マンションの資産価値は保ちたいけど、理事になりたくない!?

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マンションの資産価値は保ちたいけど、理事になりたくない!?

リクルート住まいカンパニーが、首都圏の分譲マンション居住者を対象に「2016年マンション管理とコミュニティについての調査」を行った。それによると、マンションの資産価値は保ちたいのに、自分は理事になりたくないという居住者が多いという。はたしてそれで、資産価値は保てるのだろうか?【今週の住活トピック】

「2016年マンション管理とコミュニティについての調査」を発表/リクルート住まいカンパニー

マンションの資産価値は保ちたいけど、理事にはなりたくない

2004年~2014年の間に入居して今も住んでいる6304人に、「今のマンションを適切に管理・修繕して、資産価値を保ちたいか?」と聞いたところ、96.7%が思う(とてもそう思う67.5%・ややそう思う29.2%)と回答し、マンション管理への意識が高いことが分かった。

一方で、「管理組合の総会への参加」は、「している」が45.7%(ほぼ参加している26.2%・どちらかというと参加が多い19.4%)と半数を割り(画像1参照)、「管理組合の理事や専門委員会の委員になってもいい」に「あてはまる」のは34.4%(あてはまる11.4%・ややあてはまる23.0%)と3分の1近くにまで下がる結果となった。

さらに、管理組合への関与度が低くなる傾向は、特に総戸数が300戸以上の大規模なマンションほど強くなることも分かった。【画像1】管理組合の総会への参加(全体/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2016年マンション管理とコミュニティについての調査」)

【画像1】管理組合の総会への参加(全体/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2016年マンション管理とコミュニティについての調査」)

迅速に対応しているが、リーダーシップは感じられないという理事会が多い

さて、管理組合の最終的な意思決定は、年に1回は開催が求められている管理組合の総会で決まる。ただし、総会では理事会からの議案を承認する場合が多いので、実際の意思決定は理事会の責任によるところが大きい。

では、理事会はどういった印象をもたれているだろうか?

管理組合の理事会について、あてはまると思うかどうか聞いたところ、画像2のような結果となった。「迅速に意思決定をしている」が63.5%(とてもそう思う17.4%・ややそう思う46.1%)、「リーダーシップを感じる」のは40.1%、「管理組合の運営を企業経営の視点で行っている」は27.4%という結果だ。【画像2】管理組合の理事会の様子(全体/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2016年マンション管理とコミュニティについての調査」)

【画像2】管理組合の理事会の様子(全体/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2016年マンション管理とコミュニティについての調査」)

マンションの管理組合に「企業経営の視点」は必要か?

「企業経営の視点」という項目を、唐突に感じる読者も多いかもしれない。そもそも管理組合は非営利組織なので、利益を追求する企業経営とは異なるからだ。

とはいえ、管理費や修繕積立金を効果的に使い、資産価値をできるだけ高くしたいと真剣に思うなら、コスト意識や委託先との契約内容の妥当性の判断、さまざまな課題を把握して柔軟でスピーディーに意思決定する、といったことが欠かせない。企業に勤務している人なら、仕事上常に行っていることだ。

リクルート住まいカンパニーは、前年末に「2016年のトレンド予測」を発表した。トレンドキーワードは「住民経営マンション」。「SUUMO」編集長池本洋一氏によると、当事者意識をもつ住民による経営視点のマンション管理が広がってきているという。

「トレンド予測」のリリースから引用しよう。

住民経営型マンションでは、長期修繕計画を見直したり、住民向けイベントを企画・運営し、その取組みをホームページを作って内外に発信するところや、複数マンションが連携し、バスの本数を増やすなど住みやすさ改善まで取組む事例も出てきている。また、こうした住民経営を支援する第三者機関や管理会社も登場してきている。

マンション選びは立地を重視する人も多いが、立地は変えられないが、住み心地は住民自身が変えられる。「住民経営度」が新しいマンションの価値モノサシの1つになる可能性を感じている。

さて、大規模マンションで理事会などへの参加意欲が低い傾向があるのは、誰かがやってくれると思っているからだろう。当事者意識が低ければ、理事会が管理会社の言うままであったり、マンションの課題の発見が遅れたり、より快適にするための提案がなかったりということになる可能性もある。

ちなみに、筆者はマンションに暮らしているが、管理組合の理事会や専門委員会(大規模修繕委員会)に積極的に参加している。住宅を専門にしているなら参加するのが当然だと思われるかもしれないが、管理費や修繕積立金を無駄に使いたくないし、愛着のあるマンションで快適に暮らしたいと思ってのこと。生活の拠点となるマンションの管理組合には、他人任せにせず関心をもって参加してほしい。●参考

2016年の「住まいトレンド」は “住民経営マンション”(SUUMOジャーナル)
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/08/117056_main.jpg
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