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「拡張型心筋症」の少女と吉田沙保里選手の約束 心臓移植が唯一の治療法

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2016年8月27日(土)、28日(日)にかけて放送される「24時間テレビ」において、リオ五輪女子レスリングで大きな活躍を見せた吉田沙保里選手が、心臓病と闘う千葉の13歳の女子中学生にメダルを約束する企画に参加しました。

拡張型心筋症と脳梗塞を患っている女子中学生は、2015年5月にアメリカで心臓移植手術に成功し、現在はリハビリ生活を送っております。

吉田選手が固い約束を交わした少女を襲った「拡張型心筋症」はどのような病気なのでしょうか。医師に解説をしていただきました。

拡張型心筋症とはどのような病気?

拡張型心筋症とは、心機能障害を示す心筋の病気の一つで、心室や心房に内腔の容積が大きくなってしまう心拡大及び、収縮機能の問題を生じる病気です。

薬剤などには根本的な治療にならず、心臓移植が現在のところ拡張型心筋症の唯一の根本的な治療となります。

拡張型心筋症の症状

最初の頃は自覚症状はあまりないことが多く、疲れやすかったり、だるさや動いたときに少し動悸がする程度ということが多いようです。

拡張型心筋症が進行すると、以下のような症状が出ます。

■むくみ

■湿った咳

■頸静脈が膨れて浮き上がって見える

■薬の効きにくい深刻な不整脈

■うっ血性心不全

拡張型心筋症の原因

以前はウイルスやアルコール、毒物などが関係すると考えられていました。

しかし、最近の研究で遺伝子の突然変異が一部の拡張型心筋症の発症に大きく関連しているのではないかという発表が見られるようになり、原因が徐々に明らかになりつつあります。

心臓移植の方法

多くの場合は、同所性心移植といって重い心疾患に罹患している患者さんの心臓を摘出し、脳死状態にある提供者から取り出した心臓を移植することになります。

ときに、本人の心臓を残したまま、別の場所に提供者の心臓を移植する異所性心移植も行われます。移植後は感染や拒絶反応を抑えるため色々なお薬を服用する必要があります。

日本国内で行う場合、健康保険の適用となり、本人の持ち出しは収入に応じた上限額までということになります。

心臓移植が日本であまりおこなわれない理由

日本であまり心臓移植が行われない理由としては、まず提供者の不足が主な原因と考えられます。

法律の整備の問題や医療不信、日本人の宗教観、文化的なものなどのほか、臓器提供に至るまでのプロセスに非常に時間がかかるということも日本で臓器提供があまり根付かない大きな原因ではないかと考えられています。

技術としては行える大学病院なども多いので、考え方によっては非常に残念な状況にあるとも言えます。

医師からのメッセージ

拡張型心筋症は現在のところ心臓移植以外に根本的な治療法がなく、症状が進行すると救命のためにどうしても心移植を要する疾患です。

米国など海外にわたって心臓移植を受けるための募金なども街角やメディアで見かけたことのある方も多いでしょう。

特に小さな子供さんの場合は、現在の日本では移植の意思決定の問題があり、海外に渡らざるをえない現状があります。

色々な考え方があり、一概には言えませんが、十分に議論し今後の在り方を論議していく必要のあるテーマですね。

(監修:Doctors Me 医師)

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