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最低賃金

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 今年の10月1日以降、順次1か月以内に、新しい最低賃金が適用されることになりました。今回の最低賃金の変更では、全都道府県の時給が初めて700円を超え、平均額としては、25円アップの823円となっています。

 最低賃金については、最低賃金法という法律があり、その1条で「労働者の生活の安定、労働力の質的向上の確保」などを目的として、最低賃金が定められるとしています。
 そして、最低賃金を下回る賃金を取り決めた場合、その部分についての労働契約は無効であるとして、労働者を保護しています。

 最低賃金を引き上げることによって、労働者の可処分所得が増加し、これが消費力を拡大させることとなり、景気が回復し、ひいては労働者の生活が安定するという考え方が、今回の最低賃金のアップの背景にあるとされています。

 しかし、果たしてそうなのでしょうか。最低賃金を引き上げることによって、景気が改善したという実例はないというのが、多くの経済学者の指摘するところです。
 その点はさておき、最低賃金の上昇は、大庄事件に見られるようなブラック企業の根絶・体質改善に向けてはいいことだと思われます。

 大庄事件とは、入社してわずか4か月で過労死した男性社員の遺族が会社などを相手として損害賠償を求めたもので、過度の残業が問題となりました。
 会社は、新入社員に対して「基本給+固定残業代」を給与として支払っていたのですが、その残業時間が過度に多かったという事件です。

 固定残業代とは、例えば、月40時間までの残業であれば、それ以下でも毎月10万円を支払うというもので、逆に残業が40時間を超えれば、その部分の残業代は別途支払うという制度です。
 大庄はこれを悪用して過度な残業を強いていたのです。つまり、基本給を最低賃金ぎりぎりに設定して、固定残業代の残業時間を多くしていたのです。

 ところが、例えば
月額給与20万円=「(a=最低賃金×月平均稼働時間)+(b=固定残業代)
とした場合、最低賃金が引き上げられることによって、aが大きくなり、比例的にbが少なくなります。さらに、bは、残業代(c)×残業時間(d)で計算されますが、最低賃金が引き上げられることによって、cが大きくなり、当然dが減少します。

 つまり、最低賃金の引き上げは、残業時間の減少という影響を与えることになりますので、上記のような計算式で過酷な残業を強いてきたブラック企業にとっては痛手となるわけです。
 この点では、最低賃金の引き上げは好影響を与えるものだと思われます。

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