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日本会議の生みの親 「何を怖がっているのという感じ」

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 故きを温ねて新しきを知る。内閣改造や新都知事、そして天皇の生前退位といった最新ニュースの深層は、戦後政治史の経験と蓄積がなければ読み解けない。そこで、本誌恒例の老人党座談会を緊急招集した。村上正邦氏(84)、平野貞夫氏(80)、筆坂秀世氏(68)の3氏が存分に語り合った。

村上:安倍さんは皇室典範についてはまったく発言しないじゃない。安倍(晋三)さんが積極的じゃないのは日本会議が皇室典範改正に反対してきたからだと言われるけど、日本会議が何を言おうと、この問題については、理屈が通らないと思うね。

 もし安倍さんが日本会議の言い分を尊重しようとしているなら、衛藤晟一(首相補佐官)を大臣にしているはずですよ。だけど、入閣させてないということは、そういうことですよ。日本会議の象徴は、稲田(朋美・防衛相)じゃない。稲田だとみんな言うが、衛藤ですよ。

平野:なるほど。それが「日本会議の生みの親」と呼ばれる村上さんの見方ですか。

村上:私は昔、中曽根康弘さんに触発され、皇室について学ぶ皇室懇(皇室問題議員有志懇話会)という勉強会をつくったんだけど、衛藤は当時、一年生議員のくせに、皇室懇にしゃしゃり出てきてたんだから。本当にあつかましい。

筆坂:日本会議って、にわかに注目されているけど、世間の人はみんな知らないし、何でそんなに恐れられているの?

村上:それはやっぱり、総理の側近に日本会議のメンバーが多いからなんだけど、私がみんな推薦したんだよね。「こいつも入れろ、ああ、こいつもいいじゃないか」って。

筆坂:村上さんが推薦したんじゃないか!(笑い)

村上:だから、私からすると、「何を怖がってるの? こいつらを」という感じなんだけどね。

筆坂:影響力が過大にとらえられているということだね。

村上:安倍政権の側近連中が、ことあるごとに発言するから、大きな力になっていくんですよ。地方議会においては、椛島(有三・日本会議事務総長)あたりのシニア部隊が議員をオルグしていくから、議会がそれに従うような構図が生まれてくる。

筆坂:それを影響力というのでは……(笑い)。

村上:あるかもしれないけど、大したことはないよ。

平野:もう一つの問題として、自民党の憲法草案では、天皇を元首にして国家の中心に据えるとしているでしょう。それで生前退位を可能にすると、天皇が政治利用される危険が高まりますよ。

村上:そういう問題もある。私は、皇室問題を解決するには、まず天皇家に京都にお戻りいただくことだと思っている。明治天皇は政府に連れられて、江戸城に入れられ、軍部に利用されてきたんですよ。そこから間違っていたんだから、京都御所にお帰りいただき、政権と切り離し、本来の祈り、天の神と地の神、人間と祀り合わせることにご専念いただく。

 そのうえで、皇居は世界遺産に登録しよう。それがいい!

●村上正邦/1932年生まれ。自民党。参議院4期。労働大臣、参議院自民党幹事長、自民党参議院議員会長などを歴任。

●筆坂秀世/1948年生まれ。日本共産党。参議院2期。政策委員長、書記局長代行、中央委員会常任幹部会委員を歴任。

●平野貞夫/1935年生まれ。参議院2期。自民党、新生党、新進党、自由党、民主党などに所属。元自由党副幹事長。

※週刊ポスト2016年9月2日号

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