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もやもや病 ラーメンなど熱いもの食べた際に脱力発作も

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 もやもや病は、頭蓋内の内頸動脈(ないけいどうみゃく)が何らかの原因で細くなり、脳内に血液不足の状態(虚血、きょけつ)を起こす病気である。血流を確保するため、残された頭蓋内の複数の細い血管が代わりに太くなり、これらが脳血管撮影では煙のように見えることから、日本で「もやもや病」と命名された。

 東京大学医学部附属病院脳神経外科もやもや病専門外来の今井英明特任講師に話を聞いた。

「小児における典型的な症状は、激しく泣いたときやラーメンなど熱いものを食べた際に、半身の脱力発作などの虚血症状が起こります。一方、成人では、以前は中年以降に脳出血で発見されるものが多かったのですが、近年のMRA検査の普及で、症状がない無症候性(むしょうこうせい)のもやもや病と診断される症例が増加しています」

 無症候性とはいえ、内頸動脈が狭窄(きょうさく)しているため、MRAで見ると、小さな脳梗塞が見つかることもある。さらに高血圧、高脂血症(こうしけっしょう)、糖尿病など、いわゆる生活習慣病を併発している症例も少なくなく、脳動脈硬化症との鑑別が難しい症例もある。

 治療は、無症候性であれば基本的には内科治療となり、特に血圧のコントロールに重点を置く。また、脳梗塞が認められる場合には、抗血小板作用と脳血流改善が期待できるシロスタゾールという薬を服用することもある。

 半身の脱力などの症状があり、十分に内服治療を行なっても脳虚血症状がある場合には、外科治療の対象となる。手術は、開頭によるバイパス手術で、血流を頭蓋外から頭蓋内へ補給する血行再建術を行なう。その方法には2通りあり、頭蓋内血管と頭皮下の血管を直接繋ぐ直接血行再建術と、頭皮下血管や側頭筋などの組織を脳の表面に置き、血管を自然発生的に新生させる間接血行再建術がある。

 東京大学病院では、10歳未満の小児に対しては脳への負担を考慮し、間接+間接血行再建術を行なっている。10歳以上では、直接+間接血行再建術を行なう。いずれの治療も、合併症が極めて少なく、長期の治療成績もよい結果を得ている。

「もやもや病は、日本を中心とした東アジアに多く、欧米には少ないうえ、家系内での発症が相当数みられることから、遺伝的な要因が疑われていました。近年、日本の複数の研究機関で、もやもや病に関連するRNF213という遺伝子が同定されました。もやもや病では約85%が、このRNF213遺伝子多型(個人差)がありました。日本人の2%は、この遺伝子型を持っていますが、発症するのはごく一部です」(今井特任講師)

 もやもや病の発症は、この遺伝子の多型があるだけではなく、環境や生活習慣など複雑な要因が重なることで起こる。そのため、患者に対する適切な診断と治療を行なうには、専門病院での検査・診断が望ましい。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2016年9月9日号

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