」という話がありましたが、当社における研究所のミッションは、その「最高のコンテンツ」を支えるための最先端のテクノロジーを研究することです。

簡単に言うと、既存の技術をそのまま使うだけでは解けない問題を解く仕事ですね。解けない問題を解けるようにする、という仕事を通じて、CygamesをIT業界全体を先導できるようなテクノロジー・リーダーにすることが、私のミッションです。

そのために、ゲーム業界に適した方法で組織的な研究力を確立することと、Cygamesがテクノロジー・リーダーとして認知されるような国際ブランド力の確立の2つを軸に活動を進めています。

直近の目標としては、トップレベルの国際会議での成果発表を通じて、Cygamesの技術力を国際的に認知させ、人材と情報をグローバルに調達できる組織にすることを目指しています。

Cygames Researchは、研究組織としては発足間もないルーキーですが、アメリカ国防総省 国防高等研究計画局(DARPA)と同じ技術研究の方向性を見ています。それは普遍的な理解を志向し、かつ、実用化を志向する研究のことを意味していて、情報技術の本質を追求することによってその技術を実用化する、という研究プロセスを重視しています。

単純に物事の理論を解明するだけでは、技術の価値がお客様に届きませんし、一方で、本質的ではないけれども実用的な技術を場当たり的に開発するだけでは、開発した技術が短い寿命しか持ちえません。

ゲーム産業全体、IT業界全体にインパクトを与え、継続的な価値を持つ研究をするためには、「現実の問題を解くための新しい理論」が必要だと我々は考えています。

そのために、実用と基礎研究の高速なイテレーションを組織的に実施しています。開発した技術のうち、1年以内に3割を実用化、2年以内に3割を、そして、3年以内に3割を実用化する、という実用化マイルストーンを設定しています。

▲今回のインタビュアー:プログラミングができるギークなタレントとして活躍中の池澤あやかさん

池澤:残り1割は?

倉林:時代の変化と研究の方向性がマッチしないケースが1割程度はあるだろうと考えています。

池澤:失敗というわけではないんですね?

倉林:わかりやすくというと失敗ですね(笑)。ですが、1割くらいは空振りする覚悟でフルスイングで研究しようということです。

最先端の技術研究とのコラボレーション

池澤:そもそも、どういう経緯で倉林先生はCygamesにジョインすることになったんですか?

芦原:共同研究に興味がある慶應の先生を探していたとき、当時たまたま弊社でアルバイトをしていた慶應SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)の学生さんに「うちの研究室に興味ある先生がいます」と教えてもらったことがきっかけです。そこで倉林の研究室に伺って話をしたところが始まりでした。

倉林:最初は産学共同研究として、どんなことができるかみたいなところから始めました。まず、ユーザーインターフェース(UI)の研究ですとか、私の専門がデータベース(DB)なのでDBの研究、あとはWeb技術に関しても研究室でやっていたので、WebのUIを使ってゲームを作りやすくする技術とか、いろいろと検討していました。

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