【むしろ食欲が止まらない】ウズベキスタン料理店「サマルカンド」の「オーシュ」「バラク」は食べるべき【ハラールレストラン】

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浅草付近をうろうろしていたところ、「ウズベキスタン料理」という看板を発見しました。しかも、近年都内に増えているハラール料理が味わえるとのこと。

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しかもなんと、餃子のような料理まであるようです!

恥ずかしながら、世界地図におけるウズベキスタンの位置も曖昧なら、使用言語すらもわからない(のちにウズベク語だと知る)んですが、この文字を見たら入らずにはいられません。

いても立ってもいられず、そのドアを開きました。

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というより、開かなくても開いていました。浅草寺から歩いて10分程度という立地もあってか、さまざまな人種の人が「ウスベキスタン料理?」という表情を見せ、時には声を発しながらお店の前を通る姿が、店内からよく見えます。

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店内のカウンターには、料理にも使われるドライフルーツやナッツ、現地のアクセサリーなどが置かれ、アジア系の食材店やマーケットを思わせます。

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これは入口付近にあったもの。ウズベキスタンから届いた食材でしょうか? 布の袋に書かれた文字の書体に異国を感じます。ウズベキスタンのにおいがしそうです。

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店内には色鮮やかなファブリックや、民族衣装が飾られています。

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テーブルセットはちょっと女性的な感じになっていたのでそのわけを尋ねると、これはウズベキスタンの結婚式スタイルとのこと。白いつややかな布とリボンがあしらわれています。

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壁には、日本にあるイスラム教関連施設の一覧表がありました。

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店内は禁煙です。

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料理を盛りつけているのは、ウズベキスタン人のシェフ、スユノフ・ディルショドさんとともにこのお店を始めた、日本人女性の菊地さん。前職でたまたまスユノフさんと出会って友人となり、このお店を始めたのだそうです。

店名となっている「サマルカンド」は、ウズベキスタンの都市名。首都であるタシケントを東京とするなばら、サマルカンドは京都にあたるような、シルクロードの中心都市として栄えた古都で、世界遺産となっている文化交差路のある都市です。

イスラムの教えにのっとったハラールのレストランは、都内でも大久保などさまざまな街に増えていますよね。単に豚肉やアルコールを使わないというだけでなく、イスラム法によって神が良いとしているものに限るという基本概念に基づいており、羊や牛などを肉に加工する際にもルールがあります。そういったハラール食材を、秋葉原の「スパイシーフードネットワーク」などといった専門のお店で購入し、料理に使っているそうです。

そう聞くと、なんだかとてもストイックで味の薄い料理を想像しますが、まったくそんなことはありませんでした。むしろ食欲が止まらなくなってしまうメニューばかりです!

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まずはこちらの「オーシュ」という料理(900円)から。「パラフ」とも呼ばれることがあるピラフのような料理で、ウズベキスタンの家庭料理の中でも特にポピュラーなものだとか。

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具材はひよこ豆、にんじん、玉ねぎ、そしてラムのもも肉を焼いたものに、黄色い干しぶどうも加わります。

具材を炒めて米を投入し、全部混ぜて炊き込みます。味付けは塩とクミン。

野菜の甘味が印象的だったのですが、バターのようなまろやかな風味があり、とろっとした食感。それだけじゃない何かがあるはず! と思い聞いてみると、使われている油が全然違いました。ひまわり油、ウズベキスタンでよく使われる植物の黒い油、そして牛の皮下から取れる脂と、3種類もの油脂を使って炒めているそうです。

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お次は、「バラク」という料理(500円)。ウズベキスタンの餃子にあたる料理です。この料理も、ほとんどのお客さんが頼んでいくとか。

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以前、ロシアの餃子「ペリメニ」を紹介したことがありますが、この「バラク」も「ペリメニ」のように小ぶりで、包んだ皮の端を合わせて丸い形に仕上げています。上にたっぷり乗っているのは、ひまわり油で甘くなるまで炒め、塩で味付けした玉ねぎにトマトを加えたもの。これがたれの役割を兼ねています。

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こちらはラム肉ではなく、牛肉を使用。玉ねぎも加えたタネを加えます。具と皮の比率でいうと、日本のワンタンに近い感じ。焼かずに、水餃子スタイルで提供されます。

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さらに、ヨーグルトを添えて食べます。サッパリしつつも、まろやかさが加わっておいしさがアップするので、断然かけることをオススメします! しょっぱいものにヨーグルトを合わせる行為に抵抗がある方は、塩気を抜いたマヨネーズだと思ってみればイケるはず。

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最後は、「カザン カボブ」(1,000円)というラム肉とじゃがいもの料理。一見肉じゃがっぽくも見えますが、煮込み料理ではなく、炒めて作った料理です。

この料理でも、ひまわり油が使われます。そして、「オーシュ」で使われた牛の皮下の脂も使用。今回いただいた料理の中で、コレが一番口に合いました! その事を伝えると「ですよね?」とスタッフの方も同意。さきほどの「オーシュ」と「バラク」が2大人気料理らしいのですが、こちらもぜひ初来店の方に試していただきたいメニューです。どんな料理かといいますと……。

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じゃがいもとラム肉を、塩、クミンのほか、ウズベキスタンの秘密のハーブ数種を加えて炒めたものに、生の玉ねぎスライスと、刻んだニラを加えます。

ほっくりと仕上がったじゃがいもにハーブの味が馴染んで、豪快にゴロゴロと入ったラム肉をかみ締めていると、思わず「生ひとつ!」と頼みたくなってしまうのですが……、

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こちらのお店はハラールレストラン。

メニューにはいっさいアルコールはありません。

ウズベキスタンでは緑茶がよく飲まれているそうなので、緑茶も頼んでみました。

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こんなオリエンタルなポットで、数杯分のボリュームで提供されます。しかも250円。

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フランス料理店ではフランスのワイン、タイ料理店ではタイのビールを頼むのと同じように、ハラールのレストランではノンアルコールでいきます。

f:id:Meshi2_IB:20160728190642j:plainサービスで、「ファティル」というウズベキスタンのパンをいただきました。パンといっても、固めのパイのようなもの。小麦粉生地に、ひまわり油と羊の油を1:1で加えて何度も折りたたみ、層を作りあげていきます。そのまま食べるほか、スープに浸して食べることもあるそうです。 f:id:Meshi2_IB:20160728190643j:plain

食べているうちにすっかりハラールレストランということを忘れ、シンプルに、おいしい異国の料理を食べに来ている気分になっていることに気づきました。

とはいえ、酢にもアルコールが使われているため米酢など使える酢が限られている、日本のハラールレストランではばら印の砂糖を使うのがポピュラー、ウズベキスタンにはメニューがなく店主にその場でリクエストすればなんでも作ってくれるお店がたくさん存在する、などというイスラムトークが繰り出されると、やはりハラールレストランならではの興奮が蘇ってきます。

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現在は2名体制ですが、今後はウズベキスタンのシェフがもう1名加わって、さらにメニューを拡大していく予定とのこと。ウズベキスタンにはうどんのような「ラグマン」という料理などもあるそうで、さらなる興味がふくらみます!

お店情報

SAMARKAND(サマルカンド)

住所:東京都台東区西浅草3-29-20

電話:非公開

営業時間 :11:00~21:00頃

定休日:不定休

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:増山かおり

増山かおり

1984年、青森県七戸町生まれ。東京都江東区で育ち、百貨店勤務を経てフリーライターに。『散歩の達人』(交通新聞社)にて『町中華探検隊がゆく!』連載中。『LDK』(晋遊舎)『ヴィレッジヴァンガードマガジン』などで執筆。著書に『JR中央線あるある』(TOブックス)、『高円寺エトアール物語~天狗ガールズ』(HOT WIRE GROOP)。

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